NIKE:ブロックチェーン・RFID用いた「サプライチェーン管理」をテスト
NIKE(ナイキ)やMacy’s(メイシーズ)などを含めた複数の大手ブランドは、アメリカ合衆国アラバマ州にある「オーバーン大学(Auburn University)」のブロックチェーン研究プロジェクトでブロックチェーン技術やRFID(無線周波数識別)を用いたサプライチェーン管理のテストを行なっています。
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複数の大手ブランドが「ブロックチェーン」で実証実験
アメリカ合衆国アラバマ州にある「オーバーン大学(Auburn University)」は2020年3月4日に、
・NIKE(ナイキ)
・PVH Corp(カルバンクラインなどの親会社)
・Herman Kay(ハーマン・ケイ)
・Kohl’s(コールズ)
・Macy’s(メイシーズ)
などといった大手ブランドと協力して取り組んでいる「Chain Integration Project(CHIP)」と呼ばれるプロジェクトの概念実証に関するホワイトペーパーを公開しました。
このプロジェクトでは、ブロックチェーン技術や無線周波数識別(RFID)を用いて各種ブランドのサプライチェーン情報を確認・追跡できるようにするための取り組みが進められており、ブロックチェーン技術を用いてサプライチェーンパートナー間でデータを共有する概念実証はすでに完了したと報告されています。
無線周波数識別(RFID)とは、商品や食品などに名称・値段・製造年月日などの電子情報を入力した「RFタグ」を貼り付け、読み込み装置の「リーダライタ」でそれらの電子情報を読み込むシステムのことであり、各製品の情報を個別に識別して記録するために活用されています。
ブロックチェーン技術は、データの書き換えが困難な方法で情報を記録し、安全にデータを保管することができるため、RFIDのシステムで発信されたそれぞれの製品に関する取引記録を保存するために活用されています。なお、このプロジェクトでは「Hyperledger Fabric」の分散型台帳技術が活用されています。
各種製品の生産情報を個別に管理してブロックチェーン上に記録することによって、偽造品などを撲滅し、生産・流通の効率を高めることができると期待されます。プロジェクトチームが公開したレポートでは「ビジネスパートナー間でデータを交換するための効率的なソリューションがないこと」が指摘されており、一連のソリューションを活用することによって参加企業が様々なデータを共通言語で記録し、それらのデータを適切な貿易パートナーと共有することができると説明されています。
このプロジェクトは「22のブランド・小売業者・物流プロバイダー・ソリューションプロバイダーのコンソーシアム」によってサポートされており、これまでに合計222,974個の製品が12の異なるサプライチェーンノードからブロックチェーンに記録されたと報告されています。
ブロックチェーン技術を用いてサプライチェーン管理を行う取り組みは世界中の大手企業で進められており、世界的なスポーツシューズメーカーである「New Balance(ニューバランス)」は昨年9月にCardano(カルダノ)のブロックチェーン技術を用いたサプライチェーン管理のテストを実施することを発表しています。
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