結論
「円でオンチェーン決済できる時代」が、いよいよ現実に近づいています。
スターテイルグループがSBIグループから約80億円を調達し、日本初の円建てデジタル通貨「JPYSC」と次世代の金融取引基盤の開発が本格化しました。
スターテイルグループ(Startale Group)は2026年3月25日、SBIホールディングスを引受先とするシリーズAラウンドの2ndクローズとして約80億円を調達したと発表しました。
今年1月のソニーイノベーションファンド(Sony Innovation Fund)からの約20億円と合わせ、今回の調達ラウンドの総額は約100億円となります。
この資金は、日本初の信託型円ステーブルコイン「JPYSC」と、株式や現実資産をブロックチェーン上で24時間取引できる基盤「Strium Network」の開発に充てられます。
こうした流れが進むほど、個人でも「暗号資産を扱える環境」を持っているかどうかが重要になってきます。
この記事の重要ポイント
- スターテイルグループがSBIホールディングスから約80億円を調達。シリーズA総額は約100億円に
- 日本初の信託型円ステーブルコイン「JPYSC」は2026年4〜6月のローンチを目標。100万円の送金制限がなく、企業間・大口決済にも対応
- 株式や現実資産をブロックチェーン上で24時間取引できるレイヤー1基盤「Strium Network」を共同開発中
- SBIグループはスターテイルへの出資比率約20%を取得。渡辺創太CEOはSBIホールディングス社外取締役に就任予定(6月株主総会での承認が前提)
- JPYSCの流通はSBI VCトレードが担う予定。口座をあらかじめ準備しておくことが対応の第一歩
発表の概要—スターテイルとはどんな会社か
スターテイルグループは、ブロックチェーン(取引の記録を分散して管理するデジタル台帳)の基盤技術やアプリケーションを開発するシンガポール拠点の企業です。
CEOは渡辺創太氏。
日本では、ソニーグループとの合弁会社「Sony Block Solutions Labs」を通じてイーサリアムのレイヤー2ネットワーク「Soneium(ソニューム)」を開発・運営するなど、国際的な存在感を持つ日本発のWeb3企業として知られています。
※ レイヤー2とは、既存のブロックチェーン(レイヤー1)の上に構築され、処理速度やコストを改善するための仕組みです。
今回の約80億円の調達は、SBIホールディングスとの資本関係をさらに深めるものです。
両社はすでに2025年8月から共同開発を進めており、今回の出資はその連携を資本面でも裏付ける形となりました。SBIグループの出資比率は約20%となります。
また、渡辺創太氏は2026年6月のSBIホールディングス株主総会での承認を前提として、同社の社外取締役に就任する予定であることも合わせて発表されています。
「JPYSC」とは——円建てのデジタル通貨が日本に登場
JPYSCを一言で言うと、「円と1対1で価値が連動するデジタルのお金」です。
ビットコインのように価格が乱高下するのではなく、常に1JPYSC=1円として扱われる設計です。これをステーブルコインと呼びます。
【なぜ今JPYSCが注目されるのか】
既存の銀行振込は平日日中しか動かず、海外送金には数日・高い手数料がかかります。JPYSCはブロックチェーン上で動くため、24時間365日・低コストでの決済・送金が可能になります。
【JPYSCの主な特徴】
- 日本初の信託型:新生信託銀行が発行を担い、改正資金決済法に準拠した「3号電子決済手段」として設計。法的裏付けのある安全な仕組み
- 100万円の送金制限なし:既存の円ステーブルコイン(JPYCなど)は国内送金・滞留に100万円の上限がある。JPYSCはこの制限がなく、大口の企業間決済や機関投資家取引にも対応
- 幅広い用途:日常の実務決済・企業間の資金管理・海外送金・トークン化された資産の決済など
- ローンチ目標:2026年4〜6月。規制対応の整備完了が前提
流通はSBI VCトレードが担い、スターテイルが技術開発(スマートコントラクトの設計・セキュリティ構築など)を主導する体制です。
「Strium Network」とは—株や現実資産が24時間取引できる世界
Strium Networkは、SBIとスターテイルが共同開発するレイヤー1ブロックチェーンです。
2026年2月に正式発表されました。
※ レイヤー1とは、ビットコインやイーサリアムのような独立したブロックチェーン基盤そのものを指します。
現在、株式や債券などの金融資産は平日の取引時間内しか売買できず、決済完了まで数営業日かかります。
Strium Networkはこの問題を解決し、「株式や不動産などをブロックチェーン上でデジタル化(トークン化)して24時間取引・即時決済できる」世界を目指します。
将来的には、これまで機関投資家にしかアクセスできなかった資産クラス(未公開株・海外不動産など)へ、個人が少額から参加できる仕組みの整備も視野に入っています。
トークン化資産の世界市場は2033年までに約2800兆円規模に達すると推計されており、SBIグループの8,000万人超の顧客基盤(同社発表)とスターテイルのブロックチェーン技術を組み合わせた取引基盤を、世界規模で提供することが両社の目標です。
SBIとスターテイルの連携——ここまでの経緯
今回の資金調達は、約8カ月かけて段階的に深まってきた両社の関係の集大成です。
- 2025年8月:トークン化株式・RWA(現実資産)の取引基盤を共同開発する合弁会社を設立
- 2025年11月:スターテイルがスーパーアプリ「Startale App」を発表。SNSアカウントでログインするだけでデジタル資産管理やオンチェーンアプリにアクセスできる個人向け入り口となるアプリ
- 2025年12月:円建てステーブルコインの共同開発に向けた基本合意書(MoU)を締結
- 2026年2月:専用ブロックチェーン「Strium Network」を発表。円ステーブルコインの名称を「JPYSC」と正式発表
- 2026年3月:SBIが約80億円を出資(出資比率約20%)。渡辺創太氏のSBI社外取締役就任も発表
この流れが示すのは、「日本の大手金融グループがブロックチェーン技術を本気で金融インフラに組み込もうとしている」という方向性です。
JPYSCやStrium Networkは、その中核に位置するプロジェクトです。
個人にとって何が変わるのか
難しい話に聞こえますが、個人レベルでの影響は具体的です。
① 円のまま、ブロックチェーンの恩恵を受けられるようになる
JPYSCが普及すれば、暗号資産の価格変動リスクを取らずに、24時間送金・低コスト決済というブロックチェーンのメリットだけを享受できます。
「ビットコインは怖いけどデジタル円なら使ってみたい」という層に広く刺さる可能性があります。
② 個人向けの入り口「Startale App」が整備されつつある
スターテイルは2025年11月、SNSアカウントでログインするだけでオンチェーンサービスにアクセスできるスーパーアプリ「Startale App」を発表しています。
ウォレットや秘密鍵管理といったWeb3特有の複雑さを解消し、一般ユーザーが使いやすい入り口を整備する方向性が見えます。
③ 資産運用の選択肢が広がる可能性
Strium Networkが機能し始めると、これまで機関投資家向けだったトークン化資産への個人参加が現実味を帯びます。ただし現時点では開発段階であり、個人向けサービスの具体的な内容は未定です。
④ 今できる準備は口座開設のみ
JPYSCの流通パートナーはSBI VCトレードです。サービス開始と同時に対応できるよう、あらかじめ口座を用意しておくことが唯一の具体的なアクションです。
目的に応じて、自分に合った取引所を選びましょう。
少額から試したい・仮想通貨が初めての方
- bitFlyer:1円から取引・積立が可能
JPYSCの動向を追いたい・手数料を抑えたい人
- SBI VCトレード:JPYSCの主要流通パートナー。入出金・送金手数料が原則無料
アルトコインを幅広く触りたい人
【詳細比較】国内主要仮想通貨取引所5社
SBI VCトレード
大手金融グループ運営|コスト重視派に人気

Coincheck(コインチェック)
初心者に人気のアプリ重視型取引所

bitbank(ビットバンク)
アルトコイン取引に強い本格派

OKJ
取扱銘柄数が多く、新興銘柄にも対応

bitFlyer(ビットフライヤー)
ビットコイン取引量で知られる老舗取引所

5社比較まとめ表

あなたに最適な取引所は?
30秒診断であなたにぴったりの取引所を見つける

よくある質問(Q&A)
Q. スターテイルグループとはどんな会社ですか?
シンガポールを拠点とするブロックチェーン開発企業です。CEOは渡辺創太氏。ソニーグループとの合弁会社を通じてイーサリアムL2「Soneium」を、SBIホールディングスとの合弁でL1ブロックチェーン「Strium Network」や円ステーブルコイン「JPYSC」をそれぞれ共同開発しています。
Q. ステーブルコインとはなんですか?
円やドルなど法定通貨と価値を連動させたデジタル通貨です。ビットコインのように価格が変動するのではなく、1JPYSC=1円のように価値が安定しているのが特徴です。ブロックチェーン上で動くため、24時間・低コストでの送金・決済が可能になります。
Q. JPYSCはいつから使えますか?
2026年度第1四半期(4〜6月)の正式ローンチを目標としています。ただし、関連する規制・制度への対応体制の整備が前提となるため、スケジュールは変動する可能性があります。
Q. JPYSCと既存のJPYCは何が違いますか?
JPYCは資金移動業者が発行する「1号電子決済手段」で、国内送金・滞留に100万円の上限があります。一方JPYSCは信託銀行が発行する「3号電子決済手段」で、この制限がなく、大口の企業間決済や機関投資家取引にも対応できる点が大きな違いです。
Q. SBI VCトレードの口座を持っていると何かメリットがありますか?
SBI VCトレードはJPYSCの主要な流通パートナーです。JPYSCが正式ローンチされた際に口座があればスムーズに対応できます。あらかじめ開設しておくことを推奨します。
Q. 今回の資金調達の総額はいくらですか?
SBIホールディングスからの約80億円(約5,000万ドル)に加え、ソニーイノベーションファンドからの約20億円(約1,300万ドル)を合わせ、シリーズAラウンドの調達総額は約100億円(約6,300万ドル)となりました。
まとめ
スターテイルグループは、SBIホールディングスを引受先とするシリーズAラウンドの2ndクローズとして約80億円を調達し、シリーズAの総額を約100億円に拡大しました。
資金は、日本初の信託型円ステーブルコイン「JPYSC」(2026年4〜6月ローンチ目標)と、株式・現実資産などをブロックチェーン上で24時間取引できる基盤「Strium Network」の開発に充てられます。
「暗号資産は怖い」という人でも、JPYSCのような円建てのデジタル通貨であれば、価格変動リスクなしにブロックチェーンの利便性を享受できる可能性があります。
今できる唯一の準備は、JPYSCの流通パートナーであるSBI VCトレードの口座を開設しておくことです。
免責事項 本記事は情報提供を目的としており、特定の有価証券や暗号資産への投資を推奨するものではありません。記載内容は2026年3月25日時点の発表情報に基づいており、サービス内容・スケジュールは変更される場合があります。最新情報は必ず各社の公式サイトおよび適時開示資料でご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。
The post スターテイルがSBIから80億円調達。JPYSC・トークン化資産の開発加速か first appeared on CoinChoice(コインチョイス).

コメント