【徹底解説】 『漫画全巻ドットコム』運営TORICOがETH累計9.7億円を投資した理由とは

この記事の結論

東証グロース上場の株式会社TORICO(証券コード:7138)は、2025年12月から2026年3月にかけてイーサリアム(ETH)を複数回にわたり継続取得し、総保有量は2,156ETH超・総取得額約9.7億円(2026年3月13日時点)に拡大しています。

「漫画全巻ドットコム」を運営するマンガECの会社が、なぜETHを積み上げているのか。

その背景には「稼ぐトレジャリー2.0」と呼ばれる新たな企業戦略があります。

 

メタプラネットがビットコインで先行したように、TORICOはイーサリアムで同様のポジションを狙っています。

ただし、3月13日時点でETH価格は取得平均単価を下回っており、約2.5億円の含み損が発生しています。

本業の赤字や上場廃止リスクも開示されていることから、投資判断には慎重な検討が必要です。

 

今回のように上場企業がイーサリアムを大量に保有する動きは、「ETHを直接保有する投資」への関心を高める要因にもなっています。

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3つの押さえておくべきポイント

  • TORICOは「日本No.1 イーサリアム運用会社」を目標に掲げ、累計2,156ETH超・総取得額約9.7億円を保有しています(2026年3月13日時点)
  • ビットコインを積み上げるだけの「トレジャリー1.0」と異なり、ステーキングによる運用収益まで狙う「稼ぐトレジャリー2.0」を目指しています
  • ETH価格下落により約2.5億円の含み損が発生しており、本業の赤字・上場廃止リスクとあわせて投資リスクは非常に高い銘柄です

    TORICOとは?「漫画全巻ドットコム」からETH運用会社へ

    株式会社TORICO(7138)は、全巻セット専門のネット書店「漫画全巻ドットコム」を運営する東証グロース上場企業です。

    マンガ・アニメのIPコンテンツ事業を軸に成長してきましたが、主力のEC事業が特定のヒット作品に依存する構造から脱却できず、2024年3月期から2期連続で営業損失を計上しています。

     

    ただし、2026年2月13日発表の第3四半期決算では、営業損失が前年同期比で約1.8億円から約6,400万円へと縮小しており、本業の収益性は改善傾向にあります。

    この状況を打開するもう一つの柱として打ち出したのが、暗号資産投資事業への参入です。

    当初はビットコインへの投資を発表していましたが、2025年12月にWeb3ゲーム企画・開発会社のMint Townと資本業務提携を締結し、投資対象をイーサリアム(ETH)に変更しました。

     

    「日本No.1 イーサリアム運用会社へ」というミッションを掲げ、暗号資産投資事業の推進を目的とした100%出資子会社「株式会社TORICO Ethereum」も設立しています。

    ETH取得の経緯を時系列で整理する

    TORICOによるETH取得は、2025年12月から現在にかけて急ピッチで進んでいます。

     

    時期 取得内容
    2025年12月25日 ETH取得開始を発表(初回:約216 ETH、約1億円、平均単価約46.1万円)
    2026年1月8日〜23日 複数回にわたり追加取得を実施
    2026年1月23日 子会社「TORICO Ethereum」設立完了を発表。466.7 ETHを追加取得(約2.2億円)。累計1,684 ETH・総取得額約8.2億円に拡大(平均単価486,745円/ETH)
    2026年1月27日 「Ethereum Shift 2026」(CoinPost共催)の開催を発表
    2026年2月12日 グローバル運用アドバイザー Sami Tannir 氏が ETH 運用アドバイザーに就任
    2026年2月17日 追加取得を発表。保有量がさらに拡大
    2026年3月13日 79.9897 ETH(約2,700万円、平均単価337,542円)を追加取得。累計2,156 ETH・総取得額約9.7億円(平均単価449,257円/ETH)に達する

     

    ETH価格が下落するなか、平均取得単価を引き下げながら買い増しを継続しています。

    3月13日時点のETH価格(約333,898円/ETH)では、評価額は約7.2億円となり、約2.5億円の含み損が発生しています。

    なぜビットコインではなくイーサリアムなのか

    TORICOのDAT事業アドバイザーで、gumi創業者の國光宏尚氏は、ビットコインではなくイーサリアムを選んだ理由について、「トレジャリー1.0の限界を突破し2.0へ進化するために必要な機能がETHにしかない」「ETHは保有しているだけでキャッシュフローを生む資産だ」と説明しています(要旨)。

    具体的には、以下の3点がイーサリアムを選んだ主な理由です。

     

    ①ステーキングによる収益創出が可能

    ビットコインは保有するだけでは収益を生みませんが、イーサリアムはネットワーク運営への参加(ステーキング)により年率数%の報酬を得ることができます。「積み上げるだけのトレジャリー」から「稼ぐトレジャリー」への転換を可能にする点が最大の違いです。

    ②マンガ・アニメ事業とのシナジー

    イーサリアムのブロックチェーン上ではNFTやトークンを活用した新たなコンテンツビジネスが展開されており、TORICOが持つマンガ・アニメのIPとの融合が期待されています。同社は「この事業シナジーは当社ならではの競争優位性の源泉となりうる」と述べています。

    ③日本市場における差別化

    メタプラネットが「日本版マイクロストラテジー(ビットコイン)」として先行しているなか、イーサリアムのポジションはまだ空白でした。「イーサリアムといえばTORICO」というブランドを確立することで、独自の存在感を示す狙いがあります。

     

    なお、「メタプラネットの劣化コピーに過ぎない」という批判的な見方も一部の市場関係者からあることは留意しておく必要があります。

    ETHがBTCに比べて価格上昇余力が大きいかどうかは、現時点では未知数です。

    「稼ぐトレジャリー2.0」とは何か

    TORICOが掲げる「稼ぐトレジャリー2.0」は、従来のトレジャリー戦略(DAT:Digital Asset Treasury)を発展させた概念です。

     

    ●トレジャリー1.0(積み上げるだけ)

    メタプラネットやストラテジーのように、ビットコインを大量に保有してその価値上昇を株主に還元する戦略。保有資産の値上がりが唯一の収益源。

    ●トレジャリー2.0(稼ぐ)

    イーサリアムをステーキングやDeFi(分散型金融)への貸し付けなどで運用し、保有しながら安定的なキャッシュフローを生み出す戦略。価格上昇益に加えて運用収益を積み上げることで、「PERモデル(利益に基づく評価)」での企業価値評価を目指します。

     

    TORICOはこの「稼ぐトレジャリー」モデルを日本で初めて本格的に実装する上場企業として注目されています。

    2026年2月にはSBI VCトレード社長や業界関係者が登壇したオンラインイベント「Ethereum Shift 2026」を開催し、機関投資家・一般投資家の双方への認知拡大を図りました。

    また、2月には海外のETH運用の専門家 Sami Tannir 氏を運用アドバイザーに迎え、グローバルな視点での運用高度化も進めています。

    株価の動向と注意すべきリスク

    TORICOの株価は、ETH戦略の発表と取得発表を繰り返すたびに大きく反応してきました。

    2025年12月17日時点の140円から、イーサリアム戦略発表後の約1週間で418円まで約3倍に上昇しています。

    一方で、以下のリスクを理解しておくことが重要です。

     

    ①含み損の発生(最重要)

    3月13日時点で平均取得単価は449,257円/ETHに対し、ETH市場価格は約333,898円/ETHまで下落しています。評価損は約2億4,872万円に達しており、ETH価格がさらに下落すれば含み損は拡大します。「稼ぐトレジャリー2.0」の前提となるETH価格水準を大きく割り込んでいる状況です。

    ②本業の赤字(縮小傾向だが継続中)

    2026年3月期第3四半期の営業損失は6,400万円(前年同期1億8,200万円から改善)。損失幅は縮小しているものの、依然として赤字が続いています。

    ③上場廃止リスク

    同社は「流通株式時価総額が上場維持基準を充たしていない」と開示しています。2026年3月31日が次の基準日で、適合が確認されない場合は監理銘柄に指定され、最終的に2026年10月1日に上場廃止となる可能性があります。

    ④希薄化リスク

    ETH取得の資金調達のために第三者割当増資や新株予約権(第11回)を発行しており、株式の希薄化(発行済み株式数の増加)が約29%に及ぶとされています。

    ⑤ETH価格下落リスク

    2026年3月現在、ETH価格は2025年高値から50%超下落した水準で推移しています。取得を継続しているものの、市場環境が改善しなければ含み損はさらに拡大します。

     

    これらのリスクを総合すると、TORICOは「ETHトレジャリー企業」という新しいコンセプトへの期待で動く思惑相場の性格が強く、値動きの激しさとリスクの高さは一般的な株式銘柄よりもはるかに大きいといえます。

    この潮流がイーサリアム市場に示す意味

    TORICOの戦略が持つ意義は、単一企業の話を超えた「日本でイーサリアムトレジャリー企業が誕生した」という市場へのシグナルです。

    メタプラネットがビットコインで示したように、上場企業が暗号資産を財務戦略の中核に置くことは、機関投資家・個人投資家の双方に対して「株式口座でETHの成長に乗れる」という新しい投資手段を提供します。

     

    2026年の金商法改正により暗号資産が投資商品として正式に位置づけられれば、こうした「DAT企業」への機関投資家の参入も加速する可能性があります。

     

    TORICOが日本のイーサリアムエコシステムの起点となれるか、今後の展開が注目されます。

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    よくある質問

    Q. TORICOはどんな会社ですか?

    「漫画全巻ドットコム」などのマンガEC事業を運営する東証グロース上場企業(証券コード:7138)です。2025年12月からイーサリアムのトレジャリー事業を開始し、「日本No.1 イーサリアム運用会社」を目標に掲げています。

    Q. TORICOのETH戦略はメタプラネットと何が違いますか?

    メタプラネットが「ビットコインを保有して価値上昇を狙う」トレジャリー1.0であるのに対し、TORICOはイーサリアムのステーキングや運用による収益創出まで狙う「稼ぐトレジャリー2.0」を標榜しています。保有するだけでなく、運用収益でキャッシュフローを生み出すモデルです。

    Q. TORICOの株を買うのは安全ですか?

    安全とは言えません。3月13日時点で約2.5億円の含み損が発生しており、本業が2期連続赤字で上場廃止リスクも開示されています。第三者割当増資による希薄化リスクもあります。投資は必ずリスクを十分に理解した上で自己責任で判断してください。

    Q. TORICOはなぜイーサリアムをステーキングするのですか?

    イーサリアムはネットワークの運営(バリデーション)に参加することで報酬が得られる仕組みを持っています。TORICOはこの仕組みを活用し、「保有しながら稼ぐ」資産として位置づけています。ビットコインにはこの機能がないため、イーサリアムを選んだ理由の一つです。

    Q. 著名人が関わっているとのことですが、誰ですか?

    gumi創業者の國光宏尚氏がDAT事業アドバイザー(2026年6月に取締役就任予定)として参画しています。また、実業家の堀江貴文氏や本田圭佑氏は、國光氏が運営するファンド「Shooting Star1号投資事業有限責任組合」にLPとして出資しており、TORICOのDAT事業への間接的な関与が報じられています。

    まとめ

    TORICOは「漫画全巻ドットコム」を運営するマンガECの会社から、「日本No.1 イーサリアム運用会社」を目指す企業へとピボットしています。

    2025年12月から2026年3月にかけて累計2,156ETH・約9.7億円を投じ、メタプラネットがビットコインで実践した「トレジャリー1.0」を超える「稼ぐトレジャリー2.0」を日本で初めて本格実装しようとしている点が独自性です。

     

    一方、3月13日時点で約2.5億円の含み損が発生しており、本業の赤字・上場廃止リスク・希薄化リスクが重なる高リスク銘柄であることも事実です。

    ETH価格が回復に転じるかどうかが、戦略の成否を左右する最大のカギといえます。

     

    「ETHトレジャリー企業」という新たな企業モデルの先駆けとなれるか。

    ORICOの今後の展開は、日本のイーサリアムエコシステムの発展を占う上でも注目度が高いです。

    参考情報

    • TORICO公式IR「イーサリアム(ETH)の追加取得に関するお知らせ」(各適時開示・TDnet)
    • JinaCoin「TORICO、イーサリアム追加購入で累計9.7億円──含み損2.5億円でも取得継続」(2026年3月13日)
    • あたらしい経済「TORICOのトレジャリー戦略、イーサリアムを選んだ理由や運用方法、今後の展開は?」(2026年2月)
    • CRYPTO TIMES「1週間で株価3倍!TORICO株、イーサリアム戦略で急騰」(2025年12月)
    • Invest Leaders「TORICO(7138)株価の今後の見通しは?暗号資産(ETH)保有と資本政策の思惑を徹底分析」

    更新履歴

    • 2026年3月17日:初稿公開(2026年3月13日の最新取得データを反映)

    ※本記事は情報提供を目的としており、特定の株式・暗号資産への投資を推奨するものではありません。投資には元本割れリスクがあります。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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