結論
メタプラネット(3350)は2026年3月12日、設立予定の完全子会社「メタプラネット・ベンチャーズ」を通じて、JPYC株式会社のシリーズBラウンドへ最大4億円を投資する基本合意書を締結したと発表しました。
出資の実行は2026年4月を予定しており、デューデリジェンスの完了や最終契約締結などが条件です。
同時に、国内ではBTC関連インフラ投資を担う「メタプラネット・ベンチャーズ」、米国フロリダ州マイアミでは機関投資家向け資産運用を担う「Metaplanet Asset Management」を設立する方針も明らかにしました。
今回の発表で注目されるのは、メタプラネットが従来の「ビットコイン保有企業」から、JPYCのような円建てデジタル決済基盤も取り込みながら、ビットコイン金融インフラを構築する企業へと戦略を広げようとしている点です。
なお、ビットコインや暗号資産の取引を始める場合は、まず金融庁に登録された国内の暗号資産取引所を利用することが基本となります。安全性やサポート体制を考えると、国内取引所を経由して購入する方法が一般的です。
発表の概要──3つの発表を同時に適時開示
2026年3月12日午前9時、メタプラネットは東京証券取引所に対して3件の適時開示を同時に提出しました。
CEOのサイモン・ゲロヴィッチ(Simon Gerovich)氏も自身のXで、完全子会社2社の設立を取締役会で決議したことを明らかにしています。
| 発表内容 | 詳細 |
|---|---|
| ① メタプラネット・ベンチャーズ設立 | BTC関連インフラへの国内投資を担う完全子会社。2026年3月設立予定 |
| ② JPYC株式会社への投資 | シリーズBラウンドへ最大4億円。基本合意書を締結済みで、実行は2026年4月予定 |
| ③ Metaplanet Asset Management設立 | 米国フロリダ州マイアミに設立する機関投資家向け資産運用子会社。2026年3月設立予定 |
JPYC株式会社への最大4億円出資──詳細と条件
投資の枠組み
今回の出資は、JPYC株式会社のシリーズB資金調達ラウンドへの参加として実施される予定です。
発表では「最大4億円」とされており、この表現はデューデリジェンス(企業調査)の結果や最終契約の内容によって、投資金額が変動する可能性を含んでいます。
投資の原資はメタプラネット本体からの貸付金とされており、実行時期は2026年4月を予定しています。
また、メタプラネットは今回の投資が2026年12月期の連結業績に与える影響について「軽微」と見込んでいます。
そのため、この出資は短期的な業績インパクトを狙うものというより、今後の事業展開を見据えた中長期の戦略投資として位置づけられます。
なぜJPYCに出資するのか
メタプラネットは、今回の出資の目的を「ビットコインネイティブ金融サービス基盤」の構築における日本円デジタル決済レイヤーの確保だと説明しています。
ビットコインを中心とした金融サービスを広げていくうえでは、価格変動の大きいBTCだけでなく、日本円に連動したステーブルコインのような決済手段も必要になります。
JPYCはその役割を担う存在として期待されているとみられます。
具体的には、以下のようなサービス展開が構想されています。
- 企業証券のトークン化:有価証券をブロックチェーン上でデジタル化する取り組み
- デジタル資産商品へのステーブルコイン活用:分配や配当などをJPYCで実施する仕組み
- BTCのレンディング・担保インフラ:デジタル円決済を組み合わせた融資モデル
- オープンプロトコルベースの金融商品:既存金融インフラに依存しない仕組み
- BTC+円建てステーブルコイン対応の統合ウォレット:個人・法人向けの一元管理サービス
JPYC株式会社の公式Xでも、JPYCがメタプラネットの目指すビットコイン金融基盤における日本円のデジタル決済レイヤーを担うと説明されており、両社の連携意図は明確です。
「メタプラネット・ベンチャーズ」とは─2〜3年で40億円を国内BTCインフラ企業へ
メタプラネット・ベンチャーズは、ビットコインエコシステムおよび関連インフラへの戦略的投資を目的として新設される国内完全子会社です。2026年3月中の設立を予定しており、メタプラネットが100%出資します。
投資規模と対象分野
投資の原資は、メタプラネットが保有するビットコインから生じるキャッシュフロー、いわゆるビットコインインカム事業とされています。
今後2〜3年をめどに、総額40億円を投資する計画です。
発表資料では、事業規模の拡大に応じて追加的な資本スキームの導入も検討するとされており、今回の40億円はあくまで現時点での投資方針といえます。
投資対象として明示されている分野は以下のとおりです。
| 分野 | 概要 |
|---|---|
| レンディング | BTCを担保とした融資サービスのインフラ |
| ライトニングネットワーク | BTC高速・低コスト送金の決済基盤 |
| ステーブルコイン決済 | 円建てデジタル決済(JPYCなど)の普及 |
| カストディ | 機関投資家・企業向けのBTC安全保管 |
| トークン化 | 株式・債券などの資産のオンチェーン化 |
| デリバティブ | BTC関連の金融派生商品 |
| コンプライアンス | 規制対応・AMLツールなど |
ベンチャー投資にとどまらない──インキュベーターと助成金プログラムも
メタプラネット・ベンチャーズは、単なる投資会社にとどまらない構想も掲げています。
日本国内のビットコイン関連スタートアップを対象としたインキュベータープログラムの運営や、国内の開発者・研究者・コミュニティ関係者を支援する助成金プログラムの実施も予定しています。
こうした取り組みは、単に有望企業へ資金を投じるだけでなく、日本国内のビットコイン関連エコシステムそのものを育てようとする姿勢の表れといえます。
ゲロヴィッチCEOも、日本は先進的なデジタル資産規制の枠組みを整えた一方で、それに見合う企業やビルダー、インフラの充実が次の課題だという考えを示しています。
米国子会社「Metaplanet Asset Management」──マイアミに設立・機関投資家向け資産運用
同日、メタプラネットはもう一社の完全子会社として、米国フロリダ州マイアミに設立する「Metaplanet Asset Management Inc.」も発表しました。
この子会社は、メタプラネットの資産運用事業および機関投資家向け投資事業を担う位置づけです。
アジアと欧米の資本市場をつなぐプラットフォームの構築を構想しており、イールド(利回り)、エクイティ(株式)、クレジット、ボラティリティ戦略などを展開する予定とされています。
ただし、具体的な商品内容や提供時期などの詳細はまだ公表されておらず、今後順次発表される見込みです。
マイアミは、ビットコイン関連企業や暗号資産関連事業者が集積する都市として知られており、機関投資家との接点を広げる拠点として戦略的な選択とみることができます。
JPYC株式会社とは─日本発の円建て登録済みステーブルコイン
JPYC株式会社は、日本円と1対1で連動するステーブルコイン「JPYC(JPY Coin)」を発行・運営する国内スタートアップです。
東京都千代田区に本社を置き、金融庁に資金移動業者として登録されています。
JPYCは日本の資金決済法に基づく「電子決済手段」として位置づけられており、日本国内で登録済みの日本円建てステーブルコインとして先行的な存在です。
直近の動きと調達状況
JPYC株式会社は2025年10月27日に円建てステーブルコインの正式発行を開始し、2026年2月時点で累計発行額10億円、JPYC EX(発行・償還プラットフォーム)の累計口座開設数が13,000件を突破しています。
資金調達面では、2026年2月にシリーズBラウンドの1stクローズとして総額17.8億円の調達を完了しています。
リード投資家はアステリアで、JR西日本イノベーションズ、bitFlyer Holdings、明治安田未来共創投資事業有限責任組合、両備システムズイノベーションファンドなど幅広い投資家が参加しました。
今回のメタプラネット・ベンチャーズからの最大4億円は、このシリーズBラウンドへの追加参加という位置づけです。
最近の提携・ユースケース拡大
JPYC株式会社は直近でも複数の重要な提携を発表しています。
2026年3月2日にはソニー銀行との戦略的業務提携(MOU)を締結し、ソニー銀行の口座預金から直接JPYCを即時購入できる機能の提供を検討中です。
また、訪日外国人向けの免税リファンド(タックスリファンド)をJPYCで即時ウォレットに送付する仕組みも進んでいます。
2025年11月にはCircleの「Circle Partner Stablecoins」プログラムへの参加も発表しており、国際的なステーブルコインネットワークとの連携も進めています。
この発表が持つ意味──「保有」から「インフラ構築」へ
メタプラネットはこれまで、ビットコインを大量に購入・保有する「トレジャリー戦略」で知られてきました。
米国のMicroStrategyになぞらえられることも多く、株価がビットコイン価格と連動する局面も目立ってきました。
今回の発表は、その戦略に新たな段階を加えるものと見ることができます。
ビットコインを保有するだけでなく、ビットコインを中心とした金融サービスのエコシステムを自ら構築しようとしているからです。
レンディング、ステーブルコイン決済、カストディ、トークン化といった分野への投資方針は、その具体策といえます。
そしてJPYCへの出資は、その第一歩として位置づけられます。
JPYC株式会社にとっても、国内上場企業であり、日本最大級のビットコイン保有企業であるメタプラネットが株主に加わることの意味は大きいでしょう。
調達額の積み増しにとどまらず、BTC金融サービスという新たなユースケースへの接続が期待されます。
もっとも、今回の出資はまだ基本合意書の締結段階です。デューデリジェンスや最終契約の内容次第では、金額や条件が変動する可能性があります。
また、メタプラネット・ベンチャーズが掲げる2〜3年で40億円という投資計画も、メタプラネット本体の財務状況やBTC価格の動向によって、実行ペースに影響を受ける可能性があります。
なお、ビットコインなどの暗号資産を利用する場合は、まず国内の暗号資産取引所で購入するのが一般的です。安全性やサポート体制の観点からも、金融庁登録の国内取引所を利用する方法が基本となります。
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よくある質問(FAQ)
Q1. メタプラネットがJPYCに出資した金額はいくらですか?
A. 最大4億円です。JPYC株式会社のシリーズB資金調達ラウンドへの参加として実施される予定で、デューデリジェンスの完了や最終契約締結が条件となります。そのため、最終的な金額は変動する可能性があります。
Q2. メタプラネット・ベンチャーズとはどんな会社ですか?
A. 2026年3月に設立予定のメタプラネットの100%完全子会社で、国内のビットコイン関連インフラ企業への投資を担います。今後2〜3年で総額40億円を投資する計画で、JPYCへの出資が第一号案件です。
Q3. JPYCとは何ですか?
A. JPYC株式会社が発行する日本円建てステーブルコインです。1JPYC=1円で設計され、日本の資金決済法に基づく電子決済手段として展開されています。
Q4. JPYCのシリーズBラウンドではいくら集まっていますか?
A. 2026年2月のシリーズB 1stクローズで総額17.8億円を調達しました。今回のメタプラネット・ベンチャーズからの最大4億円は、このラウンドへの追加参加にあたります。
Q5. メタプラネットのビットコイン保有戦略に変更はありますか?
A. 発表では、ビットコインを財務準備資産として取得・長期保有する方針に変更はないとされています。今回の動きは、その保有戦略に加えて、BTC金融インフラへの展開を強めるものです。
Q6. 今回の発表がメタプラネットの業績に与える影響は?
A. メタプラネットは2026年12月期の連結業績への影響を「軽微」と見込んでいます。ただし、中長期的には新たな事業基盤づくりとして一定の意味を持つとみられます。
まとめ
メタプラネットは2026年3月12日、完全子会社「メタプラネット・ベンチャーズ」を通じたJPYC株式会社への最大4億円出資と、日米2社の完全子会社設立を同時に発表しました。
ポイントを整理すると、第一にJPYC出資はシリーズBラウンドへの参加であり、2026年4月の実行を予定していること、第二にメタプラネット・ベンチャーズは国内BTC関連インフラに2〜3年で総額40億円を投資する方針を示していること、第三にMetaplanet Asset Managementはマイアミを拠点に機関投資家向け資産運用を担う構想だという点です。
これまで「ビットコインを持つ企業」として注目されてきたメタプラネットが、今後は「ビットコインで金融インフラを作る企業」としてどこまで存在感を高めるのか。
今回の発表は、その方向性を強く印象づけるものとなりました。
出典
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メタプラネット株式会社「メタプラネット・ベンチャーズ設立のお知らせ」(2026年3月12日)
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メタプラネット株式会社「JPYC株式会社への投資に関するお知らせ」(2026年3月12日)
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メタプラネット株式会社「Metaplanet Asset Management設立のお知らせ」(2026年3月12日)
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JPYC株式会社 公式X(2026年3月12日)
-
Simon Gerovich(メタプラネットCEO)公式X(2026年3月12日)
※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄・仮想通貨・サービスへの投資や購入を勧誘・推奨するものではありません。記事内の情報は執筆時点(2026年3月12日)のものです。投資判断はご自身の責任において、専門家にご相談のうえ行ってください。
The post メタプラネット―日本円ステーブルコイン「JPYC」に最大4億円出資へ first appeared on CoinChoice(コインチョイス).


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