為替値を選んで売買というのはどういうこと? 【FXオプション権利行使価格】

FXオプションには、FXにはない様々な特徴があります。今回からは、その特徴を紹介させていただきます。まず最初は、「為替値を選んで売買できる」です。FXでは、その時点の為替値での売買しか出来ないのですが、FXオプションは現在値よりも5円上の為替値の売買ができてしまいます。その仕組みをご紹介します。米ドル円115円のときに120円の売買?FXでは、売買できる為替値が決まっています。現在値115円であれば、その値で売買することしかできません。 それ、当然だよね。  FXではね。FXオプションは違うんだ。FXオプションは、この売買する為替値自体を選べるんだ。現在値115円でも110円の売買をしたりできる。 ・・・そうなんです。   為替値を選んで売買するとは?そもそもFXオプションは、為替値を選んで売買します。売買するときに為替値・・・権利行使価格と呼ばれているのですが、それを選ぶのです。この仕組みを使うことで、「利益を出しやすいポジション」あるいは「低リスクのポジション」など投資家の目的に応じたポジションを作り易くなります。具体例でご説明しましょう。2022年1月31日朝7時10分の米ドル円FXオプションの価格表です。クリックすると拡大します。拡大してご覧ください。満期日となる権利行使日は2022年6月1日と4カ月くらい先です。この価格表の左上にこう表示されています。「ビット115.295 スプレッド1 アスク115.305」これが、現在の米ドル円値で「FX取引値」、つまり・・・米ドル円:115.295-115.305・・・ という意味です。次に、もう少し下の段をみて頂き、ボラティリティ デルタなどと表示されている行の中央をご覧ください。「権利行使価格」と書かれています。FXオプションは、この権利行使価格を選んで売買します。その下には、109.50円から121.00までの数字が並んでいます。この全てが「売買できる権利行使価格」です。つまり、米ドル円現在値が115.295-115.305の時に、109.50~121円までの権利行使価格で、好きなコールとプットの売買ができるということです。具体的には、こんな感じで売買をします。米ドル円現在値115円、ここから大きく上げそうなので、大きく上げた時を想定してコールオプション買いを仕掛けておこう!こういう気持ちで、権利行使価格115円のコール買いを仕掛けたりします。はたまた・・・米ドル円115円まで上げてきたけど、そろそろ天井臭いわね。利益出しやすいコール売りでも仕掛けようかな。もうちょっと上げるかもしれないから、権利行使価格は117円くらいにしておこうかな。こういう気持ちで、権利行使価格117円のコール売りを仕掛けたりします。などなど、個々人の戦略や考えに合わせて、好きな権利行使価格の「コール」か「プット」の「買い」か「売り」を取引できます。そして、この価格表が権利行使日ごとにあります。権利行使日は最短数日から1週間単位くらいで用意されています。 なんか、凄いな。   でしょ。選択肢が沢山あるんだよね。  ところで権利行使価格で売買すると損益はどうなるのか、今一つわからないな。 もうちょっと詳しく教えてくれ! 基本部分で大切なところですので、権利行使価格について、説明させていただきますね。権利行使価格とは?先程の画像をもう一度ご覧ください。クリックすると拡大します。拡大してご覧ください。この画像で「109.50ー121.00円」とならんでいたそれぞれの値を「権利行使価格」と呼びます。大和証券さんの金融・証券用語解説 [権利行使価格]では、以下のように説明されています。*権利行使価格「オプション取引で、オプションの買い手が権利を行使する際にあらかじめ決められた原資産の価格のこと。「ストライクプライス」「エクサイズプライス」ともいいます。コールオプションの場合は購入価格、プットオプションの場合は売却価格を指します。引用元:金融・証券用語解説 [権利行使価格] 多分、この説明では専門的すぎてよくわからないですよね。権利行使価格という言葉だけみると、「権利を行使・・・」ということで、何か難しい手続きをしないといけないと思う方もいるかもしれません。昔はそういうのもあったようですが、今はそうではなく自動的に処理されます。つまり・・・・権利行使日にそのオプションに利益または損失があれば自動的に清算される。・・・ということです。これを具体的な売買で説明しましょう。自動精算の流れ・・権利行使価格の売買イメージFXオプションは、この権利行使価格についている価値=プレミアムを売買します。例えば、今回の画像に合わせて説明すると、この画像で109.50円のコールオプション買いポジションを1万通貨持ったとしましょう。薄赤色部分のポジションです。このポジションの状況を抜き出すとこうなります。想定ポジション米ドル円現在値:115.295-115.305米ドル円コールオプション買い権利行使価格 109.500円権利行使日  2022年6月1日ポジション数1万通貨プレミアム 6.013プレミアム支払代金 6.013×1万通貨=60,130円 コールオプション買いは、「上がれば利益・下げれば損失」で「損失限定・利益限定なし」という性質を持ちます。FXの買いポジションとよく似た性質ですが、損失が限定されているので、大損する心配はありません。プレミアムはFXオプションで売買する値のことです。「買いポジション」を持つ場合は、最初に代金を支払い、決済時には代金を受取ることになります。最大損失はプレミアム支払代金に限定されるため、今回のポジションでは「最大損失60,130円」です。権利行使日6月1日が満期日で、この日までポジションを持った場合、この日の米ドル円値で最終損益が決まります。ちなみに、権利行使日前でも途中段階で売買することもできます。今回は、これを権利行使日まで保有したとしましょう。最終期日の清算事例FXオプションのポジションには、それぞれ寿命があります。FXポジションのように半永久的に保有し続けることはできません。その寿命が「権利行使日」です。わかりやすく言い換えれば・・・「権利行使日=満期日」・・・ということです。先程のコールオプション買いが、権利行使日となると、その状況に応じて清算されます。先程の想定ポジションをもう一度確認ください。想定ポジション米ドル円現在値:115.295-115.305米ドル円コールオプション買い権利行使価格 109.500円権利行使日  2022年6月1日 ポジション数1万通貨プレミアム 6.013プレミアム支払代金 6.013×1万通貨=60,130円  このポジションが権利行使日に清算されるとどうなるか、為替値ごとに確認してみましょう。米ドル円100.00円円高が進んで100円になったとしましょう。FX買いポジション同様に損失となるケースです。プレミアム 0権利行使日 清算金 0円最終損益 ー60,130円損失最大損失となるものの、FXでポジションを作って保有し続けていたら15万円以上の損失となるところです。それが、FXオプションにしたお陰でー6万円くらいで済んでいます。米ドル円 110.00円プレミアム 0.500権利行使日 清算金 5000円最終損益 ー60,130円+5000円=ー55,130円権利行使日にプレミアムがまだあるため受取が発生します。ポジションを作ったときより5円くらいの円高ですので、FX同様損失となっています。米ドル円 120.00円プレミアム 10.500権利行使日 清算金 105,000円最終損益 ー60,130円+105,000円=44,870円米ドル円がポジションを作ったときよりも5円くらい上昇したケースです。権利行使価格が109.500円ですので120円から差し引いた10.500円相当の利益になり、1万通貨ですので105,000円の受取が発生します。ポジション作成時にプレミアム代金として60,130円支払っているので、差引44,870円が最終利益になります。最終日には、ほとんどのポジションがこの3つのどれかで清算されます。実は、清算方法には「FXのポジションに変更して保有」という方法もあります。単純にするため、その説明はここでは割愛させていただきます。この計算は最初はわかりにくいかもしれませんが、実際に取引してみれば慣れます。 

参照元:お気楽FX 相場生活入門編

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