材木相場、暗号資産が調整局面入り…。 株の下落誘引なら、リスクオフ要警戒!

■材木相場急反落で、カナダドル続伸阻まれる みなさん、こんにちは。
 今週(5月17日~)はさまざまな金融商品で調整が入り始め、それが加速してきています。
 まず、材木相場です。今月(5月)に入って「ウッドショック」といわれ、暴騰していた材木相場ですが、一気に急落。以下は、材木先物の日足チャートです。
シカゴ材木先物 日足(出所:IG証券)
 材木相場は、一時、急騰していましたが、5月17日(月)に窓をあけて急反落しています。この急落により、カナダドルの続伸が阻まれた展開。
カナダドル/円 日足(出所:IG証券)
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■暗号資産は大きく調整。ビットコインは一時30%急落 そして、もうひとつ大きく調整したのが暗号資産。
 5月13日(木)に、テスラ創業者で世界2位の富豪であるイーロン・マスク氏がビットコインによる支払い受け入れを停止したことを明らかにし、ビットコインは調整を開始していましたが、その時点ではまだ大きな値幅は伴っていませんでした。
 しかし、今週(5月17日~)に入って、材木相場が大きく値を崩したと同時に、暗号資産の調整も加速。5月19日(水)のビットコインは、一時、材木相場の下落率を上回る30%もの急落。
ビットコイン/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足)
 暗号資産交換取引業者のバイナンスが、ネットワークの混雑を理由にイーサリアムの引き出しを一時停止するなど、複数の主要取引プラットフォームで混乱が生じたこともあり、イーサリアムも大きく値を下げています。
イーサリアム/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:イーサリアム/円 日足)
 こうした材木相場や暗号資産の混乱が直接株や為替に影響があるわけではないのですが、暗号資産や商品での損失補填のため、他の金融プロダクツで利益確定をする動きが出ることがあります。
 結果として、相場がリスクオフへと転換することがあるため、多くのマーケット参加者は暗号資産や今回急騰していた材木相場の動きを注目しています。
 視点を暗号資産に戻すと、暗号資産は荒れ始めると平気で20~40%動くので要注意です。
 筆者のメルマガ「トレード戦略指令!」でもご紹介させていただいていますが、5月17日(月)早朝にイーサリアムを利益確定し、ビットコインとイーサリアムを大幅に縮小して以来、暗号資産には手を出していません。
トレード戦略指令!
2021年5月17日(月) 07:06の配信メール
Dipで終わってしまう可能性もありますが、月初の30万円ほどのレベルから駆け上がってからの反落であるため、現在の38万円レベルでもう一段利益確定しておきます。 これでBTCもETHもかなり縮小した形。
■材木相場や暗号資産急落による「株・為替」への影響警戒 次に、この材木相場や暗号資産の混乱が、株や為替にどう影響があるのかを違う視点で考察してみます。
 前回のコラムで確認させていただいたように、現在は以下の3つの要素が交互に見え隠れし、為替は不安定に推移しています。
【参考記事】
●次にテーパリングに動くのは米国なのか?材木相場続伸で、カナダドル/円は95円目標(5月13日、西原宏一)
(1)BOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])に続きテーパリング(※)に踏み切るところはどこだ?
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
(2)商品市場の活況で利するところはどこだ?
(3)新型コロナウイルスのワクチン供給がうまくいっているところはどこだ?
 カナダドルは、BOCのテーパリングに加え、材木相場の急騰もあり、大きく値を上げていましたが、材木相場の急反落で上昇が止まりました。
 新型コロナウイルスのワクチン供給が順調に進んでいるということもあり、英ポンド/米ドル、ユーロ/米ドルは続伸していましたが、5月19日(水)に失速。
 きっかけは、19日(水)に公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨で、当局者らが米国の景気回復について慎重ながらも楽観的な見方を示し、一部は債券購入規模の縮小について「いずれかの時点で」協議することを否定しない姿勢を示したことと報道されています。
 つまり、(1)でご紹介させていただいた、BOCの次にテーパリングの踏み切るところの候補に再びFRB(米連邦準備制度理事会)が浮上し、米ドル高に振れているわけです。
 結果、ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドルは失速。
 材木相場の反落により、NZドルを中心とした資源国通貨も反落。
NZドル/円 日足(出所:IG証券)
 暗号資産の混乱は、マーケット参加者がリスクを抑えようとするスタンスを取りがちなため、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も売りが優勢となりました。
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■ユーロ/米ドルは、今年高値超えられず調整の可能性 注目したいのが、ユーロ/米ドルとユーロ/円。
 ユーロ/米ドルは、ECB(欧州中央銀行)のテーパリングのウワサと、ワクチン供給が順調に進んでいることもあり続伸していましたが、前述のFOMCの議事要旨による米ドル高の影響で反落。
 ユーロ/米ドルは、今年(2021年)の高値である1.2349ドルをなかなか越えられないことも加わり、調整の可能性が高くなっています。
ユーロ/米ドル 週足(出所:IG証券)
 一方、5月19日(水)の米国株は、S&P500指数が3日続落しており、株の下落が深くなれば、リスクオフとなり、ユーロ/円の下落も深くなる可能性があります。
 材木相場の急反落をきっかけに、暗号資産も大幅に調整。材木相場と暗号資産がさらに下値を探るようだと、株の下落を誘引し、マーケットがリスクオフに転じる可能性もあるため要注意です。
 今週(5月17日~)後半の暗号資産、材木相場、そしてユーロ/米ドル、ユーロ/円の動向に注目です。

参照元:ザイFX! 西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

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