英ポンド、12/14(月)アジア市場の動きを 警戒! 英国とEUの通商交渉が最終局面に

■英ポンドは週明けの動きに警戒を! 英国とEU(欧州連合)の通商交渉は、年末の期限が迫り、いよいよ最終局面に入ってきています。交渉の中では、特に、漁業権と英国企業への補助金などが、残っている大きな争点となっています。
 ここまでの交渉では、なかなか溝が埋まらず、このままでは決裂してしまうのではないか、との懸念が広がってきていました。しかし、どちら側も、本音では破談に終わらせたくはないはずで、実際には、交渉の期限を延ばし延ばしにして、12月13日(日)まで協議を行うことになっています。
【参考記事】
●ブレグジット最終局面! 英ポンド/ドルは合意ありで1.40、合意なしで1.20ドル方向か(12月9日、志摩力男)
●移行期間終了迫るブレグジット協議に注目! 合意なければ、英ポンド/円は131円へ下落!?(12月8日、バカラ村)
 とは言っても、今の段階では、交渉が最終的にどうなるのかは、正直わかりません。
 仮に協議が決裂してしまうと、英ポンドが急落することは間違いありません。逆に、交渉が合意された場合は、決裂したときの急落ほどの衝撃ではないにしても、ある程度、英ポンドは上昇すると思います。
英ポンド/米ドル 日足(出所:TradingView)
英ポンド/円 日足(出所:TradingView)
 そういう意味においては、週明け12月14日(月)のアジア市場での英ポンド相場は、大きく動く可能性が高くなってきました。
■動かない米ドル/円。バイデン新政権の為替政策に注目 次に、英国とEUの通商交渉以外のポイントを考えてみます。
 まず、米ドル/円ですが、こちらはほとんど動かなくなってきました。
 流れを方向付けるような材料が、まったくないというのが、相場を膠着させてしまっている原因です。残念ながらこの状態は、もうしばらく続いてしまいそうです。
米ドル/円 日足(出所:TradingView)
 今後の米ドル/円を予想するのに、私が非常に注目をしているのは、米国のバイデン新政権の為替政策です。現在に至るまで、バイデン氏は為替政策について何も発言していません。
 そのため、バイデン政権が為替政策にどういう考えを持っているのか、まったくわかりません。次の財務長官に内定している前FRB(米連邦準備制度理事会)議長のイエレン氏が、いずれどこかの場で、この点について発言をするでしょうから、要注目です。
バイデン新政権で財務長官に就任することが内定している前FRB議長のジャネット・イエレン氏。バイデン氏はこれまで為替政策について何も発言していないため、イエレン氏がいずれどこかで行うことになる為替に関する発言が注目材料になると今井氏は指摘 (C) Bloomberg/Getty Images
 これまでの例で考えれば、新しい政権は、「強い米ドルが米国の国益である」という趣旨の発言を表明することが多かったのですが、イエレン氏も歴代の政権と同様な趣旨の発言をするのか、という点に注目しておきましょう。
■ユーロ/米ドルは買われ過ぎを示唆。膠着状態へ ユーロですが、ユーロ/米ドルの上昇が1.22ドル台を前にして、いったんストップしています。チャートでは、オシレーター系の指標が軒並み、ユーロ/米ドルの買われ過ぎを示しています。
ユーロ/米ドル 日足(出所:TradingView)
 こちらも、膠着状態に入ってきた可能性が高いと考えています。
■豪ドルの上昇は、まだまだ続きそう 最後に、前回のコラムでもお話しをしましたが、コロナワクチンの接種が英国でスタートし、米国でも年内に始まる予定です。
【参考記事】
●緩やかなペースでリスクオンの展開が続く。ユーロ/円130円、メキシコペソ/円6円へ!(12月3日、今井雅人)
 こうした流れは、世界経済にとっては非常に良い話です。特に、人やモノの動きが活発化してくるので、資源やエネルギー関係は当然、活況となってくると考えられます。
 となると、資源国通貨には当然、上昇期待が高まってきます。
 一番わかりやすい通貨は豪ドルです。豪ドルは、足元でも上昇傾向にありますが、これはまだ続くと見ています。
【参考記事】
●コロナショック後の豪ドルは30%超上昇! 2021年の豪ドル/円は、90円を目指すか(12月10日、西原宏一)
豪ドル/米ドル 日足(出所:TradingView)
豪ドル/円 日足(出所:TradingView)
■メキシコペソの上昇にも、ますます期待できる! また、世界経済の正常化は、新興国にとっても非常に明るいニュースですので、メキシコペソなどの通貨の上昇も、今後、ますます期待できるのではないかと考えています。
【参考記事】
●新興国通貨の相場見通し、為替チャート、スワップポイント比較などの情報集
●スワップポイントが魅力のメキシコペソ投資を徹底解説。為替チャートからわかる見通しは?
●メキシコペソ/円が取引できるFX会社を徹底比較! スワップポイントやスプレッドは?
メキシコペソ/円 日足(出所:TradingView)

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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