サヤ取りはどうやって利益を出すのか【NYダウー日経225編】
2020-06-03
サヤとは価格差のこと前回買いていなかったのですが、「そもそもサヤって何だ?」という疑問もあるかもしれません。サヤ取りの「サヤ」というのは「価格差」のことです。この価格差はNYダウと日経225の値とともに日々変動しています。その価格差変動を利益に変えていくのがサヤ取りという運用法です。サヤ取り どんな売買をするのかNYダウー日経225サヤ取りがどのような売買をしていくのかについて今回はご説明します。サヤ取りは、その性質上「両建て売買」が通常の姿になっています。ちょっとややこしい感じがするかもしれませんが、仕掛け方は2種類しかありません。「拡大を狙った仕掛け」と「縮小を狙った仕掛け」の2種類です。サヤ取り 2種類の仕掛け拡大を狙った仕掛け縮小を狙った仕掛けサヤの変動自体「拡大」と「縮小」の2種類だけです。そして、それぞれを取る仕掛け方も一つあるだけです。この2つの仕掛けを、日々のサヤ変動をみながら、「拡大の流れなのか縮小の流れなのか」を見て仕掛けていきます。この流れは、「売り」と「買い」しかない通常の裁量トレードとほとんど同じです。裁量トレードの「売り」「買い」の判断が、サヤ取りでは「拡大」「縮小」に変わっただけです。NYダウー日経225 利益の出る仕組み仕掛けの形は、図をもとに「利益をどうやって出すのか」について説明させていただきます。数字を入れた方がわかりやすいと思うので、大雑把ですがこんな感じにします。仮定 NYダウ 25000日経225 22000サヤ 25000-22000=3000現在のNYダウと日経225のサヤが3000と仮定します。このサヤが今後「拡大」と見るタイミングでは「拡大を狙った仕掛け」を入れていきます。逆に、「縮小」と見るタイミングでは「縮小を狙った仕掛け」を入れていきます。「拡大」とみるか「縮小」とみるかで、作るポジションが違ってきます。まずは、「拡大を狙った仕掛け」からご説明します。拡大を狙った仕掛けこれは、サヤが拡大するときのNYダウと日経225の値動きのイメージ図です。値動きにはいくつかのパターンがあるのですが、「拡大狙い」のポジションの作り方は同じです。なので、ここでは一番わかりやすい「買いポジションも売りポジションも利益になるパターン」を図にしています。これを「基本パターン」としておきます。拡大の基本パターンNYダウが上昇日経225が下落こう動いてくれれば、拡大狙いの仕掛けで利益が出せます。この拡大で利益を狙う時には次のような仕掛けを入れます。拡大を狙った具体的な仕掛けNYダウ買い日経225売り先程仮定したのNYダウと日経225の値で損益を計算してみます。拡大狙い ポジション仕掛け時の状態NYダウ 25000日経225 22000サヤ 25000-22000=3000ここで図の通り「NYダウが上昇」「日経225が下落」したとします。例えば、こうです。NYダウ 25000⇒27000に上昇日経225 22000⇒20000に下落サヤ 27000ー20000=7000この場合、サヤは3000から7000に拡大しています。サヤ取りポジションを1枚保有していたとすれば、売買はこうなります。拡大狙い 決済売買NYダウ 27000売り決済収支:27000-25000=利益2000利益額:2000×100=20万円 日経225 20000買い決済収支:22000-20000=利益2000利益額:2000×100=20万円くりっく株365の1枚の約定代金は、売買値の100倍です。22000の日経225を売買する場合、100倍の220万円の売買をしているということです。なので、2000の利益幅で100倍の20万円の利益を出すことが出来ます。今回の場合、買いポジションで20万円・売りポジションで20万円・合計40万円の利益になっています。次に縮小を狙った仕掛けについてです。縮小を狙った仕掛け縮小を狙う時には、拡大狙いの逆になります。縮小の基本パターンNYダウ下落日経225上昇このサヤ縮小を利益に変えていく仕掛けがこれです。縮小を狙った仕掛けNYダウ売り日経225買い拡大同様、同じ仮定値で損益計算してみましょう。仕掛け時の仮定値NYダウ 25000日経225 22000サヤ 25000-22000=3000ここで図の通り「NYダウが下落」「日経225が上昇」したとします。例えば、こうです。NYダウ 25000⇒23000に下落日経225 22000⇒24000に上昇サヤ 23000ー24000=-1000この場合、サヤは3000から-1000に縮小しています。サヤ取りポジションを1枚保有していたとすれば、売買はこうなります。縮小狙い 決済売買NYダウ 23000買い決済収支:25000-23000=利益2000利益額:2000×100=20万円 日経225 24000買い決済収支:24000-22000=利益2000利益額:2000×100=20万円サヤの変動幅は拡大時と同じ4000ですので、合計利益額も同じ40万円となります。今回のは、「縮小」「拡大」ともに「買いポジション」「売りポジション」の両方が利益になるパターンです。現実の売買では、他にも2つのパターンがあります。上げでも下げでも利益を狙えるのがサヤ取りの魅力縮小・拡大の流れを掴みながら、これらの両建てポジションを入れていくことで、利益を出していくのがサヤ取りです。いつも、ここで示したような「両建てポジションどちらも利益になる」という形だといいんですけどね。現実には、この基本パターンとなることは少ないです。 そ、そうなの? そうなんです。でも、安心してください。どういう値動きになろうと、拡大狙いで仕掛けてサヤが拡大してくれれば利益になるというのは一緒です。実際には、拡大・縮小ともに3つのパターンがあります。サヤ取り 3つの利益パターン基本パターン上げ相場パターン下げ相場パターン拡大・縮小ともに「上げ相場」でも「下げ相場」でも利益を出すことが出来ます。なので、下げ相場が続いても、ある程度安定した利益を出していける可能性が高いのがサヤ取りの良いことろでもあります。次回その3つのパターンについて説明させていただきます。
参照元:お気楽FX 相場生活入門編