マーケットは「アフターコロナ」に注目! 大規模金融緩和であふれた資金はどこへ?

■東京でも、ついに「緊急事態宣言」発表 みなさん、こんにちは。
 4月7日(火)、ついに東京でも「緊急事態宣言」が出されました。
 渋谷では多い日に比べて、人の数が7割近く減少するなど、都心部を中心に人出は大きく減少。
 米国では、全米50州のうち30州以上と首都ワシントンで何らかの「在宅命令」が出ている模様です。
 NY州では、3月22日(日)夜以降、企業などに全従業員の出勤禁止を命じ、市民には外出自粛を求めており、ゴーストタウン状態に…。
 当然、この間、経済活動が大幅に失速することが予想されたため、マーケットはそれを先取りし、NYダウは一時、約1万1000ドルも暴落しています。
【参考記事】
●極端な米ドル不足は徐々に改善傾向! 豪ドル/米ドルは底入れ後、上値余地拡大(4月2日、西原宏一)
NYダウ 日足(出所:Trading View)
■マーケットが注目する「アフターコロナ」を探る では、この状況がいつまで続くのか?
 東京での緊急事態宣言は、4月7日(火)~5月6日(水)までと発表されていますので、ゴールデンウィークも含め、約1カ月、自粛が続く模様。
 現在の金融マーケットは、この「新型コロナショック」から、いつ経済が復活するのか、つまり「アフターコロナ」に注目が集まっています。
 では、アフターコロナを探るため、世界で最初に新型コロナウイルスの感染が拡大した中国・武漢市の封鎖が解除されたという報道から探ってみましょう。
新型コロナ再拡大に懸念=楽観ムード戒め―武漢封鎖解除・中国
中国共産党・政府は8日、世界で最初に新型コロナウイルスの感染が拡大した湖北省武漢市の封鎖措置を約2カ月半ぶりに解除したものの、楽観的なムードを戒めている。初動の遅れで批判を浴びた習近平国家主席にとって、感染の再拡大を許せば、政治的に大きな打撃となりかねない。
出所:時事通信社
 このように、封鎖は解除されたものの楽観的なムードを戒める雰囲気があり、新型コロナショックから抜け出すには、かなり時間がかかりそうです。
 ただ、「武漢の封鎖解除」に関しては、不安の声が上がっている一方で、景気回復への期待もあるようです。
封鎖解除の武漢に自動車購入の来店客続々-今後の回復に期待感
武漢市武昌区にあるアウディ販売店で売り場を担当するチャン・チアチ氏は、車の購入が前年並みの水準に戻り、「非常に驚いている」と話す。「2カ月に及ぶ休眠後、目覚めたかのように急回復した。販売は停滞すると思っていたのに」と述べた。
出所:Bloomberg
 確かに、武漢市のアウディ販売店で車の購入が前年並みの水準に戻ったというのは、驚きを隠せません。
 多くのマーケット関係者もこうした事態に懐疑的ではあるものの、需要の回復は「アフターコロナ」の一例として無視できません。
■財政出動と金融緩和により、あふれた資金の行き先は? そもそも、今回の新型コロナショックにより、世界的にかつてない規模の財政出動と金融緩和が行われています。
【参考記事】
●FRBが流動性供給策導入も、米ドルの需給逼迫は継続! 株安でも米ドル/円は上昇か(3月19日、西原宏一)
●「株安・米ドル高」の流れは早晩反転か? 豪ドルは悪材料出尽くしで中期的に反発へ(3月26日、西原宏一)
 アウターコロナとは、結局、その資金がどこに向かうのかが注目されているわけです。
 先月(3月)、このコラムでご紹介させていただいたように、マーケットに強い負荷がかかると株を筆頭としたリスクアセットから資金が逃げ出し、安全な現金、つまり米ドルに流れます。
【参考記事】
●FRBが流動性供給策導入も、米ドルの需給逼迫は継続! 株安でも米ドル/円は上昇か(3月19日、西原宏一)
 その結果、極端な米ドル需要が発生し、米ドル/円でいえば101円台から111円台に踏み上がるという相場が展開されます。
米ドル/円 日足(出所:IG証券)
 しかし、その後は…

参照元:ザイFX! 西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

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