110円超えの米ドル/円は当面、押し目買い。 ユーロ/米ドルは、上がれば売りが良さそう

■米中が第1次合意。懸念材料が1つ消滅 1月15日(水)、米中は貿易に関しての第1次合意をしました。ようやく、という感じです。
 今回の内容は、簡単に言えば、中国が米国から農産物などを大量に購入する代わりに、米国は中国への追加関税を見送るというものです。11月の大統領選挙に向けて実績をアピールしたいトランプ米大統領が、かなり妥協をした結果だと思います。
【参考記事】
●2020年の注目材料とトレード戦略はコレ! オリンピック後の景気後退は都市伝説!?(1月9日、今井雅人)
●2019年の為替市場を総まとめ! 米中貿易摩擦とブレグジット問題は、2020年も続く!?(2019年12月27日、今井雅人)
1月15日、米中は貿易に関する第1次合意で署名に達した。今井氏は、その内容から、大統領選挙に向けて実績をアピールしたいトランプ米大統領が、かなり妥協をした結果ではないかと指摘。写真は2019年6月の大阪G20時のもの (C)Visual China Group/Getty Images
 もちろん、中国の企業への補助金政策など、根本的な問題に対しては先送りですし、これまで課してきた関税もそのまま残っていますので、まだまだこれからという面はあります。
 しかし、合意は合意です。これで、1つ、金融市場が心配していた懸念材料が、当面はなくなったと考えるべきだろうと思います。
■株高を心配しすぎる必要はない 実際のところ、米国の株式市場では、主要株価指数が連日、史上最高値を更新しています。
NYダウ 日足(出所:Bloomberg)
 これだけ、連日、上がり続けると、ちょっと心配になったりもするのですが、今は、あまり心配しすぎないようにしたほうが良いのではないでしょうか。
■米国とイランの緊張もいったん収束 米国がイランの軍事司令官を殺害したことで、一時、不安材料となった米国とイランの関係悪化ですが、イランが形だけの報復として米国の軍事基地をミサイル攻撃し、これ以上はやらないと宣言したことで収まりました。
 両国の関係は、悪化した状態のままではありますが、いったん、緊張は収まったと考えて良いと思います。
【参考記事】
●2020年の注目材料とトレード戦略はコレ! オリンピック後の景気後退は都市伝説!?(1月9日、今井雅人)
●イラン戦争の心配はイランかった!? 出た~! 米ドル/円に調整完了のサイン!(1月10日、陳満咲杜)
●イランと米国による戦争回避で株価反発! リスクオフ沈静化で豪ドル買いに妙味!?(1月9日、西原宏一)
■米ドル/円は当面、押し目買いで! さて、リスクオンの動きが広がっていることで、為替市場も円安傾向になっています。
世界の通貨VS円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
 米ドル/円は、なかなか抜くことができなかった110.00円を超えてきました。最初に110円を超えたときは、さすがに輸出企業の米ドル売りや利食いの米ドル売りが出てきて、いったん109円台に戻りましたが、その後、下押しもそれほどではなかったこともあって、また110円台に戻ってきています。
【参考記事】
●米ドル/円は年末年始にかけて110円へ!? EU離脱で2020年の英ポンドは下落か(2019年12月19日、今井雅人)
●米ドル/円は上昇するチャートパターンに! でも、米中署名後は方向感なく推移する!?(1月14日、バカラ村)
米ドル/円 日足(出所:TradingView)
 これからですが、この相場は大きく崩れることはないと、私は考えています。
 一気に111円、112円と向かっていく相場ではないかもしれませんが、よほど不測の事態が起きない限り、下に抜けていくような相場ではないと思いますので、当面、米ドル/円の押し目買い方針で、トレードをして大丈夫ではないでしょうか。
 その他の通貨では…

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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