ボルトン氏解任、対中関税引き上げ延期で リスクオン! でも、この相場が続くか疑問

■ボルトン大統領補佐官解任でリスクオンに? みなさん、こんにちは。
 今週(9月9日~)のマーケットの注目は、10日(火)にトランプ大統領がボルトン氏を解任したという報道。
米大統領、ボルトン氏を解任 イラン・アフガン政策などで対立
トランプ米大統領は10日、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を解任したことを明らかにした。
出所:ロイター
 ボルトン大統領補佐官の解任は、トランプ政権から最大のタカ派が去ったことを意味します。

トランプ大統領がボルトン補佐官を解任。最大のタカ派が去ったことで、トランプ政権はどういった動きを見せるのか… (C) Chip Somodevilla/Getty Images News
 同時にトランプ大統領が長らく望んでいた、イランとの交渉開始への道も開けてくるとの報道が目立ちます。
 なぜなら、イランとの交渉開始についてはボルトン氏が激しく抵抗していたから。
 英フィナンシャル・タイムズ紙はこれを「世界平和の見込みが著しく高まった」との表現で報道しています。
火曜日に世界平和の見込みが著しく高まったと言っても、過言ではないだろう。
トランプ氏は好んで、側近らに向かって「ジョンが決めていたら、我々は今頃、4つの戦争を抱えていた」と言っていた。
出所:英フィナンシャル・タイムズ​紙の原文を基に筆者翻訳
 この報道を聞いた時、個人的に思い出したのがイランを空爆する寸前でトランプ大統領が攻撃命令を撤回した出来事。
 そのイランは、ボルトン氏解任で、即声明を発表。
ボルトン氏解任、「最大圧力」戦略の失敗示す=イラン高官
出所:ロイター
 ここでの注目は、英フィナンシャル・タイムズ紙が述べているように、ボルトン氏の解任により、「世界平和の見込みが著しく高まった」ことになり、それによって、リスクオン相場に回帰できるかどうかという点。
■米中通商協議は、中国が時間稼ぎで攻撃回避? ボルトン氏解任報道がマーケットにサプライズを与えてまだ1日しか経っていないのですが、ボルトン氏の解任が影響しているのか、米中通商協議は下記のように進展が見られました。
トランプ米大統領は11日、米政府が2500億ドル相当の中国製品に対する関税の引き上げ時期を10月1日から10月15日に延期することで合意したと発表した。
出所:ロイター
 繰り返しになりますが、トランプ大統領は来年(2020年)、大統領選挙を控えているため、米国株の下落を誘引するような強烈な外交政策を取ることはできなくなります。
 逆に中国にとっては、今年(2019年)いっぱいのらりくらりと時間稼ぎをしていれば、トランプ政権からの攻撃を避けることができるといえます。
 今回の関税引き上げ延期は、中国が建国70周年を迎えることが理由のひとつのようですが、見方を変えれば、中国の時間稼ぎがうまくいっているともいえます。
 個人的な印象は、また延期なのか?というもの。
 米国の友人は、こうしてなんだかんだと理由をつけて関税引き上げが延期されていくうちに2020年に入ってしまうとコメントしていました。
 どちらにせよ…

参照元:ザイFX! 西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

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