FXの買値を下げる売買(米ドル円109⇒108円) 良いことばかりではない部分を解説
2019-08-12
FX口座で保有中の米ドル円109円の買いポジションの買値を下げる売買を実施しています。円高を活かして、FXオプションを使って高値のFXポジション買値を下げていくことで、相場上昇期に利益を出しやすくなるための措置です。この方法の効果と留意点などもまとめました。米ドル円買ポジション109⇒108円に下げる売買とは先週末に、買値109円の米ドル円買いポジションを108円に下げるための売買をしています。この米ドル円買いポジションは、もともとFXオプションの権利行使によって発生したポジションです。参考記事:FXオプションの権利行使ってどんなの?この記事で使った画像の一番上の買いポジションを、「再度FXオプションを使って買い値を下げるための取引」をしたというのが今回の売買です。USDJPY 5万通貨買い 109,00円となっているポジションです。買値を下げるといっても複雑なことはやっていません。今回やった売買は、2つです。FX:米ドル円109円買いポジションを決済(-152,300円損きりFXオプション:米ドル円108円のプットオプション売りポジション作成(+174,550円利益合計損益:174,550円-152,300円=22,250円FXポジションを損きりしてFXオプションポジションを作り利益を得た。その合計損益が、+22,250円ということになります。FXオプション作成時の画像です。ポジションの内容がわかりにくいと思いますので、書きだしておきますね。作成日:2019年8月9日FXオプション内容:米ドル円 プットオプション売り作成時点の米ドル円:105.954円権利行使価格:108.00円権利行使期日:12月11日売買数量5万通貨プレミアム:3.491利益上限:3.491×5万通貨=174,550円実際に米ドル円買値109⇒108円のFXポジションになるには条件があります。具体的に書くと、権利行使日の12月11日の米ドル円相場が108円未満であることです。8月12日時点の米ドル円値が105.450円ですので、今のままで行けば12月11日の権利行使日に米ドル円買いポジションが発生することになります。この方法の効果は3つあります。条件を満たせば米ドル円買値109円⇒108円に下げられるもしも権利行使日に米ドル円が108円以上であれば単純に利益で終了する。スワップポイントの蓄積よりも利益をだしやすくできる。権利行使日に108円未満という条件を満たせば、この売買前の109円よりも買値の低い米ドル円買いポジションが発生します。買値が下がった分だけ、米ドル円相場が上昇転換すれば、利益が出しやすくなります。逆に、108円以上となれば、プットオプション売りポジションはこのまま消滅します。ここまで読んできて、米ドル円買いポジションを保有し続けてスワップポイントを貯めていった場合とどちらが高いかと思った方もいるかもしれません。この部分、比較してみましょう。サクソバンク証券、本日の米ドル円買いポジションは1万通貨で50円です。スプレッド換算で0.5銭のスプレッドに相当する水準です。本日より、権利行使日12月11日までの日数は、19日(8月残日数)+30日(9月日数)+31日(10月日数)+30日(11月日数)+11日(12月分)=121日です。スワップポイントが今後変動しないと想定すると以下の計算となります。スワップポイント受取予定額:0.5銭×121日=60.5銭FXポジションで単純にスワップポイントを受け取っていった場合、スワップポイント累積で60.5銭くらいの買値を下げる効果が期待できます。これに対して、今回の売買による買値を減らす効果はこうなります。買値を下げる効果は、「権利行使価格による買値低下」と「受取利益部分」の2つあります。権利行使価格による買値低下:109⇒108円で1円低下受取利益:先程ぼ売買記録での合計利益22,250円をスプレッド換算。22,500円÷5万通貨=45銭合計効果:1円+45銭=145銭(1.45円)FXオプションを使うことで、買値を145銭(1.45円)下げる効果が期待できます。60.5銭と145銭ですので、米ドル円が108円未満で推移してくれる分には、確実にFXの買値を下げる方法として力を発揮してくれることになります。FXオプションをこういう使い方をすることで、円高期を買値を下げる好機としていけるわけです。「売り」「買い」の両方が出来るFXオプション取引を提供しているのは、日本ではサクゾバンク証券のみです。FXオプション口座は、FX口座開設後に手続きできます。ただ、権利行使日までは4ヶ月もあります。この後、何が起こるのかはわかりません。定期的にポジション状況をチェックしながら、何か変化がおきても適切に対応していくつもりです。この売買は、米ドル円三方よし戦略でのものです。米ドル円三方よし戦略 概略この取引は、FX+FXオプションによる連携運用で資産を増やしていく運用法「米ドル円三方よし戦略」です。参考記事:米ドル円三方よし戦略この米ドル円三方よし戦略は以下の特徴があります。米ドル円が上がってよし米ドル円が下がってもよし米ドル円が動かなくてもよし米ドル円相場がどのように動いても、自分にとっては良い結果になるはずなのでが、この運用法のポジションです。伊藤忠商事の経営理念などで有名な近江商人の「三方よし」にあやかり、「米ドル円三方よし戦略」と呼んでいます。FXオプションを使うことで、これが可能になります。今回の戦略は、以下のような方に有効です。今回戦略の目論見長期的には円安になるだろうとみている。でも、短期的には円高もありそうだ。円高時に米ドル円買いポジションを有利な値でつくりたい。もしくは、このまま円安になっても利益をとりたい。こう考えている方には、米ドル円がどのように動いても三方よしとなるのが今回の戦略です。こう考えていない方には、三方よしになるとは限らないかもしれないのでご注意ください。日米の経済成長格差を見る限り、一時的には円高傾向となっても、長期的には円安傾向になるのが自然だろうと私はみています。米ドル円買いポジションを持ち続ければ長期的に問題はないと思っています。でも、超長期保有というのはそれなりのリスクも取り続けないといけません。出来るならば「買いポジションを米ドル円が下がったところで作っておきたい」という気持ちもあります。今回の「米ドル円三方よし戦略」でそれができるかもしれません。やり方は簡単です。米ドル円のプットオプション売りを長期保有するだけだからです。プットオプション売りの仕組み米ドル円プットオプション売りは上図のような性質を持ちます。「売り」の性質上、オプション値が上がれば損失・下がれば利益となります。FXオプションの仕組みは下記ページにてまとめています。参考記事:FXオプションの仕組み今後の値動きでどうなるかを列挙するとこうなります。期日までは、米ドル円上げなら下がり(利益増あるいは損失減))、米ドル円下げなら上がる(利益減あるいは損失増)。日数が経てば時間的価値減少とともに下がりやすい(利益増または損失減)。利益が取りやすいものの利益上限は限定される。大きな円高となれば、相応の含み損となる。米ドル円が期日に権利行使価格よりも上がればプレミアム分の利益を受け取れる。米ドル円が期日に権利行使価格よりも下がればプレミアム分の利益を受け取って買いポジションが発生する。つまり、「米ドル円三方よし戦略」に合わせて表現しなおすとこうなります。上げてよし:単純に利益」となります。下げてよし:利益+現在値よりも安値で米ドル円買いポジションを保有できます。動かなくてよし:時間的価値減少により利益が増え易くなります。なんか・・・・本当にそうなるの?・・・・って感じですよね(笑)。どうなるかは、今後の状況でお見せしていきます。尚、要注意は下げ相場です。米ドル円プットオプション売りは、米ドル円買いポジションと同じ宿命を負っています。つまり、米ドル円下げ相場では含み損となるということです。この含み損も、現在値で米ドル円買いポジションを作ったよりは少なくて済むのですが、10円・20円の円高となればそれなりの含み損となりえます。このリスクは、資金管理や損きりで臨機応変に対応していきます。この戦略での大切な条件は、プットオプション売りの権利行使価格を現在値よりも安値を選ぶことです。こうすることで短期的に円高になりそうだと思ったときには、「現在値よりも安値で米ドル円買いポジションを作る布石」としてFXオプションが使えることになります。まあ、この説明は実際にポジションを作って、その推移を見ていかないとわからない部分もあります。今後も、この戦略で作ったポジション状況をお見せしながら、解説させていただきます。米ドル円三方よし戦略 FXオプション保有ポジション状況ここで確認して頂きたいこと。ここでは、現実のポジションをもとに、プットオプション売りの2つのポイントを解説させていただきます。下げ相場:含み損を抑制する効果がどのようなものか上げ相場:利益が限定されるということがどのようなものか参考記事:FXオプションの含み損抑制効果と測定のための基礎資料(米ドル円)つまり、相場が下落したときにFXでの含み損よりも小さくなる、または利益になってしまうという特徴です。現在「米ドル円三方良し戦略」で保有中のポジションがこちらです。米ドル円三方よし戦略で保有中のFXオプションポジションは、4本あります。3本が米ドル円プットオプション売り(FXの米ドル円買いポジションと似た性質を持つポジション)、残り1本がプットオプション売り⇒FXの米ドル円買いとなったポジションです。米ドル円現在値は105.500円です。米ドル円プットオプション売り 1本目先程の画像、一番上のポジションです。作成日:2019年3月21日FXオプション内容:米ドル円 プットオプション売り作成時点の米ドル円:110.740円権利行使価格:110.00権利行使期日:9月4日売買数量10万通貨プレミアム:2.358利益上限:2.358×10万通貨=235,800円プレミアム現在値は4.600です。2019年8月12日現在、このポジションの損益状況項目損益プレミアム受取利益235,800円含み損ー460,000円差引損益ー224,200円table.tbl_hrjz{table-layout:fixed;border-collapse: collapse;}table.tbl_hrjz{width:100%;}table.tbl_hrjz td{padding:5px;background-color:#FFFFFF;}table.tbl_hrjz th.colh{padding:5px;background-color:#4682B4;color:#FFF;}table.tbl_hrjz,table.tbl_hrjz td,table.tbl_hrjz th{border:solid 1px #C0C0C0;}米ドル円110.74円のポジションですので、米ドル円現在値105.500円は5.24円下落している状況です。FXポジションであれば524,000円の含み損となるところですが、現在224,200円の含み損で済んでいます。米ドル円プットオプション売り 2本目上から2番目のポジションです。作成日:2019年4月26日FXオプション内容:米ドル円 プットオプション売り作成時点の米ドル円:111.600円権利行使価格:111.00円権利行使期日:10月9日売買数量10万通貨プレミアム:2.046利益上限:2.046×10万通貨=204,600円プレミアム現在値は5.908です。2019年8月12日現在、このポジションの損益状況項目損益プレミアム受取利益204,600円含み損ー590,800円差引損益-386,200円ポジションを作ったときの米ドル円値は111.60円でした。111.60-現在値105.500円ですので、そこから6.100円下落しています。10万通貨のFX買いポジションであれば610,000円の含み損となっているはずのポジションです。それが386,200円に抑制されています。米ドル円プットオプション売り 3本目下から2番目のポジションです。作成日:2019年7月5日FXオプション内容:米ドル円 プットオプション売り作成時点の米ドル円:107,825円権利行使価格:107.00円権利行使期日:11月6日売買数量3万通貨プレミアム:1.547利益上限:1,547×3万通貨=46,410円プレミアム現在値は2.851です。2019年8月12日現在、このポジションの損益状況項目損益プレミアム受取利益46,410円含み損ー85,530円差引損益ー39,120円このポジションは、作成時の米ドル円値107.825円です。現在値は、105.500円ですので、2.325の下落です。売買数量3万通貨ですので、FXポジションであれば69,750円の含み損となっているところです。米ドル円プットオプション売り 4本目一番下のポジションです。今回作成したポジションです。作成日:2019年8月9日FXオプション内容:米ドル円 プットオプション売り作成時点の米ドル円:105.954円権利行使価格:108.00円権利行使期日:12月11日売買数量5万通貨プレミアム:3.491利益上限:3.491×5万通貨=174,550円プレミアム現在値は3.951です。2019年8月12日現在、このポジションの損益状況項目損益プレミアム受取利益174,550円含み損ー197,550円差引損益ー23,000円このポジションは、作成時の米ドル円値105.954円です。現在値は、105.500円ですので、0.454円の下落です。売買数量5万通貨ですので、FXポジションであれば22,700円の含み損となっているところです。このポジションでは、現在値が下落しているにも関わらず、FXオプションの含み損抑制効果がでていません。これは、ポジションを作って間もないためです。FXオプションの売買にもスプレッドがあります。日数経過とともに、時間的価値減少などにより利益が出やすくなります。利益確定分成績と今後の予定この戦略での総合成績です。項目損益FXオプション部分オプション損益FXオプション損益(保有中)734,260円FXオプション損益(終了分)23,170円①FXオプション合計損益757,430円FX部分FX損益FXスワップポイント受取累計16,553円FX売買損益-243,930円②FX損益合計-227,377円総合計総損益(①+②)総損益530,053円table.tbl_yjno{table-layout:fixed;border-collapse: collapse;}table.tbl_yjno{width:100%;}table.tbl_yjno td{padding:5px;background-color:#FFFFFF;}table.tbl_yjno th.colh{padding:5px;background-color:#4682B4;color:#FFF;}table.tbl_yjno,table.tbl_yjno td,table.tbl_yjno th{border:solid 1px #C0C0C0;}ここまで利益確定した合計金額が、(①+②)総損益の金額です。前回(①+②)総損益は506,570円でした。前回記事:FXオプションの権利行使ってどんなの? 【米ドル円三方よし戦略 2019年8月8日】(最後の方にまとめてあります)今回の売買で、少し利益を上乗せしています。上乗せ利益:530053円-506570円=23,583円ただ、円高傾向はまだまだ続きそうでので、FXオプションとしての含み損も簡単には減りそうにありません。FXオプションの含み損抑制効果で心理的には大分楽なのですが、それでも「もう少し米ドル円が上昇してくれると楽」なんですけどねぇ。9月権利行使のポジションが1本あります。このままいけば、米ドル円買いポジションが発生する予定です。その後どうするかは、今後の状況をみながら考えることにします。「売り」「買い」の両方が出来るFXオプション取引を提供しているのは、日本ではサクゾバンク証券のみです。FXオプション口座は、FX口座開設後に手続きできます。FXオプション運用の主要ページFXオプションの特徴と運用状況FXオプションについて米ドル円三方よし戦略 FXオプション運用記録含み損抑制効果とその「限界」のまとめ FXオプションリスクサイト内他記事お気楽FX 相場生活入門トップページ
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