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NZドルは1200pips急落! NZ中銀が さらに利下げする公算が濃厚な理由とは? ブログ

NZドルは1200pips急落! NZ中銀が さらに利下げする公算が濃厚な理由とは?

■キー首相がNZドルの下落スピードについてコメント みなさん、こんにちは。

 当コラムで連続して取り上げているNZドルですが、7月20日(月)に特記すべきコメントがありました。

【参考記事】

●ハト派的な米FOMCで米ドル/円急反落!NZドル/円が80円割れ濃厚な理由とは?(6月18日、西原宏一)

●フランスがユーロ圏・EU離脱(Frexit)!? ユーロ/ドルが1000pips下落するとの予想も(6月25日、西原宏一)

 それは、ニュージーランドのキー首相のコメント。

「NZドルは予想しているより早く下落した」

 このコメントが発せられたのが、NZドル/米ドルの0.6500ドルレベル。

NZドル/米ドル 4時間足(出所:米国FXCM)

 以前、このコラムでご紹介したとおり、NZドル/米ドルの0.6500ドルというレベルは、2014年9月に、キー首相自らがターゲットとしたレベルです。

「ニュージーランドドル(NZドル)にとって、いわゆるゴルディロックス(景気が過熱しすぎず不況でもない、ほどよい状態)な水準は1NZドル=0.65米ドル前後だ」

【参考記事】

●ドル/円は110円到達でスピード調整入り。首相の口先介入で急落のNZドル、今後は?(2014年10月2日、西原宏一)

■NZドル/米ドルは2カ月半で1200pips急落 キー首相のコメントにより、今週(7月20日~)のNZドル/米ドルは調整局面入り。

NZドル/米ドル 4時間足(出所:米国FXCM)

 もっとも、NZドル/米ドルは、2015年4月下旬の0.77ドル台ミドルから、7月16日(木)の0.6497ドルまですでに急落しています。

 つまり、わずか2カ月半で1200pips、米ドル/円で考えれば12円急落しているわけですので、キー首相がコメントしているように、下落のスピードが速すぎることは否めません。

NZドル/米ドル 日足(出所:米国FXCM)

 自分が使用しているデマーク(※)のオシレーターも、7月16日(木)に「売られすぎ(over sold)」が点灯していたため、先週末(7月17日(金))には自分も含め、多くのトレーダーはNZドル/米ドル、NZドル/円をスクエアにしていました(これについては、7月16日(木)配信のメルマガ「ザイFX!×西原宏一 FXトレード戦略指令」を参照してください)。

(※編集部注:「デマーク」とはTDシーケンシャルなどのテクニカル指標を開発したトーマス・R・デマーク氏のこと) 

【参考コンテンツ】

●「ザイFX!×西原宏一 FXトレード戦略指令」

 マーケットがかなり、NZドルショートに傾いていたこともあり、NZドル/米ドルはいったん0.66ドル台ミドルまで反発。同様にNZドル/円も82円台ミドルまで上昇しました。

NZドル/米ドル 4時間足(出所:米国FXCM)

NZドル/円 4時間足(出所:米国FXCM)

 そして、キー首相のコメントを受け、さらに注目度が上がったのが本日(7月23日)早朝のRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])からの金融政策発表でした。

 7月23日(木)早朝のRBNZでは、政策金利を0.25%引き下げて…
<i style=”font-style:normal;font-size: 97%;”>ドル/円は黒田ライン124.63円を越えられず。</i> NZドルは利下げでなぜ、上昇したのか? ブログ

<i style=”font-style:normal;font-size: 97%;”>ドル/円は黒田ライン124.63円を越えられず。</i> NZドルは利下げでなぜ、上昇したのか?

■米ドル/円は黒田ラインを上抜けることができなかった 前回のコラムでは、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言を紹介して、その発言が米ドル高要因になっているという内容を解説しました。

 ただし、現在の市場環境を考えると、緩やかな動きとなるのではないかという予想をしました。

【参考記事】

●一方的な株高・円安になりにくいワケは?GPIFの株買い・円売りはまだ続くのか?(7月16日、今井雅人)

 その後の動きを見てみましょう。

 米ドル/円は、124円台半ばまで上昇しましたが、結局そこで力尽きて、その後は、124円を挟んでのレンジ相場になっています。

 今、市場の中で意識されている、いわゆる黒田ライン(6月10日の高値124.63円)という水準を結局は、上に抜けることができませんでした。

【参考記事】

●本音ポロリ!? 黒田総裁発言の真意とは?一時的な影響で再びドル高・円安に戻るか(6月11日、今井雅人)

米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

 この間の機関投資家の動きを見てみると、やはり上がっていくところはじっと我慢して、反落したところで買うというパターンを繰り返しています。

 現時点では、123円台半ばあたりでの買い注文が多いようです。

■ユーロ/米ドルは短期ポジション積み上がり、すぐに反転… ユーロ/米ドルですが、こちらは、1.12ドル台からの下落をさらに追いかけていこうという動きが見られ、一時期は、1.0800ドルを下抜くような動きを短期の投機筋が活発に行っていたようです。

 しかし、結局、下抜けさせることに失敗してしまうと、逆に短期的なショートポジションが積み上がってしまい、その反動でユーロ/米ドルは反転。

 今度は、なかなか下がらなくなっています。

ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)

 市場全体のエネルギーがあまり大きくない状況なので、どちらかに相場が一定程度動くと、すぐ短期的なポジションが積み上がってしまい、反転してしまうという流れに、現在はなっているようです。

 じれったい相場展開となってしまっていますが、それも相場であるので、割り切ってつきあうしかないと思っています。

 大きく狙わないで、ていねいに取引をする時期と考えてほしいです。また良い相場が、いずれやってきます。

 その他で注目する動きとしては…
目先は89円近辺がサポートの豪ドル/円、 割り込むと86円まで下落の可能性も! ブログ

目先は89円近辺がサポートの豪ドル/円、 割り込むと86円まで下落の可能性も!

■豪ドル/円は月足でボックス相場を形成中 今回は豪ドル/円の分析を行なう。まずは、月足チャートをご覧いただきたい。

 月足チャートを見ると、右端のサポート・ライン「緑の破線」に沿った上昇が続いた結果、「紫の破線」で示した「下値72円-上値90円のボックス相場」を上に抜けて、「買いシグナル」を点灯させて上昇したことがわかる。 

豪ドル/円 月足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 この「買いシグナル」で、豪ドル/円は、105円台の高値をつけているが、105円台から86円台にまで大きく急落している。

 86円台からは、再び大きく反発(上昇)して、今のところ、102円台後半の高値をつけている。

 俯瞰すると、豪ドル/円は、「赤の破線」で示したボックス相場を形成中と考える。

 現在の豪ドル/円は、このボックス相場「赤の破線」に注目するべき、と考えている。

■直近の下落ターゲットは86円近辺か 直近の値動きで、右端のサポート・ライン「緑の破線」を割り込んだ、と考える。

 「売りシグナル」を発した、と考える。

 目先の相場は反発しているが、すでに「売りシグナル」が発せられた、と考える。

 しかし、まだボックス相場「赤の破線」の内側での値動きだ。

 右端のサポート・ライン「緑の破線」を割り込んで発せられた「売りシグナル」のターゲットは、このボックス相場「赤の破線」の下限(86.00円近辺)と考える。

■最近の動きは2007年、2008年ごろの値動きに似ている 参考に、2007年、2008年ころの値動きに「ピンクの破線」でボックス相場を表示した。 

豪ドル/円 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 この頃は、ボックス相場「ピンクの破線」の内側で、サポート・ライン「緑の破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を何回か発したのだが、その都度、反発(上昇)している。

 そして、最終的には、ボックス相場「ピンクの破線」を下に抜けて、明確な「売りシグナル」を発した。

 最近の値動きが、この頃に似ている、と感じている。つまり、時間が経過すると、現在のボックス相場「赤の破線」を割り込むことで明確な「売りシグナル」を発することになるのではないか、と考えている。

■週足では2009年半ばから2012年までボックス相場 続いて、週足チャートをご覧いただきたい。豪ドル/円は2009年半ばから2012年までの期間、「緑の破線」で示した「下値72円-上値90円の18円幅のボックス相場」を作った。 

豪ドル/円 週足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 2013年の初めに、このボックス相場を上に抜けたことで「買いシグナル」を発して、上昇を始めた。

 ボックス相場のセオリーに従うならば、ボックス相場上抜けの場合は、上限からボックス相場の値幅分上昇したところがターゲットになる。

 このケースでは、上限が90.00円、ボックス相場の値幅が18円だから、ターゲットは、108円になる。

 しかし、すでにターゲットを達成した可能性があることに留意する必要がある。

 この時点での高値は、105円台半ば(105.40-50円)程度だ。

 ターゲットは108円程度なので、まだ2円ほど余地がある、と考える人もいることだろう。

 しかし、チャート分析でのターゲットは、そのような厳密なものではなく、「だいたいこのくらい」といった「いいかげんなもの、大まかなもの」だ。

■105円台から下落後、再びボックス相場を形成 豪ドル/円は105円台の高値から下落に転じ、「紫の破線」で示したボックス相場を形成した、と考える。 

豪ドル/円 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 そして、ボックス相場「紫の破線」の上限を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

 月足チャートに表示したボックス相場「赤の破線」を、週足チャートにも、同じように、「赤の破線」で表示した。

 何度も繰り返しになるが、現在は、「赤の破線」で示した大きなボックス相場を形成中であり、このボックス相場「赤の破線」に注目するべき、と考えている。

 直近の値動きで、サポート・ライン「青の破線」を割り込んで、「売りシグナル」を発した、と考える。

 月足チャートのコメントで、すでに述べたとおりに、サポート・ライン「青の破線」を割り込んで発せられた「売りシグナル」のターゲットは、このボックス相場「赤の破線」の下限(86.00円近辺)と考える。

 このボックス相場「赤の破線」の下限(86.00円近辺)を割り込む場合は、新たな「売りシグナル」となる。

 しかし、今の時点で、「86.00円近辺を下に抜けるか、否か」を考える必要はないだろう。

 予想外に、猛烈なスピードで下落する場合は、考える必要が出てくる。

 中国経済に関する材料(上海株の急落を含む)で、「豪ドル売り」となる場合、あるいは、原油価格に関する材料で、資源国通貨がターゲットになり、「豪ドル売り」となる場合には、予想外のスピードでの急落の可能性があり得る、と考える。

 次に、日足チャートをご覧いただき…
リスクオンなら米ドル買い? 米ドル売り? 三尊型形成中のユーロ/円下落に要注意! ブログ

リスクオンなら米ドル買い? 米ドル売り? 三尊型形成中のユーロ/円下落に要注意!

■米ドルはブルトレンドに、ユーロはベアトレンドに復帰 米ドル高は新たな段階に入った模様。ドルインデックスを見ると、7月7日(火)高値97.23のブレイクがサインの点灯と見なされ、米ドルはブル(上昇)トレンドに復帰したとみる。

ドルインデックス 日足(出所:米国FXCM)

 当然のように、米ドルの対極と位置づけられるユーロは、ベア(下落)トレンドへ復帰したと思う。ユーロ/米ドルでは、同じく7月7日(火)の安値割り込みがサインの点灯と見なされ、ユーロのベアトレンドはこれから加速していくと思われる。

ユーロ/米ドル 日足(出所:米国FXCM)

 このような視点、14日のレポートをもって説明したい。原文は以下のとおりだ。

ドルインデックスの対極としてユーロ/ドルのチャートを並べ、大型トライアングル型保ち合いの早期終焉、といった可能性を想定しておきたい。

ドルインデックス 4時間足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

ユーロ/米ドル 4時間足(出所:米国FXCM)

ドルインデックスの3月高値は、ユーロ/米ドルの3月安値と対応、それぞれ大型調整波を形成してきた。トライアングル型保ち合いが一番有力視されているだけに、最終子波Eの進行、なお続くと思われる。(同シナリオはデイリーにて既述)

ところで、上のチャートに記したカウントの通りなら、E波の早期終焉というシナリオが浮上される。同カウントでは、昨日ドルインデックスの上昇やユーロ/ドルの下落を最大評価し、それぞれ守れば、E波の終焉に繋がる公算が高まるだろうと推測している。

同シナリオのポイント、ドルインデックスなら、昨日安値95.63を下回らずにして7日高値97.24を上回れば、最初のサインが点灯されるでしょう。半面、ユーロ/ドルの場合、10日高値1.1216を上回れずにして7日安値1.0915割れが生じれば、下放れのサインが点灯されよう。従って、近々シグナルが点灯される公算が大きいから、しっかり確認してから大きなトレンドに乗っていきたい。

 細かいウェーブカウントは違ってくるが、6月19日の当コラムで示唆していたように、ドルインデックスの反落が限定的だったため、ブルトレンドへは早晩、復帰するはずだった。だから、これはシナリオどおりと言える。

【参考記事】

●黒田ショックでミセス・ワタナベ往復ビンタ! 身軽になった米ドル/円は再び高値トライか(2015年6月19日、陳満咲杜)

■リスクオンなのに米ドル買いとなっている理由とは? イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、米ドル高をけん制したものの、2015年内利上げを強く示唆し、その上、米ドル高でも米経済成長が続くと語った。

 ギリシャ問題や中国株暴落の一服もあり、前回のコラムでも強調したように、とりあえずリスクオンの環境へ復帰し、米ドル高トレンドも加速しやすいだろう。

【参考記事】

●ギリシャGDP14年分を吹っ飛ばした上海株暴落は収まり、相場はリスクオンムードへ(2015年7月10日、陳満咲杜)

 ここまで書くと、「何を言ってる? リスクオフの米ドル買いが鉄則で、リスクオンなら米ドル売りじゃないか」といったお叱りを受けるかもしれない。しかし、リスクオフの米ドル高自体は原則論としては問題ないが、ケース・バイ・ケースで、いつでも通用するとは限らない。

■ギリシャ危機の中、なぜ、ユーロは不思議なほど強かった? ギリシャ問題はその典型であろう。ギリシャのEU(欧州連合)離脱は、今はいったん回避されてこそいるが、非常に危なかった時期が何回もあった。そのつど、米ドルが買われたものの、すぐ売られ、結果的にギリシャ危機でもユーロは不思議なほど強かった。

 その背景には、ユーロキャリートレードの存在が大きくあり、また、ユーロ資産投資に伴うヘッジも大きなポイントであった。

 これを簡単に説明すれば、「ユーロキャリートレード」ではユーロを借り入れ、また、「ユーロ資産投資に伴うヘッジ」とはユーロ売りを指しているから、リスクオフになると、その逆転(共にユーロ買い)が生じるということだ。ギリシャ危機が高まる中、ユーロが不思議なほど強かった原因はここにあった。

 したがって、リスクオフが一服してくると、ユーロ売りが再開されやすいので、このタイミングでユーロが売られ、米ドルが買われるのも納得できる。だから、いつまでも通用するとは限らないが、目先、リスクオンへの復帰は、米ドル高を牽引することだろう。

 円の場合も然り。ユーロに比べ、円の事情は…
ユーロ/円は126円台までの下落も視野に! 日本株が好調だと、なぜユーロ安になる? ブログ

ユーロ/円は126円台までの下落も視野に! 日本株が好調だと、なぜユーロ安になる?

■ミルクプライス続落でNZドルは売り継続 みなさん、こんにちは。

 このコラムで過去何度も取り上げているNZドルですが、今週(7月13日~)も続落。

【参考記事】

●ハト派的な米FOMCで米ドル/円急反落!NZドル/円が80円割れ濃厚な理由とは?(6月18日、西原宏一)

●フランスがユーロ圏・EU離脱(Frexit)!? ユーロ/ドルが1000pips下落するとの予想も(6月25日、西原宏一)

 特に7月15日(水)に、ニュージーランドの大手乳製品メーカー・フォンテラ社から発表されたGDT価格指数(※)が前回比10.7%の低下。

(※編集部注:「GDT価格指数」とは、ニュージーランドの大手乳製品メーカー・フォンテラ社が入札ごとに発表する、乳製品の国際価格を示す指数のこと)

 このミルクプライス(乳製品に対する支払い価格)の続落を受け、NZドル/米ドルは、一時、0.6500ドル、NZドル/円は、一時、80.48円まで下落しました。

NZドル/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 4時間足)

NZドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/円 4時間足)

 NZドル/米ドルの0.65ドル台というのは、昨年(2014年)、キーNZ首相が、下落のメドとコメントしたレベル(過去コラム参照)。

【参考記事】

●ドル/円は110円到達でスピード調整入り。首相の口先介入で急落のNZドル、今後は?(2014年10月2日、西原宏一)

 しかし、NZドルを取り巻く環境は昨年(2014年)以上に悪化しています。

 まず、中国経済の低迷、それに伴うミルクプライスの下落。

 呼応して、RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])の連続利下げが予測されている環境下では、NZドルの上値は重いまま。NZドル/米ドルは0.6000ドルへ向けて続落する可能性が濃厚。

【参考記事】

●ギリシャ問題、次のXデーは7月15日! 利下げ濃厚なあの通貨ペアに売りチャンス(7月4日、西原宏一&松崎美子)

NZドル/米ドル 日足(出所:米国FXCM)

■クロス円が上値を抑え、米ドル/円は120~125円のレンジ 一方、米ドル/円は120円をボトムに反発(前回コラムを参照)。

【参考記事】

●上海株暴落で中国警察当局が動いた! ビル・グロス氏もビビる驚きの対応とは?(7月9日、西原宏一)

 しかし、前述のNZドル/円や、ユーロ/円といったクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の上値が重いこと(利上げの可能性がある英ポンド/円は除く)が、米ドル/円の上値を抑えていることも確か。

 そのため、当面の米ドル/円は、120~125円のレンジで推移することが濃厚です。

米ドル/円 日足(出所:米国FXCM)

 先週(7月6日~)は、各テレビ局が報道特番まで組むほど話題に…
一方的な株高・円安になりにくいワケは? GPIFの株買い・円売りはまだ続くのか? ブログ

一方的な株高・円安になりにくいワケは? GPIFの株買い・円売りはまだ続くのか?

■ギリシャと中国株式市場がとりあえず落ち着いた ギリシャの問題も、結局、ギリシャが屈した形となって決着を見る見通しとなりました。

 中国の株式市場も、中国当局のなりふり構わぬ対応で下落に歯止めがかかっています。

【参考記事】

●日中株価がさらに急落する可能性は低い。中国政府の「死に物狂い」の対応策とは?(7月9日、今井雅人)

 2つの不安材料がとりあえず落ち着いたことで、市場も、その前の段階のところまで戻してきています。

 結局のところ、ポジション調整の材料とされてしまったということだと思います。

 ただ、中国株式に関しては、下落は止まったものの、反転して上昇トレンドに向かう可能性は低いと私は考えています。

上海総合指数 日足(出所:CQG)

■イエレンFRB議長の議会証言に注目! さて、米国では、7月15日(水)に、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、半期に一度の議会証言を米下院金融委員会で行いました。

 まず、その内容から見てみましょう。

「米経済はこれまでよりもかなり良い状況にあると言える。低金利がその支えとなってきた。利上げに踏み出す決定は経済状況が決して悪くないとする我々の見方を反映する。

米経済は望ましいとされる状況に近づきつつあり、利上げをこなせるだけでなく、利上げを必要とする状況にあると考える。逆風は存在し、FRBは金融政策を用い、それを克服することに取り組んできた」

「利上げにより経済がリセッションに陥ると予想される場合、利上げは行わない。我々は、議会に委託された目標の達成に向け金利の引き上げが適切となるほどに経済が十分に力強いと見なす時に、利上げを実施する」

「(利上げを)待ち過ぎた場合、利上げを開始した後は、より速いペースで実施しなくてはならないことを当然意味する。このため、若干早めに開始することの利点は、金利の道筋が緩やかなものになる可能性があるということにある。

現時点ではFF金利(※)の引き上げを行う適切な時期をめぐる判断はしていない。我々の判断は、経済の進展、およびその進展が我々の見通しにどのような影響を及ぼすかに左右される」

(編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)

 少し解説を…
豪ドル/米ドルは4時間足でフラッグを形成、 下値ターゲットは0.72ドル台後半程度! ブログ

豪ドル/米ドルは4時間足でフラッグを形成、 下値ターゲットは0.72ドル台後半程度!

■月足の「高値圏での乱高下」が後々の下落を示唆 今回は豪ドル/米ドルの分析を行なう。まず、月足チャートからご覧いただきたい。

 月足チャートを見ると、豪ドル/米ドルは一番右の中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」を割り込み、その時点で「売りシグナル」を発したと考える。  

豪ドル/米ドル 月足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 上のチャートでは、一番右の中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」の傾きを緩やかにして、実際の相場に合わせ調整している。

 豪ドル/米ドルは高値圏で「紫の破線」で示した「下値0.9400ドル近辺-上値1.1100ドル近辺のボックス相場」を形成していたと考える。

 そして、ボックス相場「紫の破線」の下限を割り込み、さらなる「売りシグナル」を発したと考える。「紫の破線」で示した「下値0.9400ドル近辺-上値1.1100ドル近辺のボックス相場」は、「高値圏での乱高下」と考えることができる。

 「高値圏での乱高下」は、後々の下落を示唆するケースが多々ある。

このボックス相場「紫の破線」の下限を割り込んだことで、大きく下落する可能性を示唆していると考える。

■ボックス相場下抜け後も乱高下を続ける 豪ドル/米ドルは0.9400ドルを割り込み発せられた「売りシグナル」に従い、0.88ドル台にまで下落したが、0.88ドル台から急反発して、0.97ドル台にまでリバウンド(反転上昇)した。 

豪ドル/米ドル 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 しかし、2013年12月18日(木)のFOMCで、「テーパリング(量的緩和策の縮小)実施」が発表されたことを材料に、豪ドルは再度大きく下落し、0.86ドル台の安値をつけている。

 しかし、0.86ドル台の安値から今度は大きく急騰し、戻り高値は0.9500ドル近辺(0.9500-05ドルレベル)をつけている。

 戻り高値の0.9500ドル近辺(0.9500-05ドルレベル)から、再び大きく下落している。

 豪ドル/米ドルは、「ピンクの破線」で示した「上値0.9800ドル程度-下値0.8600ドル程度」のボックス相場を形成していた、と考える。  

豪ドル/米ドル 月足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 このボックス相場「ピンクの破線」の下限を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。

 この「売りシグナル」に従い、豪ドル/米ドルは、大きく下落した。それで、一番右のレジスタンス・ライン「緑の破線」を表示した。

■すでに大きく下落したが、まだ底打ちししたとは言えない 月足チャートには、ボックス相場「赤の破線」とボックス相場「ピンクの破線」を表示している。これは、後で掲載する週足チャートに表示したボックス相場と同じものだ。 

豪ドル/米ドル 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 0.8600ドル近辺を下に抜けたことで、ボックス相場「ピンクの破線」下限を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。

 ボックス相場「ピンクの破線」下限を割り込んだ時点で、新安値を更新したので、「売りシグナル」を発した、と考えることもできる。

 この「売りシグナル」に従い、相場は下落して今のところ、0.73ドル台の安値をつけている。

 すでに大きく下落したが、まだ底打ちしたとは言えない、と考えている。

 安値を更新する場合は、その時点で、さらなる「売りシグナル」点灯になる状況が続いている、と考える。

■週足では、ボックス相場を上抜けし、ターゲットを達成 次に、週足チャートをご覧いただきたい。

 豪ドル/米ドルは0.6000ドル近辺から、1.1000ドル近辺に大きく上昇したが、その上昇過程では、サポート・ライン「緑の破線」に従っていたと考える。 

豪ドル/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 豪ドル/米ドルは、「赤の破線」で示した「下値0.8000ドル-上値0.9400ドルのボックス相場」を上に抜けたことで、「買いシグナル」を発して上昇した。

 そして、ボックス相場のセオリーどおりに、ボックスの値幅分(1400ポイント)上昇してターゲットを達成したと考える。

 「赤の破線」で示したボックス相場を上抜けしてからは…
ギリシャGDP14年分を吹っ飛ばした上海株 暴落は収まり、相場はリスクオンムードへ ブログ

ギリシャGDP14年分を吹っ飛ばした上海株 暴落は収まり、相場はリスクオンムードへ

■チャイナショックが市場を震撼! このところ、チャイナショックがマーケットを震撼させている。

 中国株は、わずか4週間足らずで最大33%も暴落、時価総額にしてギリシャGDPの14年間分の金額が吹っ飛んだ格好となった。中国の個人投資家は、一時総パニックの状況に陥り、にわかに経済危機の様相を呈していた。 

上海総合指数 日足(クリックで拡大)(出所:CQG)

 中国市場のパニックは、まず商品相場に伝染し、商品相場の総崩れで日本株もパニック売りにさらされ、日経平均は一時、1万9115円まで急落したほどだ。前々回のコラムの最後に「中国株の暴落、日本にとって決して対岸の火事ではない」と警告したのも、そのためであった。

【参考記事】

●ギリシャ問題は合意でも決裂でもユーロ安。上海株暴落! 中国株バブル崩壊にご用心(2015年6月26日、陳満咲杜) 

日本株(JPN225)(出所:米国FXCM)

 日本株が外部要素に弱いことは、今に始まったものではない。しかし、日中経済相互関係の深さから考えると、中国が本当に経済危機になれば、日本経済に深刻な打撃を及ぼすから、日本株がパニック的な反応を示したとしてもサプライズではない。

 もっとも、投資家はマスコミの報道に影響されやすい。今回、中国株の暴落に関しても案の定、「中国経済崩壊か」、「中国共産党政権崩壊か」といった記事が一部日本のマスコミにあふれていたことが、市場センチメントを悪化させたところは大きい。

■日本や欧米諸国は中国政府を過小評価しすぎ!? しかし、冷静に考えてみれば、中国株の暴落は確かに深刻な問題であるものの、たちまち経済危機にまで発展する可能性は小さく、また、コントロールできないほど、中国政府は軟弱でないことも明らかだ。

 なぜなら、全体主義国家の性格が強い中国は、世界トップの外貨準備高を有し、外部に限定的な開放しか許していない、基本的にローカルな市場である中国株市場をコントロールする財力も手段もたくさんあるからだ。

 その上、中国政府の意思と能力を、日本を含めた西側がいまだに過小評価しがちで、問題の本質をよく理解できていない評論が氾濫していることも、大きな問題だ。

 確かに今回は、株の暴落スピードが速すぎ…
上海株暴落で中国警察当局が動いた! ビル・グロス氏もビビる驚きの対応とは? ブログ

上海株暴落で中国警察当局が動いた! ビル・グロス氏もビビる驚きの対応とは?

■上海株急落でオセアニア通貨が暴落 みなさん、こんにちは。

 過去2カ月に渡ってこのコラムで取り上げてきた、ユーロ/円、NZドル/円といったクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)ですが、今週(7月6日~)も続落。

【参考記事】

●ハト派的な米FOMCで米ドル/円急反落!NZドル/円が80円割れ濃厚な理由とは?(6月18日、西原宏一)

●フランスがユーロ圏・EU離脱(Frexit)!? ユーロ/ドルが1000pips下落するとの予想も(6月25日、西原宏一)

 オセアニア通貨では、NZドル/円は80円割れ目前の80.67円まで、豪ドル/円は90円を割り込み、一時、89.17円まで急落しました。

豪ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 4時間足)

 NZドル/円はいったんのターゲットである80円台まで到達しました。

NZドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/円 4時間足)

 また、141円でトップアウトしたユーロ/円は、133.30円まで下値を伸ばしました。

ユーロ/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)

 ギリシャ問題が混迷を深める中、欧州通貨より、オセアニア通貨が暴落しているのは、上海株の急落が原因。

上海総合指数 日足(出所:CQG)

■中国政府の株価対策もまったく効果なし オセアニア通貨暴落の背景は、今週(7月6日~)、多くのテレビ番組で特番が組まれている「ギリシャ問題」ではなく、上海株の急落。

 続落する上海株に対し、中国政府は昨年(2014年)11月以降、4回の利下げを決行し、さらに年金基金の3割を株式投資に充てる方針を決定。

【参考記事】

●ロシア急接近してギリシャBRICs入りの噂!? 30%暴落した中国株の為替への影響は?(7月7日、西原宏一&松崎美子)

 加えて、先週末(7月5日)には市場を安定させるために、2兆円規模の基金の設置を発表しましたが、まったく効果がなく、この3週間で上海総合指数は30%近く下落しています。

上海総合指数 日足(出所:CQG)

 上海株の下落はそのプロキシー(代理)である豪ドル/円の下落を誘引します。豪ドル/円はサポートの89円台、NZドル/円は80円台まで下落しました。

豪ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)

NZドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/円 日足)

 クロス円の急落に押されて、米ドル/円も122.00円のサポートが決壊し、一時、120.40円まで急落しました。

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

  ただ、暴落する上海株に対し、本日(7月9日)、中国政府は…
日中株価がさらに急落する可能性は低い。 中国政府の「死に物狂い」の対応策とは? ブログ

日中株価がさらに急落する可能性は低い。 中国政府の「死に物狂い」の対応策とは?

■ツイッターに書き込んだ懸念が現実のものに… 7月7日(火)の自分のTwitter(ツイッター)に、「ギリシャ問題は、世界の金融市場にはあまり影響が出ないとは思いますが、心配なのは、むしろ中国です」という書き込みをしました。

 いみじくも、翌日7月8日(水)から中国株が急落を始め、日経平均も急落。為替市場でも、リスク回避の円高が進行するという展開となっています。

■上海総合指数は、2000ポイント近くの上昇と下落! 中国株の代表的指数である、上海総合指数を例にとってみましょう。

 2015年に入ってから、3000~3500ポイントの水準でのもみ合いが続いていました。しかし、3月中旬から急上昇を始め、6月12日(金)には、5178ポイントの高値をつけています。

 3カ月の間に、2000ポイント近く上昇したことになります。

上海総合指数 日足(CQG)

 しかし、その後、一転して下落トレンドに入り、わずか1カ月で上昇し始めた頃の水準にまで戻してきています。

 驚くようなスピードで、下落してきたということになります。

■中国政府が打ち出した「死に物狂い」の対応策 これに対して、中国政府も様々な対策を打ち出しています。

 まず中国の主要証券会社が、中国株式投信に2.4兆円の資金をつぎ込むことを発表しました。

 それでも下落が止まらないのを見ると、中国当局は、企業の主要株主などの持ち株売却を禁止するという禁じ手に打って出ました。

 「死に物狂い」という印象です。

 これにより、やはり中国という国は、健全な資本主義国家とは違う、ということをさらけ出してしまったと、私は感じています。

 実質的には、典型的な国家資本主義の国なのでしょう。

■「山高ければ谷深し」で元の水準に戻っただけ 中国の問題は、それだけではありません。一番の問題は、実体経済に陰りが見えているということです。

 中国関係のビジネスを行っている日本企業も、中国での業績が落ちてきていると発言しています。

 新車の販売台数も、伸び悩んでいるようです。GDP成長率も、2015年は7%を下回るという見方が広がってきています。

 こうしたことが、株価急落の背景にあるのだと思います。

 実際には、上がった分だけ下がった、つまり「山高ければ谷深し」ということで、元の水準に戻っただけです。

 一度荒れた相場は、しばらく余韻を残すものであるので、まだしばらくは、乱高下が続くかもしれません。

 しかし、ここからさらに急落していくという展開には、ならないだろうと考えています。

 さて、日本の市場ですが…