焦点:伸び悩むドル/円、米金利上昇の確信得られず News

焦点:伸び悩むドル/円、米金利上昇の確信得られず

[東京 17日 ロイター] - 10年ぶりに米利上げが決定されたにもかかわらず、ドル/円<JPY=>は伸び悩んでいる。この先の米金利上昇に自信が持てない市場参加者が依然として多いからだ。投機筋の円売り越しポジションは膨らんでおらず、さえない米経済指標も目立つ中で、ドル/円の上昇のモメンタムは高まってない。

アングル:輸出数量が急回復、10─12月期の成長けん引役に News

アングル:輸出数量が急回復、10─12月期の成長けん引役に

[東京 17日 ロイター] - 日本の輸出数量が、急回復の兆しを見せている。日銀の実質輸出は11月まで3カ月連続で増加、内閣府試算の数量指数も拡大している。輸出数量の伸びは生産押し上げに直結するだけに、10─12月の国内総生産(GDP)は、輸出がけん引役となってプラス成長を達成するとの期待感が政府・日銀で台頭してきた。

焦点:米石油精製会社の株価、原油輸出解禁で堅調局面終了か News

焦点:米石油精製会社の株価、原油輸出解禁で堅調局面終了か

[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米国が長年続いた原油輸出規制を近く撤廃するとみられる中、米国の石油精製会社の株価は過去最高値近辺から大きく下げている。石油精製会社に今年、大きく投資した著名投資家ウォーレン・バフェット氏の判断が正しかったかどうかが問われている。

米国が約9年半ぶりに利上げを実施! でも、なぜ米ドルは急騰しなかったのか? ブログ

米国が約9年半ぶりに利上げを実施! でも、なぜ米ドルは急騰しなかったのか?

■米国が9年半ぶりに利上げを実施! みなさん、こんにちは。

 日本時間12月17日(木)未明に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、予想どおり、0.25%の利上げが決定され、FF金利のターゲットは0.25-0.50%に引き上げられました。

米国政策金利(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 各国政策金利の推移)

 FOMC後に公表された声明では、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレンFRB議長が今後の利上げが段階的かつ小幅になると示唆。

 この声明が多くの投資家に好感され、12月17日(木)の東京市場では、本稿執筆時点で日経平均は340円高、米ドル/円は、一時、122.65円まで反発しています。

日経平均 日足(出所:株マップ.com)

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

 今年(2015年)最後のビッグイベントである、FOMCでの利上げが無事達成されたことで、株式相場が反発。呼応して米ドル上昇という流れであるわけですが、その上昇幅は小幅なものに…。

■FOMCより、ECB理事会のほうがインパクトを与えた これは、12月3日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会を受けての相場の逆流がまだ根底にあるからだと思われます。

【参考記事】

●米利上げは100%織り込んだ! 注目は…!? ドル/円120円割れは日銀にとって好都合?(12月15日、西原宏一&松崎美子)

 ECB理事会で決定された追加緩和が想定以下であったため、それ以降、流れが反転しており、「株安、ユーロ高、米ドル安、円高、資源国通貨高」という相場展開が続いていました。

 それが、今回のFOMCの結果を受け、リスクオン相場に戻りつつあるのですが、ユーロ/米ドルの下落も1.08ドル台前半までと限定的。

ユーロ/米ドル 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)

 原油も依然軟調な展開で、12月16日(水)の原油相場は、米原油在庫がこの時期としては1930年以来の高水準に増加したことをきっかけに大幅下落。

NY原油先物 1時間足(出所:CQG)

 米ドル/円は122円台ミドルまで戻した程度で上昇幅は小幅…。

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

 イエレンFRB議長は慎重に言葉を選び、9年半ぶりの米利上げが、株や新興国通貨の下落に結びつかないようにしたことは高く評価されているのですが、FOMCが決定したのは緩和ではなく、利上げであるため、株の継続的な上昇には直接つながりません。

 一方、今回の利上げ開始は、マーケットが十分織り込んでいたため、米ドルの急騰につながるわけではありません。

 結果、ECB理事会以降のユーロ/米ドル中心のポジション調整が、年末まで続く公算が高いのではないでしょうか?

 今年(2015年)の為替市場を振り返ってみると、主役は何と言っても…
利便性や事業の収益性向上のため規制緩和を=西室・日本郵政社長 News

利便性や事業の収益性向上のため規制緩和を=西室・日本郵政社長

[東京 17日 ロイター] - 日本郵政の西室泰三社長は17日の定例会見で、政府の郵政民営化委員会(増田寛也委員長)が進めているゆうちょ銀行の預入限度額引き上げの議論について、「顧客の利便性の向上や事業の安定性・収益性を高めるために、早期に規制の緩和をしてもらいたい」と述べた。

焦点:日本国債は逆行高、長期金利0.2%台で低下余地探る News

焦点:日本国債は逆行高、長期金利0.2%台で低下余地探る

[東京 17日 ロイター] - 米利上げを受けて米国債価格は下落(金利は上昇)したが、日本国債は逆行高となった。10年ぶりの「ゼロ金利解除」を十分織り込んでいたこともあるが、日銀の量的・質的金融緩和(QQE)が引き続き需給を引き締めている。16年度国債発行減額など需給面の後押しもあり、日本の10年債利回り(長期金利)<JP10YTN=JBTC>は0.2%台で低下余地を探りにいくことになりそうだ。

ドル/円120円~121円台はなぜ買いなの? 安易な新興国通貨への投資は止めよう! ブログ

ドル/円120円~121円台はなぜ買いなの? 安易な新興国通貨への投資は止めよう!

■FOMCで0.25%FF金利引き上げ! 利上げは10年ぶり! FOMC(米連邦公開市場委員会)は、12月15日(火)、16日(水)に開催した定例会合で、FF金利誘導目標のレンジをそれぞれ0.25%引き上げ、0.25%~0.5%にすることを決定しました。

 利上げは、ほぼ10年ぶりのことになります。

 同時に発表された経済予測の基になる2016年末の適切なFF金利は1.375%と、9月時点の予想と同じ数値になっています。

 つまり、2016年に1%程度の追加利上げがなされる可能性が高いということを示唆しているのです。これで、長く続いた米国のほぼゼロ金利政策が終了し、これからは金融の引き締め時期に入ったということが言えると思います。

■FOMC後は、株高・米ドル高の展開に! これに対しての市場の反応でありますが、株価も上昇し、為替市場でも米ドル高の展開となっています。

NYダウ 1時間足(出所:CQG)

米ドルVS世界の通貨 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)

 利上げのペースも比較的ゆっくりであることがちょうどバランスが良いと、市場が評価しているということなのだろうと思います。

 しかし、ここから一気に流れができるかといえば、そうとは、なかなかならないと思います。

■米ドル高が一気に進むとは思えない理由 それは、市場が依然として、かなりドルロングになっているからです。

 IMM(国際通貨先物市場)の通貨先物ポジション動向を参考にしてみると、1~2週間で対円、対ユーロなどで一時的に米ドル安の展開になったにもかかわらず、ドルロングのポジションがまったく減っていないことがわかります。

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)

 対ユーロでは、ユーロ/米ドルがECB(欧州中央銀行)の量的緩和が予想より少なかったことで急上昇した12月3日(木)以降も、ポジションが減っていないということは、かなり悪いコストで(つまり下のほうで売ってしまった)ユーロ売り・米ドル買いポジションが残っているということです。

 米ドル高が進むと、そういう人たちの米ドル売りが年末にかけて出てくる可能性を考えておきたいと思います。

ユーロ/米ドル 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)

 もう1点は…
コラム:米ゼロ金利解除で待ち受ける不確実性 News

コラム:米ゼロ金利解除で待ち受ける不確実性

[ニューヨーク 16日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米連邦公開市場委員会(FOMC)が2008年12月以来、初めてフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を実質ゼロから引き上げ、0.25─0.50%とした。まったく予想通りの動きだが、利上げ局面に突入することはそれでもなお、市場に新たな不透明感をもたらすかもしれない。