焦点:ユーロと円の堅調が物語る金融政策の影響力低下 News

焦点:ユーロと円の堅調が物語る金融政策の影響力低下

[ロンドン 5日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)と日銀が一生懸命になればなるほど、両中銀の通貨安誘導能力は弱まっていくように思われる。今年に入ってECBと日銀は、デフレ懸念を背景に「規模」と「深度」の両面で市場予想を上回る大規模緩和に踏み切った。こうした緩和の主な波及経路は、通貨下落を通じた実体経済と物価見通しへのプラス効果だ。

ドル110円前半で弱含み、株価の上値重く News

ドル110円前半で弱含み、株価の上値重く

[東京 6日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ややドル安/円高の110.29/31円だった。日経平均株価がプラス圏に値を持ち直した場面では一時110円半ばまで上昇したが、午後にかけて株価の上値が重くなり、ドル/円も失速した。

米雇用統計の結果は良かった! なのに 米ドル/円のじり安が続いている理由とは? ブログ

米雇用統計の結果は良かった! なのに 米ドル/円のじり安が続いている理由とは?

■米ドル/円はすでに約4年間も上昇トレンドが続いてきた 今回は、米ドル/円の分析を行なう。まずは、月足チャートをご覧いただきたい。

 月足チャートを見ると、2007年6月の高値124円台から始まった米ドル/円の下落トレンドを示すレジスタンス・ライン「緑の破線」を、2012年2月に上に抜けたことが読み取れる。

米ドル/円 月足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 換言すれば、この「緑の破線」を中長期のレジスタンス・ラインととらえるならば、2012年2月に下落トレンドから上昇トレンドに転換した、と言える。

 2012年2月にトレンド転換したと考えるならば、約4年もの期間「米ドル高・円安トレンド」が続いてきたことに留意する必要がある。

 ところが2012年の時点では、米ドル/円は2012年3月以降、下落に転じ、絶対水準で80.00円を割り込み、70円台で推移したことから、2012年は円高傾向の印象が強い状態となった。

 そして、2012年の時点では、確かに米ドル/円が安値75.32円を下に抜けると、つまり新値を更新すると(=歴史的最安値を更新すると)、「円高トレンド」が継続していると判断すべき状態だった、と考える。

 しかし、2012年11月の衆院解散の決定をきっかけに、米ドル/円は急上昇を始めた。政権交代が起これば(民主党政権から自民党政権に交代すれば)、金融緩和策が採られる、といった思惑が働いた、と考える。そして、この急上昇で、「米ドル/円のトレンドは、下落から上昇に転換した」ことが確認できた。

 再掲載した、下の月足チャートには、新たな中長期のレジスタンス・ライン「ピンクの破線」を表示している。 

米ドル/円 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 個人的には、「このライン『ピンクの破線』は、時間が経過するとなくなる(=引く必要がなくなる)のではないか?」と考えていた。

 上述のとおりに、「2012年2月に『上昇トレンド』に転換した」と考えるので、このライン「ピンクの破線」は引かなくてもよい、と考える。

 つまり、「緑の破線」が中長期のレジスタンス・ラインであり、この「緑の破線」を上に抜けた時(2012年2月)に、トレンド転換が起こった、と考えるので、この「ピンクの破線」は必要ない、とも言える。

 ただし、相場を読む際に、便宜上、このライン「ピンクの破線」を表示しておいた方が都合が良い、と考える。

 この「ピンクの破線」を上に抜ける場合が、「買いシグナル」だった、と考えるからだ。

 月足チャートに、サポート・ライン「赤の破線」を表示した。 

米ドル/円 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 米ドル/円は、比較的小さな調整はあるとしても、このサポート・ライン「赤の破線」に従って、大局では上昇が続いていた、と判断している。

 長期のレジスタンス・ライン「青の破線」を表示した。

 110円を上に抜けたことで、このレジスタンス・ライン「青の破線」を上に抜け、「買いシグナル」を発した、と考える。

 米ドル/円は、この「買いシグナル」に従い上昇して、124円台前半を上に抜けて、2007年6月の最高値を更新した。

 最高値の更新で、「買いシグナル」を発して上昇し、昨年(2015年)の6月初旬に、高値125.80-85円レベルをつけている。

 しかし、高値(125.85円)をつけた後は、最高値を更新した後での調整局面に入った、と考える。

 125.85円から120円台ミドルへ下落し、そこからは反転上昇して、再び、125円台をつけている。

 昨年(2015年)の8月に、この2度目の125円台から下落し、120.00円を割り込み、116円台前半に急落した。

 この時(2015年8月)は、中国株(上海総合)の急落や、中国経済に対する不安に起因する世界同時株安から、リスク回避の動きが広がり、米ドル/円が売られた(=円が買われた)、という図式だ。

 116円台からは、反転上昇して、121円台を回復したが、その後は、120.00円程度を中心レートに、上下動を繰り返した。 

米ドル/円 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 昨年(2015年)の11月6日(金)の米国雇用統計では、事前予想よりも、圧倒的に良い結果が発表された。

 これを材料に、12月の「米国の利上げ開始」の思惑が広がり、米ドル/円は、121円台から123円台に上昇している。

 2015年12月15日(火)、16日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)の直前は、120円台程度だったが、FOMCで米国の利上げ開始が発表されたことで、123円台にまで上昇している。

 しかし、昨年(2015年)末の相場は、ポジション調整から円高気味に推移して、年末(2015年12月31日)のクローズ(終値)は、120.00円近辺だった。

■2016年年初は中国株式市場の影響で120円台を割り込む 年初(2016年1月4日)の値動きに注目していたが、年初(2016年1月4日)に、120円を割り込んだ。

 この日の中国株式市場でサーキットブレーカーが発動し、中国株式市場が取引停止になったことが、材料になった。

 この下落で、月足チャートに示したサポート・ライン「赤の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。 

米ドル/円 月足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 ただし、今後の相場で、米ドル/円の下落が、それほど激しいものではなく、反発(上昇)に転じる場合は、サポート・ライン「赤の破線」の傾きを緩やかにして、修正する可能性があった。

 しかし、2016年2月9日(火)の東京市場で、重要な節目の115.00円を割り込んだので、このサポート・ライン「赤の破線」の傾きを修正しないで良い、と考える。

 つまり、このサポート・ライン「赤の破線」を割り込んで「売りシグナル」を発した、と判断する。

 重要なチャート・ポイントである115.00円を割り込んだので、トレンド転換の可能性を考える必要が出てきたと、考える。

 今のところ、明確な下値のメドは、不明(わからない)、と考える。

 続いて週足チャートを…
LINEに財務局が立ち入り検査、資金決済法違反の疑い News

LINEに財務局が立ち入り検査、資金決済法違反の疑い

[東京 6日 ロイター] - 関東財務局が、無料対話アプリ会社LINEに立ち入り検査を行っている。関係筋によると、同社のゲームで提供するアイテムの一部を「通貨」として届け出ず、資金決済法に定める供託金の支払いを免れていた疑いがある。財務局は、同法に基づく法令義務に違反した行為があるかどうか、全容解明を急ぐ。

正午のドルは110円半ば、前日の下落を消化中 News

正午のドルは110円半ば、前日の下落を消化中

[東京 6日 ロイター] - 正午のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、若干ドル高/円安の110.46/48円。朝方の安値110.23円から切り替えして110.64円付近まで反発したが、反発に勢いはない。