
この記事の要点
- ビットワイズCIOがCLARITY否決後の上昇要因を分析
- 法案不在でもBTC8%上昇、4分野に規制の追い風
クラリティ不成立でも相場上向き「4つの恩恵」
米資産運用大手Bitwise(ビットワイズ)のマット・ホーガンCIO(最高投資責任者)は2026年9月30日、CLARITY(クラリティ)法案が米上院で否決されたにもかかわらず仮想通貨市場が上昇した理由を分析するメモを公表しました。
同法案をめぐっては9月15日、米上院で審議入りに向けた手続き採決が行われたものの、賛成49・反対50で必要な60票に届かず、審議入りは見送られています。
その一方で仮想通貨市場は上昇し、ホーガン氏によるとビットコイン(BTC)は8%、イーサリアム(ETH)は7%、アバランチ(AVAX)は43%値上がりしました。
相場が上向いた理由について、同氏は、仮想通貨(暗号資産)業界が「クラリティが約束するはずだった長期的な確実性」と引き換えに、より有利なルールを早期に手にしたとの見方を示しています。
同氏はその具体例として「ステーブルコイン」「取引所」「トークン化プラットフォーム」「収益還元型トークン」の4分野を挙げ、法案とは別に進んだ規制当局の措置がそれぞれに恩恵をもたらしたと分析しています。
クラリティ否決「業界に有利」
既存事業からトークン化まで恩恵が波及
ステーブルコインと取引所が得た優位性
ホーガン氏によると、クラリティ法案の最終案には、取引所がステーブルコイン残高に応じて顧客へ利回りや報酬を支払うことを「いかなる形式でも」禁じ、違反時には最大500万ドル(約7億8,300万円)の罰金を科す規定が盛り込まれていました。
法案が審議入りに至らなかったことで、2025年に成立したGENIUS法の枠組みが引き続き適用され、発行者による利回り支払いは禁じられる一方、取引所には同様の禁止規定が設けられていないと同氏は説明しています。
この違いについてホーガン氏は、Coinbaseなどがステーブルコイン残高に応じた報酬プログラムを連邦レベルの上限なく継続できる余地が残ったと分析しています。
取引所についても、クラリティ法案で予定されていた全米共通のライセンス制度や取引所と証券会社の兼業制限が導入されなかったため、既存事業者は州ごとのライセンス取得を求める参入障壁と、取引・仲介の両機能による収益構造を維持できたとの見方を示しました。
法案待たずSECがトークン化実験を後押し
手続き採決から2日後の9月17日、SEC(米証券取引委員会)はトークン化された米上場株式に関する一時的な条件付き免除措置を発出しました。
この措置では、対象となる取引基盤が取引所としての登録を、一定の流動性提供者がディーラーとしての登録をそれぞれ免除され、有効期間は5年間とされています。
ホーガン氏は、法案に基づく調査やルール策定に数年を費やすことなくトークン化証券の実験を始められるようになったとして、規制当局による措置の早さを評価しています。
バイバックの法的扱いを明確化
ハウガン氏によると、否決後に値上がりした銘柄の多くは、プロトコル収益で自らのトークンを買い戻す「収益還元型」にあたり、Hyperliquid(+15%)やNEAR(+104%)、Uniswap(+49%)、Pump(+19%)が例として挙げられています。
収益還元型トークンをめぐっては、クラリティ法案でも、SECからCFTC(商品先物取引委員会)の管轄へ移る「デジタルコモディティ」の要件や、発行者によるバイバックがトークンの法的性質に与える影響について曖昧さが残っていたとハウガン氏は説明しています。
こうした論点をめぐり、SEC企業金融部門は9月25日に仮想通貨資産に関するFAQを更新し、機能している仮想通貨システムでは、発行者がバイバックを発表しただけで本質的な経営努力を約束したことには当たらないとのスタッフ見解を示しました。
ホーガン氏はこの更新について、クラリティ法案で曖昧さが残っていた論点を、SECが既存の指針に沿って明確にしたものだと分析しています。
民主党賛成ゼロで否決に
CLARITY法案再審議の可能性と残る不確実性
9月15日の手続き採決後には、トム・ティリス上院議員が採決結果の再審議を求める動議を提出しており、クラリティ法案には再び採決に進む手続き上の余地が残されています。
一方、ホーガン氏は現在の規制環境が法律ではなくSECやCFTCの判断に依存している点をリスクとして挙げ、2029年1月に発足する次期政権によって方針が変更される可能性を指摘しています。
ただし同氏は、2029年までには世界有数の金融機関がブロックチェーン上で事業を展開して数年が経過しているとみており、新たなSECやCFTCが現在の制度を巻き戻すとは考えにくいとの見方を示しています。
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Source:Bitwise CIOメモ
サムネイル:AIによる生成画像






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