金融庁、暗号資産制度改革を「目標達成」と評価|令和7年度実績評価書

この記事の要点

  • 金融庁、暗号資産制度改革を「目標達成」と評価
  • 金商法移管と分離課税で国内市場の制度が転換

暗号資産の制度改革を「達成」と総括

金融庁は2026年9月4日、2025年度(2025年7月~2026年6月)の金融行政をまとめた実績評価書を公表し、暗号資産(仮想通貨)の制度改革を含むデジタル分野の施策について「目標を達成」と評価しました。

このうち、取引規制を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移す法改正が7月に成立し、税制面でも一定の暗号資産取引から生じる所得を分離課税の対象とする措置が講じられました。

税制改正によって申告分離課税への移行に道が開かれ、これまで最大55%だった暗号資産の売買益に対する税負担が大きく変わることになります。

今回の制度改革は税制だけでなく取引規制や投資家保護にも及んでおり、暗号資産市場をめぐる国内のルールが幅広く見直されました。

金商法移管を核とする暗号資産の規制再編

金商法改正案が成立、不公正取引規制を強化

制度見直しの土台となったのが、金融審議会の「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」で、暗号資産をめぐる制度の在り方について議論を重ね、2025年12月に報告書をとりまとめました。

金融庁はこの報告書を踏まえ、暗号資産取引に関する規制を資金決済法から金商法へ移し、無登録業者への対応や情報公表に関する新たなルールを法案に反映しました。

法案には暗号資産交換業者に対する規制の見直しに加え、インサイダー取引規制の創設など、不公正取引を防止するための規制強化も盛り込まれています。

一連の制度改革を盛り込んだ「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」は2026年4月に第221回国会へ提出され、同年7月に成立しました。

分離課税と暗号資産サービス仲介業の創設

金商法などの改正を前提として、2026年度の税制改正では、一定の暗号資産取引から生じる所得を分離課税の対象とする措置が講じられました。

これまで雑所得として最大55%の総合課税が適用されてきた売買益については、上場株式などと同じ約20%の申告分離課税を適用するための枠組みが設けられています。

事業者向けのルールも見直され、暗号資産交換業者などに対する資産の国内保有命令や、電子決済手段・暗号資産サービス仲介業の創設に関する政府令などが2026年6月に施行されました。

新たな仲介業については事務ガイドラインも作成され、金融庁は制度の円滑な運用に向けた対応を行っています。

ステーブルコイン活用と決済高度化の支援

取引・税制面の改革と並行して決済分野の対応も進められ、金融庁は円建てステーブルコインの活用を検討する事業者との対話を重ねました。

制度面では信託型ステーブルコインの裏付け資産の管理・運用を柔軟化する政府令などが2026年6月に施行され、実証面では「Fintech実証実験ハブ」内に「決済高度化プロジェクト(PIP)」が設けられています。

PIPでは3メガバンクによるステーブルコインの共同発行とクロスボーダー送金への活用をはじめ、ブロックチェーン上での証券の権利移転とステーブルコイン決済の同時実現、トークン化預金の銀行間移転に関する取り組みを支援しています。

暗号資産のサイバー対策と海外当局との連携

新たな制度やサービスへの対応とあわせて、金融庁は暗号資産関連業者のサイバーセキュリティ対策にも取り組み、個別業者による「自助」と業界全体による「共助」を促すとともに、「公助」の観点から支援策を講じる方針を公表しました。

国内の監督体制を整える一方、国際面ではFSB(金融安定理事会)やIOSCO(証券監督者国際機構)の勧告を踏まえ、各国で一貫した規制監督を実施するための議論に参加しています。

海外当局との情報交換や連携にも取り組み、国境を越えて行われる暗号資産取引への監督対応を進めています。

改正金商法の施行へ、暗号資産改革は次の段階に

2026年7月に金商法などの改正法が成立し、暗号資産をめぐる制度改革は新たな規制の施行に向けた段階に入っています。

今後は改正法に基づく制度の運用に必要な対応を進めるとともに、事業者などとの意見交換を通じて課題を特定し、その解決に取り組むとしています。

金融庁は国内の制度整備と海外当局との連携を継続し、暗号資産取引の健全な発展と決済の高度化に向けた対応を進める見通しです。

>>金融庁関連の最新仮想通貨ニュースはこちら

Source:金融庁「令和7年度実績評価書」
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

コメント

タイトルとURLをコピーしました