
金融庁が信託型ステーブルコインの税務手続見直しを要望へ
金融庁が、個人による信託型ステーブルコインの大口決済を促進するため、所得税法や相続税法に基づく書類提出義務の見直しを、近くまとめる税制改正要望に盛り込む方針だと「日本経済新聞」が8月24日に報じた。
報道によると、金融庁は、信託銀行や信託会社などが発行する信託型ステーブルコインについて、受益者(保有者)の変更時などに必要となる税務書類の提出を一律で不要にするよう求める方針だという。税務手続に伴う事業者の実務負担を軽減することで、自動車や住宅など100万円を超える高額な支払いにもステーブルコインを利用しやすくする狙いがあるという。
今回焦点となっている100万円は、信託型ステーブルコインに設けられた一律の決済上限ではない。信託型の第3号電子決済手段には、法律上、1回当たりの送金額や保有残高に一律の上限は設けられていない。今回の見直しは、信託型ステーブルコインの金額上限を撤廃するものではなく、その利用に伴う税務書類の提出負担を軽減するものだ。
現行制度では、信託の受益者等が変更された場合、受託者は原則として相続税法に基づく「信託に関する受益者別(委託者別)調書」を税務署に提出する必要がある。ただし、受益者別に算定した信託財産の価額が50万円以下の場合などは、提出が免除される。信託型ステーブルコインによる決済では、ステーブルコインの移転に伴って受益者が変更されるため、受託者側にこうした手続きが生じ得る。
また原則として、支払者が同一人に対してその年中に支払う信託受益権の譲渡対価の合計額が100万円を超える場合、所得税法に基づく「信託受益権の譲渡の対価の支払調書」の提出が必要となる。特定信託受益権に該当する信託型ステーブルコインでは、譲渡対価が金銭である場合が対象となるため、個人がステーブルコインを売却・換金する場面などで、支払者側にこうした手続きが生じ得る。なお、商品やサービスの購入にステーブルコインを利用する場合は、譲渡対価が金銭以外となるため、所得税法上の同支払調書の対象外となる。
今回の税務手続の見直しが実現すれば、信託型ステーブルコインを高額な商品やサービスの決済に利用する際の事業者側の実務負担が軽減され、個人による大口決済での利用拡大につながる可能性がある。
今後、年末にまとめられる税制改正大綱に向けて政府・与党が議論し、2027年度以降の実現を目指すと報じられている。
日本における法定通貨建てステーブルコインは、資金決済法上の「電子決済手段」に該当し得る。国内で発行済みの主なものには、資金移動業型の「1号電子決済手段」と、特定信託受益権に当たる「3号電子決済手段」がある。
現在国内で発行されているJPYC社の「JPYC」は1号電子決済手段、SBI新生信託銀行が発行する「JPYSC」は3号電子決済手段となっている。ただしJPYSCは現状、SBI VCトレードの口座内限定で先行提供されており、外部ウォレットへの出庫には対応していない。
参考:日本経済新聞
画像:PIXTA
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参照元:ニュース – あたらしい経済

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