
この記事の要点
- ビットワイズCIO「BTC以外は2倍以上になりうる」
- DeFi・L1で収益の買い戻し・バーンが拡大
ホーガン氏「BTC以外は2倍以上に」
米資産運用会社Bitwise(ビットワイズ)のマット・ホーガン最高投資責任者(CIO)は2026年8月12日、仮想通貨(暗号資産)プロジェクトによる収益のトークン保有者への還元が相次いでいる現状を分析したメモを公開しました。
ホーガン氏はこうした収益還元が市場の評価にまだ十分織り込まれていないとして、ビットコイン(BTC)を除く仮想通貨資産の評価額が「2倍以上になりうる」との見方を示しています。
具体例として同氏はHyperliquid(ハイパーリキッド)やUniswap(ユニスワップ)など5つのプロジェクトを挙げ、手数料収益をトークンの買い戻しや焼却に回す仕組みがすでに導入されていると説明しました。
こうした事例を踏まえ、同氏は今後12〜24カ月でDeFi(分散型金融)アプリケーションとレイヤー1ブロックチェーンの双方に収益還元モデルが広がると予測しています。
アルト相場は「選別上昇」へ
DeFiからL1へ、収益還元の連鎖
800%上昇を支えたHYPE買い戻し
5つの事例のなかでも先行する分散型取引所ハイパーリキッドは、2023年2月に無期限先物取引の提供を開始して以降、現物取引や予測市場にも事業領域を広げてきました。
同氏のメモによると、ハイパーリキッドは2025年に8億ドル(約1,200億円)を超える収益を上げており、手数料収益の約99%をHYPEトークンの買い戻し(バイバック)に充てています。
この仕組みによる買い戻しはHYPEのローンチ以降で総額13億ドル(約1,950億円)に達し、取得されたHYPEは流通市場から恒久的に取り除かれたと同氏は記しています。
HYPEは2024年11月のローンチから約800%上昇しており、ビットコインが約3分の1下落した局面でも堅調に推移したことから、ホーガン氏は買い戻しが価格上昇を支えた主因と分析しています。
Uniswap年1億ドル還元、Aaveも追随
こうした収益還元の仕組みはほかのDeFiプロジェクトにも取り入れられ、ユニスワップは2025年12月に「UNIfication」提案を99.9%の賛成で可決し、プロトコル手数料を初めて有効化しました。
これに伴い、最大供給量の10%にあたる1億UNI(約5.9億ドル)がバーンされたほか、その後も700万UNIが焼却され、年間約1億ドル(約150億円)の収益が買い戻しに充てられたといいます。
Aave(アーベ)も2025年4月からネイティブトークンAAVEの週次買い戻しを始め、年間収益の約2割にあたる約3,000万ドル(約45億円)をバーンに充てています。
その後、2026年6月には「Aavenomics 3.0」へ移行し、プロトコルとGHOステーブルコインから得られる収益を、運営側の裁量を介さず自動的に買い戻しへ回す仕組みを導入したとホーガン氏は記しています。
Pump.funとLighterも参入
収益をトークンの買い戻しに充てる動きはDeFi以外にも及んでおり、ミームコイン基盤のPump.fun(ポンプファン)は2025年7月のローンチ直後から買い戻しを始め、2026年4月までに流通量の36%にあたる3.7億ドル(約555億円)相当をバーンしました。
ホーガン氏によると、その原資となる事業収益はミームコインの発行だけで年間3.28億ドル(約492億円)に上り、翌年の純収益の50%を買い戻しに充てる仕組みが変更不能なスマートコントラクトに組み込まれています。
年初にローンチしたイーサリアム(ETH)上の無期限先物取引所Lighter(ライター)でも同様の仕組みが採用され、すでに流通量の約6%にあたるLITを買い戻しており、年間収益は6,700万ドル(約100億円)に上るとしています。
ソラナ、手数料バーンを最大14倍へ
ホーガン氏が指摘する収益還元の流れはアプリケーションにとどまらずレイヤー1ブロックチェーンにも及び、ソラナ(SOL)ではインフレ率の引き下げと手数料バーンの最大14倍拡大を柱とする「SGP-0003」が提案されています。
アプトス(APT)でもガス手数料を10倍に引き上げた後にユーザー離れはみられず、トランザクション数がほぼ3倍に増加するなか、年間のバーン量も約9万APTから約190万APTまで拡大したと同氏は説明しました。
「SOLバーン量を10倍超へ」
「規制緩和」と「割安評価」が示す上昇余地
こうした収益還元が米国で長く普及しなかった背景について、ホーガン氏は2017年から2025年にかけてSEC(証券取引委員会)がトークン保有者への収益還元を有価証券の募集にあたると見なし、導入を事実上抑えてきたためだと分析しています。
しかし、リップル訴訟でのSEC敗訴やポール・アトキンス氏の委員長就任などを経て米国の規制方針が転換し、トークン保有者への収益還元を導入できる余地が再び生まれたと同氏は説明しました。
規制面での制約が後退する一方、ホーガン氏は仮想通貨には株式のような収益への法的請求権がなく、コミュニティの判断によってトークン設計が変更される可能性がある点にも注意を促しています。
こうした違いを踏まえた上でも、同氏はUniswapの時価総額が24億ドル(約3,600億円)、Hyperliquidの株価収益率(PER)が17〜60倍にとどまる現在の評価水準を割安とみており、収益還元モデルの普及が今後12〜24カ月にわたって続くと予測しています。
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Source:Bitwise CIOメモ
サムネイル:AIによる生成画像






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