米保安官団体MCSA、クラリティ法案への反対取り下げ。法執行機関の懸念後退か

クラリティ法案巡る調整前進、今後は上院本会議が焦点

米国の暗号資産(仮想通貨)市場構造法案「クラリティ法案(CLARITY Act)」を巡り、全米主要郡保安官協会(Major County Sheriffs of America:MCSA)が同法案への立場を「中立」に変更した。暗号資産政策を取材するジャーナリストのエレノア・テレット(Eleanor Terrett)氏が7月4日に報じた。

クラリティ法案は、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)のデジタル資産に対する管轄を明確化し、暗号資産市場の包括的な連邦規制枠組みを整備することを目的とした法案だ。同法案は5月14日に上院銀行・住宅・都市問題委員会を通過しており、現在は上院本会議での審議・採決に向けた調整が進められている。

MCSAは今回、政権側との協議や法案の継続的な検討が進んだことを受け、第604条の解釈や実施方法について追加的な明確性が得られたとして、クラリティ法案への反対を取り下げ、中立へ立場を変更したと説明している。

ただし、MCSAは法案を支持する立場に転じたわけではない。同団体は、州および地方の法執行機関が法案の運用や今後の制度運営に引き続き関与できるよう、さらなる修正を求めている。

なお、クラリティ法案を巡っては、法執行機関の懸念に加え、ステーブルコイン利回りの扱いや政府高官による暗号資産関連の利益取得を制限する倫理規定なども争点となっている。今回、法執行機関側の懸念は一定程度後退したものの、上院本会議での可決に向けては引き続き調整が必要となる見通しだ。

法執行機関は何を懸念していたのか

MCSAは、大規模な郡・パリッシュの保安官事務所で構成される法執行団体だ。同団体は、暗号資産を利用した犯罪の捜査を担う立場から、これまでクラリティ法案の一部条項に懸念を示し、法案への反対を表明していた。

MCSAなどの法執行団体が問題視していたのは、クラリティ法案に盛り込まれた第604条「ブロックチェーン規制確実性法(Blockchain Regulatory Certainty Act)」だ。同条項は、ブロックチェーン開発者などに過度な金融規制が及ばないようにすることを目的としている。

具体的には、ユーザーのデジタル資産を単独で管理、移転、または取引実行できない「非支配的な開発者・提供者」について、資金移動業者として扱わないことを明確化する内容となっている。ただし、他者に代わって、犯罪収益または違法行為の促進に使われると知りながら資金を移転する場合の連邦刑事責任は維持される。

一方、MCSAなどの法執行団体は、この条項によって暗号資産を利用した犯罪の捜査や不正資金の追跡が難しくなる可能性を懸念していた。具体的には、監督や説明責任に空白が生じることで、犯罪捜査に支障が生じる可能性があると指摘していた。

MCSAは今回の書簡で、政権側との協議を通じて、第604条の解釈や実施方法について追加的な明確性が得られたと説明した。その結果、クラリティ法案への反対を取り下げ、中立へ立場を変更したとしている。

なおMCSAは、暗号資産を利用した犯罪への対応強化に向け、法執行機関向けの訓練や技術、フォレンジック能力、捜査リソースへの支援も求めている。同団体は、麻薬取引や詐欺、ランサムウェア、児童搾取、組織的小売窃盗、テロ資金供与などに暗号資産が利用されていると指摘している。

参考:資料1資料2
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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