
この記事の要点
- 高市首相がサナエトークンへの関与を否定、秘書回答書との食い違いが国会で争点に
- 金融庁は損失相談3件を確認、無登録業者対策と暗号資産規制強化の審議が進行
高市首相、サナエトークンの関与を否定
高市早苗首相は2026年6月22日、衆院予算委員会で、自身の名を冠した仮想通貨(暗号資産)「サナエトークン(SANAE TOKEN/SANAET)」への関与を否定しました。
高市首相は、自身や地元事務所がトークンの発行や取引を承認した事実はないと述べたものの、地元秘書側が作成した回答書との説明の食い違いが指摘されており、国会では事務所側の認識や関与の経緯が争点となっています。
野党側は、公設第一秘書の参考人招致を求めるとともに首相側の認識をただしており、首相は関連資料を理事会に提出する意向を示しました。
問題をめぐっては金融庁にも購入損失に関する相談が寄せられているほか、無登録業者への対応や暗号資産規制の見直しも含めた議論が国会で進められています。
損失相談、金融庁が5件把握
首相は否定、秘書回答と矛盾し追及続く
トークン発行と金融庁の調査検討
サナエトークンは2026年2月25日、Web3コミュニティ「NoBorder DAO(ノーボーダーDAO)」によってソラナ(SOL)上で発行されました。
同トークンはNoBorder DAOが進める「Japan is Back」プロジェクトの意見収集インセンティブとして設計されており、分散型取引所Raydium(レイディウム)で取引が始まると、価格は初値から一時約30倍まで急騰しています。
一方で、高市首相本人は3月2日に自身のXで、トークンの発行や運営への関与を否定しており、この投稿を受けて同トークンの価格は一時約60%下落しました。
その後、発行と設計を担ったとされる株式会社neu(ニュー)に暗号資産交換業の登録状況をめぐる指摘が出たことを受け、金融庁は3月3日、資金決済法に基づく関連業者への調査の検討に入りました。
「知らされていない」説明に矛盾の指摘
こうした経緯を背景に、6月22日の予算委員会ではサナエトークンをめぐる首相側の認識が論点となり、高市首相は奈良の地元秘書がまとめた陳述書と相手企業から届いた提案書を理事会へ提出する意向を示しました。
首相側は提案書に暗号資産に関する記載は存在しないと説明しており、首相自身もトークンの発行や運営への関与を改めて否定しています。
これに対し中道改革連合の後藤祐一衆院議員は、首相が個別の質問へ直接答えていないとして「答弁拒否だ」と批判し、公設第一秘書の参考人招致を求めました。
後藤氏は、高市首相が3月2日のXで事務所側も「どのようなものなのか知らされていない」と説明していた点を挙げ、地元秘書側が作成した回答書との内容に矛盾があると主張しています。
その根拠の一つとして、後藤氏は高市事務所公認の後援会アカウントが発行元による2月25日の投稿を引用し、「サナエトークンという新たなインセンティブ設計も注目されています」と投稿していたことにも言及しました。
首相側は後援会チームによるリポストの事実は認めているものの、トークンの発行や運営への加担については否定しており、双方の主張は食い違ったままとなっています。
損失相談3件、捜査当局と連携も視野
サナエトークンをめぐっては利用者からの相談も寄せられており、金融庁の堀本善雄総合政策局長は予算委員会で、分散型取引所(DEX)での購入などに関連した損失相談が6月18日までに3件確認されたと明らかにしました。
金融庁は6月10日の衆院財務金融委員会でも、損失に言及した相談が当時5件あり、うち3件は被害額の主張を伴い、1件は非居住者からのものだと説明していました。
こうした相談を受け、金融庁は無登録で暗号資産交換業を営っている疑いのある事業者を把握した場合、実態を確認したうえで捜査当局と連携して対応する方針を示しています。
金融庁は関連事業者の実態確認を進めており、利用者からの申告状況についても継続的に確認しています。
暗号資産規制の強化、国会で法案審議へ
サナエトークンをめぐる議論と並行して、暗号資産規制そのものを見直す法改正の審議も国会で進められています。
規制の根拠を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移す改正案は2026年4月に閣議決定され、現在は国会で審議が行われています。
改正案には、無登録で暗号資産交換業を営った場合の罰則引き上げなどが盛り込まれており、利用者保護や不正業者対策の強化が図られる見通しです。
こうした法改正の議論では、利用者保護を強化するための監督体制や執行手法のあり方についても検討が進められています。
金融庁は、無登録で暗号資産交換業を営っている疑いのある事業者を把握した場合、実態を確認したうえで捜査当局と連携して対応する方針を示しています。
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Source:衆議院予算委員会審議
サムネイル:AIによる生成画像






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