
この記事の要点
- CFTCが予測市場向け規則案を公表、イベント契約の審査制度を新設
- 公益性や価格発見機能を基準に契約ごとの上場可否を判断へ
CFTC、予測市場の新規則案を公表
米商品先物取引委員会(CFTC)は2026年6月10日、スポーツの試合結果などを取引対象とする「イベント契約」の規則改正案(NPRM)を公表し、パブリックコメントの受付を開始しました。
同改正案はCFTC規則40.11の修正とパート40への付属書F追加を柱に、スポーツ関連を含むイベント契約について公益に反するかどうかを契約ごとに最大90日間で審査する手続きを定めています。
規則案では、対象となるイベント契約を契約ごとに審査する手続きに加え、公益性の判断要素や主要用語の定義も示されています。
CFTCは2026年3月12日にも予測市場全般に関する事前規則制定通知(ANPRM)を公表しており、今回の改正案はその際に示した論点の一部を制度化するものと説明しています。
トランプ氏、CFTC主導の規制を支持
公益性・価格発見機能を審査軸に
法定用語の定義で審査対象を明確化
規則案の本文によると、審査の対象は商品取引所法(CEA)第5c条(c)(5)(C)が列挙するテロ・暗殺・戦争・ゲーミング(賭博類似の行為)・連邦法や州法上の違法行為に関わる契約とされています。
同委員会は規則案の背景として、登録取引所でスポーツ関連を含むイベント契約の上場が増加しているとしたほか、2025年には登録予測市場全体の取引高が250億ドル(約4兆円)を超えたと説明しました。
規則案には主要な法定用語である「involve(関与する)」と「gaming(ゲーミング)」の定義も盛り込まれ、どの契約が審査対象に該当するかを判断する基準が示されています。
90日審査の判断基準と評価要素
規則案は、対象となる契約が列挙活動に関わるかを確認したうえで、公益に反するかどうかを契約ごとに審査する手続きを定めています。
公益性の評価では、価格発見や情報集約としての有用性に加え、市場の健全性への影響や運営側の法令順守体制が考慮要素とされています。
ゲーミングに関しては、偶然性に基づくゲームの契約は公益に反する可能性が高いとする一方、スポーツ関連契約については個別判断のための評価要素も提示しています。
マイケル・セリグ委員長は同発表で「責任ある革新の妨げにならない形で、規制市場の健全性を守る」と述べ、議会が精査を求めた契約を特定しながら正当な市場活動を支える枠組みになるとの認識を示しました。
CFTCの監督権限、連邦裁が支持
一方、スポーツ関連のイベント契約をめぐりネバダ州と争うCrypto.com(クリプトドットコム)関連の取引所に対しては、CFTCが2026年2月、取引所側を支持する意見書を連邦控訴裁に提出しました。
同種の訴訟は大手予測市場のKalshi(カルシ)と州当局の間でも争われており、規則案は予測市場に対するCFTCの一元的な監督権限を認めた連邦控訴裁判所の判断にも言及しています。
規則案が成立した場合、対象契約は公益性の審査を経て上場可否が判断されることになります。
Polymarketとは
規則・立法・SEC戦略計画が同時進行
CFTCは今回の発表で、2026年3月に公表したANPRMに対する意見募集の内容次第では、予測市場に関する追加の規則策定を進める可能性にも言及しています。
CFTCは今回の規則案について意見公募を開始しており、2026年8月10日までコメントを受け付けています。
こうした制度整備と並行して、仮想通貨(暗号資産)分野では業界団体Stand With Crypto(スタンド・ウィズ・クリプト)などが6月8日、200超の企業・団体による連名書簡を上院指導部へ送付したとXで発表しました。
書簡では、仮想通貨の市場構造を定める「CLARITY(クラリティ)法案」を上院本会議で採決するよう求めており、大手企業から業界団体まで幅広い組織が参加したとされています。
SEC(米証券取引委員会)も6月2日、2026〜2030年度の戦略計画草案を公表し、デジタル資産と分散型台帳技術に関する規制基盤の整備を重点目標の一つに位置付けています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=160.54 円)
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Source:CFTC
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