メタマスク「AI専用仮想通貨ウォレット」を公開、DeFi取引を自動実行

この記事の要点

  • メタマスクがAIエージェント専用ウォレットを公開、DeFi取引の自動実行に対応
  • 全EVMチェーン対応の新機能を導入し、AI活用拡大に向け安全対策も強化

まずはMetaMask(メタマスク)を詳しく

MetaMask、AI専用ウォレットを公開

自己管理型の仮想通貨ウォレットを展開しているMetaMask(メタマスク)は2026年6月8日、AIエージェント向けの新ウォレット「MetaMask Agent Wallet」を公開したと発表しました。

提供は一部のトレーダーや開発者を対象としており、同日からコマンドラインインターフェース(CLI)経由での早期アクセスが開始されました。

対応ネットワークは25超のEVMチェーンとハイパーリキッド(HYPE)に及び、スワップや無期限先物(パーペチュアル)、予測市場、流動性提供(LP)など複数のDeFi(分散型金融)取引を単一のウォレットから実行できる設計となっています。

AIエージェントがオンチェーン上で取引や資産運用を担う利用環境を見据える一方で、不正な取引や想定外の操作への対策として取引ごとにセキュリティ検査を実施し、最終的な権限は利用者が保持できる仕組みを採用しています。

2034年に38兆円規模へ、AI市場が急拡大

AIエージェント市場拡大で需要増加

メタマスクがエージェント専用ウォレットを投入した背景には、企業・個人を問わず金融判断や取引執行の一部をAIに委ねる動きが広がっていることがあります。

世界経済フォーラム(WEF)によると、世界のAIエージェント市場は2024年の54億ドル(約8,650億円)から2034年には2,360億ドル(約37.8兆円)規模へ拡大する見通しです。

市場規模の拡大に伴いセキュリティ上の懸念も高まっており、同フォーラムは2028年までに企業のセキュリティ侵害の4件に1件がAIエージェントの悪用に起因する可能性があるとの予測を紹介しています。

こうした状況を踏まえ、メタマスクはオンチェーン上の脅威として、悪意あるコントラクトや想定外の取引、プロンプトインジェクション(不正な指示の注入)などのAIエージェント特有の攻撃手法を挙げています。

全取引を3段階で事前検査

Agent Walletはこうした脅威への対策として、すべての取引を実行前に検査する仕組みを標準搭載しており、イーサリアム(ETH)やBase(ベース)など9種類のチェーンに対応しています。

検査は取引内容を事前に再現するトランザクションシミュレーション、外部企業Blockaid(ブロックエイド)による脅威スキャン、不利な約定を防ぐMEV保護の3段階で構成されるといいます。

同社は安全と判定した取引に対して月あたり最大1万ドル(約160万円)の補償を用意する一方、危険性が検知された取引については実行前に2要素認証(2FA)による本人確認を求めるとしています。

1日の送金上限を超える取引や許可リスト外のプロトコルへの送金など、利用者が事前に設定した条件から外れる操作についても、実行前に本人承認が必要になると説明しています。

制御優先か速度優先か、2モードを選択可能

メタマスクはエージェントの行動範囲を利用者自身が調整できるよう、ガードモードとビーストモードの2種類を用意しています。

モード 特徴・対象
ガードモード(既定) 1日の上限額・許可プロトコル・リスク許容度を設定し、ルール外の取引は2FAで承認する
ビーストモード(任意) 中断を減らしたいトレーダー・開発者向け。悪意ある取引は引き続き2FAでブロックする

同社によると、どちらのモードでも取引を実行するのはエージェントであるものの、行動範囲や権限の設定は利用者が管理するとしています。

本人確認が必要になると、利用者のスマートフォンにプッシュ通知が届くか、メールで承認リンクが送られ、内容を確かめたうえでワンタップで承認か拒否を選ぶことができます。

承認も拒否も行われないまま5分が経過した場合、その取引は自動的に却下され、最終判断は常に利用者が行う仕組みと説明されています。

ウォレットはセルフカストディ型を採用しており、秘密鍵を利用者自身が管理できるほか、シークレットリカバリーフレーズも別のウォレットへ移行可能で、鍵の保護にはTEE(信頼実行環境)が使われています。

設計は特定のAIフレームワークに依存せず、OpenAI Codex(オープンAIコーデックス)やClaude Code(クロードコード)、Cursor(カーソル)など複数の開発環境から利用できるとしています。

2026年夏に一般公開、夏までFBで機能改善

Agent Walletの一般向け提供は2026年夏に予定されており、それまでは早期アクセス参加者から寄せられるフィードバックをもとに機能改善や不具合修正を進める方針です。

メタマスク開発元「Consensys(コンセンシス)」創業者のジョー・ルービン氏は、オンチェーン経済の次の成長は人間同士の取引だけでなく、AI同士の取引によっても支えられるようになるとの見解を示しました。

ルービン氏は、自律的に動作するソフトウェアと仮想通貨プロトコルの親和性に言及し、将来的にはAI同士がブロックチェーン上で取引や検証を行う環境が広がるとの認識を示しています。

Consensysは現在、限定公開環境で利用者からのフィードバックを収集しており、2026年夏の正式リリースに向けて機能面と安全面の調整を続けています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=160.20 円)

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Source:公式発表 / 公式ブログ / MetaMask Agent Wallet
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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