トークン化株式が招く「スノウ・クラッシュ的未来」リーマン崩壊予言者が警鐘

この記事の要点

  • マイケル・バーリー氏、SECのトークン化株式構想に警鐘
  • SECは24時間株式取引制度の公表延期へ、市場反発も拡大

バーリー氏、トークン化株式に警鐘鳴らす

2008年のリーマン・ショックを的中させた著名投資家マイケル・バーリー氏は2026年5月19日、SEC(米証券取引委員会)が準備中のトークン化株式に関する規制緩和について「スノウ・クラッシュのようなサイバーパンクの未来に向かっているのかもしれない」との見解を示しました。

バーリー氏が引用した『スノウ・クラッシュ』は、ニール・スティーヴンスンが1992年に発表したSF小説で、企業が国家機能を代替し、人々の生活や経済活動が仮想空間へ移行し、社会秩序や人間関係が崩れていく世界を描いた作品として知られています。

同氏は「人間性が軽視される社会が進む中、個人に紐づけられたデジタル上の価値が、社会貢献と直接結びつく時代が近づいている」と述べ、未来の誰かが止めなければならない転換点になるかもしれないと警戒感を示しました。

背景には、SECが仮想通貨企業によるトークン化株式の取り扱いを認める「イノベーション免除」制度の公表を5月18日週に予定していた経緯があり、伝統的な証券取引所や市場関係者からの反発を受けてSECが公表を延期しています。

24時間取引構想、延期の背景にある論点

個人投資家にも開かれる24時間市場構想

SECは、テスラやアップルなど米上場企業の株式をブロックチェーン上でトークン化し、仮想通貨プラットフォーム上で24時間売買できる市場整備を視野に入れていました。

制度案では「イノベーション免除(Innovation Exemption)」を活用し、仮想通貨企業にもトークン化株式の取り扱いを認める方向で制度設計が進められています。

実現すれば、個人投資家は時間帯を問わず米国株連動トークンを売買できるようになり、従来の証券口座を持たない利用者にも市場が開かれる形になります。

「第三者発行型」が公表延期の引き金に

その一方で、伝統的な株式市場側からは、既存制度との整合性や投資家保護を懸念する声も出ていました。

ブルームバーグによると、公表延期の背景では、上場企業の同意を得ない第三者でもトークンを発行できる「第三者発行型」が最大の論点になっています。

SECは2026年1月の声明でトークン化証券を「発行者主導型」と「第三者主導型」に分類していたものの、第三者発行型では発行体企業による配当や議決権の保証が及ばないケースも想定されており、投資家保護の空白を警戒する声が市場関係者の間で広がっていました。

こうした懸念に対し、SEC委員のヘスター・パース氏は5月21日にXで「規制案には合成証券は含まれない」と反論し、市場で広がっていた過剰な警戒感の沈静化を図りました。

それでもニューヨーク証券取引所をはじめとする伝統的な株式取引所からの反発は根強く、SECは制度案の公表を延期したうえで、市場関係者との調整を続ける方針です。

バーリー氏が問う「人間性の価値換算」

バーリー氏は、価格変動や相場操縦といった市場リスクだけでなく、社会構造そのものへの影響にも警戒感を示しています。

同氏は、金融資産のデジタル化によって人々の行動や社会的評価まで数値化される社会へ近づきつつある点を問題視しています。

SECは第三者発行型を含む投資家保護ルールの再整理を進めており、市場関係者との制度調整が続いています。

米欧で制度整備加速、議論は次段階へ

SECによるトークン化株式制度の調整が続くなか、米国では仮想通貨市場全体の規制整備も前進しており、CLARITY(クラリティ)法案が5月14日に上院銀行委員会を15対9で通過しました。

欧州ではMiCA(暗号資産市場規則)のもとでトークン化証券に関するガイドライン策定が先行しており、米国でも市場構造法と並行して規制調整が進んでいます。

トークン化株式をめぐっては、市場構造だけでなく投資家保護や制度運営のあり方を含めた論点が広がっています。

SECは現在、第三者発行型を含む投資家保護ルールの再調整を進めており、制度案の修正作業が続いています。

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Source:マイケル・バーリー氏Substack
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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