SEC「米株トークン制度」の公表延期|第三者発行を巡る論点で調整続く

この記事の要点

  • SECが米株トークン制度の公表延期、第三者発行巡り再調整
  • NYSEなど参入準備進む中、米市場の制度整備に遅れ

SEC、トークン化株式制度公表先送りへ

2026年5月23日、SEC(米証券取引委員会)が米国株に連動したトークン化資産の取引を認める「イノベーション免除制度」の公表を当初の予定から先送りしたことが明らかになりました。

米経済メディア「ブルームバーグ・ロー」は事情に詳しい関係者の話として、SECスタッフは今週中にも草案を公開する方向で準備を進めていたものの、証券取引所幹部や市場参加者から制度運用面への懸念が示され、最終調整が続けられていると報じています。

延期の中心論点として浮上しているのは、上場企業の同意や承認を得ないまま、第三者がその企業株を表すトークンを発行・流通できる仕組みをどこまで認めるかという点で、既存の証券インフラとの整合性を巡る協議が続いています。

仮想通貨取引所や発行事業者にとっては、トークン化株式を合法的に取り扱うための制度的根拠が当面整わない状態が続くことになり、米国市場参入を前提に進められてきたサービス設計や提供時期の再調整が進められています。

株式トークン制度の論点「第三者発行」に懸念集中

SECが整備する株式トークン取引の特例制度

トークン化株式は、上場株をブロックチェーン上でデジタルトークンとして流通させる仕組みで、24時間取引や少額分割投資を可能にする手段として注目が高まっています。

ただし米国の現行証券法では、株式を証券取引所以外で発行・流通させる行為は原則認められておらず、仮想通貨プラットフォームが株式トークンを扱うには、SECによる規制上の免除措置が前提となっています。

こうした法的制約を緩和する枠組みとしてSECが準備を進めてきたのが「イノベーション免除制度」であり、登録要件や情報開示義務を満たした事業者に対し、限定条件付きで株式トークンの取扱いを認める内容になると伝えられています。

発行体同意なき株式トークン発行が最大論点に

SECは2026年1月、トークン化証券の法的位置付けを整理した声明の中で、トークン化証券を「発行者主導型」と「第三者主導型」の2類型に分類しました。

今回の延期で焦点となっているのは、後者の第三者主導型に該当する株式トークンの扱いであり、上場企業の同意を得ないまま第三者が発行できる仕組みをどこまで認めるかについて、SEC内部および市場関係者との調整が続いています。

通常の株式では、配当受領権や議決権は証券会社や清算機関を通じて管理される一方、発行体が関与しない第三者型トークンは既存インフラの外側で流通する可能性があるため、権利帰属や権利行使をどのように担保するかが未解決の論点として残されています。

この点について証券取引所幹部らもSECに懸念を示しており、既存の清算・決済インフラとの接続方法や投資家保護の扱いを巡り、制度設計の修正作業が進められています。

NYSEも準備進行、制度待ち続くトークン化市場

一方、米国では2026年に入って以降もトークン化証券を巡る提携や制度準備が相次いでおり、世界最大の証券取引所NYSE(ニューヨーク証券取引所)がRWA大手セキュリタイズと覚書を締結するなど、伝統金融各社でも参入準備が本格化しています。

こうした事業者にとって、SECの免除制度はサービス設計を具体化する前提条件となっており、制度公表の延期によって、取扱銘柄や提供スキームの確定を保留する動きも出ています。

ただしSECが制度案そのものを撤回したわけではなく、スタッフレベルでは現在も制度文面の修正や審査作業が進められていると報じられています。

制度内容が正式に公開されれば、参入可能な事業者の基準や取扱銘柄の範囲、投資家要件などが明示されることになり、各社ではサービス開発や提携協議の具体化が加速する見通しです。

CLARITY法案前進、米デジタル資産規制が転換へ

こうしたトークン化証券の制度整備と並行して、米国では2026年5月14日、仮想通貨市場の規制枠組みを定めるCLARITY(クラリティ)法案が上院銀行委員会を15対9で通過し、本会議での採決に向けた審議段階へ進んでいます。

クラリティ法案は、デジタル資産をSECとCFTC(米商品先物取引委員会)のどちらが管轄するかを法的に整理する内容となっており、株式トークン化制度と並行して、米国では仮想通貨関連ルールの立法整備も進行しています。

今回のSECの延期は、トークン化証券分野でも市場参加者の意見を制度に反映する慎重姿勢を示すもので、第三者発行をどう設計に組み込むかを巡るSECの次の草案公表と、上院本会議での法案採決に関心が集まっています。

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Source:ブルームバーグ・ロー報道
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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