米CFTC、予測市場向けイベント契約の報告義務巡りノーアクション発出

予測市場向けイベント契約の報告義務巡りノーアクション

米商品先物取引委員会(CFTC)の市場監督部門および清算・リスク部門が、予測市場で利用される「イベント契約」に関する報告及び記録規則について、一部のスワップデータ報告および記録保存規則について、職員ノーアクションレターを発出したと5月13日に発表した。

なお今回のノーアクションレターは、対象となるイベント契約の適法性や法的性質について法的結論を示すものではなく、CFTC委員会自体を拘束するものでもない。

今回のノーアクションでは、完全担保型イベント契約取引に関連するデータについて、スワップデータリポジトリ(SDR)への報告義務や一部の記録保存義務に従わなかった場合でも、CFTC職員が執行措置を勧告しない方針が示された。対象は、イベント契約を上場・清算する指定契約市場(DCM)やデリバティブ清算機関(DCO)、およびそれらの参加者となる。

イベント契約とは、選挙結果やスポーツ試合、経済指標など、特定の事象の結果に基づいて取引される金融契約を指す。今回のCFTCのノーアクションは、特定の事象の発生・不発生、発生の程度、または偶発事象の結果に基づく、完全担保型の二項ペイアウト契約および類似の変動ペイアウト契約を対象としている。

CFTCによると、今回の背景には、イベント契約を上場・清算するDCMやDCOから多数の要請が寄せられていたことがあるという。CFTCは、今後も同様の要請が増えると見込んでおり、対応手続きの簡素化と市場参加者への一貫した対応を図るとしている。

またCFTCは、一部のイベント契約は、その構造や条件によって「スワップ(swap)」の定義に該当し得る一方、DCMに上場される標準化契約として、先物や先物オプションに類似する特徴も持つと説明している。今回のノーアクションでは、SDRへのスワップデータ報告ではなく、先物・オプションに近い形でCFTCへ取引データを報告することを条件に、一定の執行上の救済を与える形となる。

今回のノーアクションの対象には、過去の類似ノーアクションレターの受益者も含まれる。また、今後イベント契約を上場または清算する事業者についても、同一内容のノーアクションを申請できるという。承認された場合、申請者はレターの付属書へ追加される仕組みとなる。

現在の付属書には、カルシEX(KalshiEX)、カルシ・クリア(Kalshi Klear)、QCX(d/b/a Polymarket US)、QCクリアリング(d/b/a Polymarket Clearing)、ジェミナイ・タイタン(Gemini Titan)、ジェミナイ・オリンパス(Gemini Olympus)、ビットノミアル・エクスチェンジ(Bitnomial Exchange)、ビットノミアル・クリアリングハウス(Bitnomial Clearinghouse)など19事業者が掲載されている。

なお、米国では近年、カルシやポリマーケットなどの予測市場を巡り、州当局とCFTCの間で規制権限を巡る対立が続いている。州側が「スポーツ賭博」や「ギャンブル」に該当すると主張する一方、CFTC側は、CFTC規制下のイベント契約市場について、連邦法上のデリバティブ市場として自らの排他的管轄下にあると主張している。

CFTCは今年4月以降、アリゾナ州、コネチカット州、イリノイ州、ニューヨーク州、ウィスコンシン州を相手取り、CFTC規制下の予測市場に州の賭博規制を適用することは連邦法上の排他的管轄権を侵害するとして提訴している。またCFTCは、マサチューセッツ州最高司法裁判所や連邦控訴裁判所にも、予測市場に関する自らの管轄権を主張するアミカスブリーフを提出している。

またCFTCは今年3月、暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン、AI(人工知能)、予測市場などを対象とした「イノベーション・タスクフォース(Innovation Task Force)」を設立している。イベント契約市場を巡っては、今後も制度整備が進む可能性がある。

参考:CFTC 
画像:Reuters

関連ニュース

参照元:ニュース – あたらしい経済

コメント

タイトルとURLをコピーしました