日本国債トークン化WGが始動|Progmat主導でメガバンク3行ら参加

この記事の要点

  • Progmatが日本国債トークン化WGを設置、ステーブルコイン活用へ
  • 三菱UFJ・みずほら主要金融機関が参加、2026年内に組成開始へ

Progmat、日本国債トークン化WGを設置

デジタルアセットプラットフォームのProgmat(プログマ)は2026年5月8日、日本国債のトークン化とステーブルコインを用いたオンチェーン・レポ取引の実現を目指す「トークン化国債・オンチェーンレポ ワーキング・グループ(WG)」を設置したと発表しました。

WGでは、トークン化した日本国債(TJGB)を担保にステーブルコインを融通するオンチェーン金融市場の構築を検討しており、機関投資家向けの新たな資金調達・運用インフラとしての商用化を視野に入れています。

国内のレポ取引は、銀行預金を用いた翌日決済(T+1)が中心となっていますが、今回の構想ではTJGBを担保にした即時決済(T+0)の実現を目指しており、資金効率や担保運用効率の改善につながるとしています。

世界では米国債のトークン化やオンチェーン・レポ取引の実証が進む中、日本でも国債市場のデジタル化に向けた制度設計議論が本格化しつつあります。

WGは2026年5月のキックオフから10月の報告書公表を経て、2026年内に個別のTJGB組成プロジェクトを開始することを目標として掲げています。

2,500兆円市場における日本TJGB設計の岐路

世界国債レポ市場、米欧英に次ぐ日本10%

世界の国債レポ市場は、Financial Stability Board(FSB)の調査で2024年末時点に約16兆ドル(約2,560兆円)の残高があり、2022年比で約20%成長したと推計されています。

FSBの統計によれば、このうち日本市場は世界全体の約10%を占めており、米国・欧州ユーロ圏・英国に次ぐ規模で、機関投資家にとって規模・流動性の両面で重要な市場となっています。

国内では、非居住者(ヘッジファンド等)による円資金運用の増加を背景に、銀行・信託銀行による債券運用に加え、証券会社や短資会社を介した取引規模も拡大してきました。

米国で加速するオンチェーン・レポ実証

国内レポ市場の規模拡大が続く一方、米国では国債のトークン化とオンチェーン・レポ取引の商用化に向けた取り組みが先行しています。

2025年8月には、Digital Asset Holdings主導のコンソーシアムが、Canton Network(カントンネットワーク)上で米国債とUSDコイン(USDC)を用いたオンチェーン・レポ取引を実証しました。

2025年12月には、Depository Trust & Clearing Corporation(DTCC)が、子会社DTCで保管されている米国債をCanton Network上でトークン化する計画を公表しました。

Progmatの発表資料によれば、こうした国債トークン化を活用したオンチェーン・レポ取引の規模は約3,392億ドル(約53.2兆円)に達しています。

日本国債トークン化、3つの設計選択肢

日本国債のトークン化について、Progmatは「登録国債自体」「振替国債自体」「振替国債に紐づく権利」の3つの選択肢を提示しています。

トークン化方式 特徴
登録国債自体 日銀の国債登録簿により券面不発行、社債ST同等の効果が見込まれる
振替国債自体 社振法により券面不発行、口座管理機関を跨いだ売買・レポ取引の連携が困難
振替国債に紐づく権利 国債保有同等の経済的効果、紐づける主体の信用に依拠するが柔軟な設計が可能

このうち振替国債を直接トークン化する方式は、既存制度や市場インフラとの整合性が高い一方、口座管理機関を跨いだ売買・レポ取引との連携が難しく、オンチェーン化効果が限定的になる可能性があるとしています。

Progmatは、振替国債に紐づく権利をトークン化する方式を含め、オンチェーン化効果を最大化するスキーム整理が必要との見解を示しました。

国内のセキュリティトークン(ST)発行累計額は3,600億円に達していますが、その大半は不動産STが占めており、国債分野での本格活用はまだ初期段階にあります。

一方、国債分野では法的制約や既存インフラとの整合性が求められるため、既存市場を置き換えるだけの実需や効率性を示せるかが重要になるとしています。

メガバンク3行と大手証券、技術勢もWG参加

WGには、三菱UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行のメガバンク3行や、大和証券、ブラックロック・ジャパン、東京海上ホールディングスなど、国内外の主要金融機関が幅広く参加しています。

国内レポ市場で資金・債券の供給や仲介を担う主要プレイヤーが参加することで、機関投資家向けTJGB商用化に向けた実務レベルの検討が本格化します。

ブロックチェーン分野では、Canton Networkを運営するDigital Asset HoldingsやAva Labs(Avalanche運営)、Datachain、Secured Financeも参画しています。

米国でオンチェーン・レポ実証を主導してきたDigital Asset Holdingsの参加により、現地で蓄積された知見がTJGB設計にも活用される見通しです。

2026年内にTJGB組成プロジェクト開始へ

こうした参加組織を背景に、Progmatは2026年5月のWGキックオフ後、個別の概念実証(PoC)案件を進めながら、報告書を踏まえたTJGB組成プロジェクトを2026年内に開始することを目指しています。

一方、米国ではDTCCが、子会社DTCのトークン化サービスについて、2026年7月の限定パイロット開始と10月の本格ローンチ予定をすでに公表しており、日米で機関投資家向け国債トークン化の取り組みが並行して進んでいます。

国内のトークン化市場はこれまで個人向け不動産STが中心でしたが、機関投資家向け資金市場のオンチェーン化に向けた制度設計議論が本格化しつつあり、TJGBの制度設計や商用化スケジュールに注目が集まっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.86 円)

>>最新の仮想通貨ニュースはこちら

Source:Progmat発表
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

コメント

タイトルとURLをコピーしました