
この記事の要点
- ギャラクシーCEOが4月25日、CLARITY法案の5月可決を予測
- 同社リサーチ責任者は成立確率50%、5月中旬が審議期限と指摘
- 成立すれば仮想通貨企業の規制リスクが初めて明確化
- 期限を超えれば2026年中の成立確率が急低下
ギャラクシーCEOは楽観、リサーチ責任者は50%
ギャラクシー・デジタルのCEOマイク・ノボグラッツ氏は2026年4月25日、米国の仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」が5月に議会を通過し6月にトランプ大統領の署名を得るとの予測を示しました。
同氏はSkyBridgeキャピタルのポッドキャストで、「5月第1週に委員会に送られ、その後6月にトランプ大統領が署名する」と述べています。
一方、同社の全社リサーチ責任者アレックス・ソーン氏は可決確率を50%と示しており、「5月中旬までに委員会のマークアップが実施されなければ、2026年内の成立確率は大きく低下する」として、審議スケジュールの重要性を指摘しました。
CLARITY法案が成立すれば、SEC(米証券取引委員会)とCFTC(米商品先物取引委員会)の管轄区分が明確化されます。これにより、規制の不透明さを背景に慎重な対応を続けてきた仮想通貨企業にとって、具体的な事業判断の基準が初めて整備される見通しです。
仮想通貨企業120社超が共同書簡
CLARITY法案の現状と5月以降の課題
下院は超党派で通過、上院5論点が難航
CLARITY法案は2025年7月17日、米下院を294対134の賛成多数で通過しました。共和党は全216票を賛成に集約したうえで民主党からも78票を得る形で、強い超党派支持を示しています。
同法案は下院金融サービス委員会のフレンチ・ヒル議員が2025年5月29日に提出し、2025年6月10日の両委員会合同マークアップで財務サービス委員会(47対6)と農業委員会(32対19)をそれぞれ通過しています。
一方、上院では銀行・住宅・都市問題委員会で2026年1月から審議が本格化しました。しかし、複数の論点が依然として未解決のまま残されています。
委員長ティム・スコット議員は「ステーブルコインの利回り規定」「DeFi(分散型金融)条項」「共和党全委員票の確保」の3点を主要懸案として挙げています。
さらに、非カストディ型ソフトウェア開発者への適用範囲を定める「ブロックチェーン規制確実性法」との整合や、政府職員の仮想通貨保有に関する倫理規定、SECへの対応方針なども決着していない論点として残っています。
こうした論点を抱えるなか、トム・ティリス議員(共和党・ノースカロライナ州)が4月28日の週に予定されていたマークアップを5月以降に延期するよう求めたと報じられており、日程面でも不透明感が増しています。
マークアップは第一関門、5月中旬に期限
マークアップを通過したとしても、それは第一関門に過ぎません。通過後も60票を要する上院本会議での採決、農業委員会版との統合、下院通過版との最終調整、大統領署名といった手続きを経る必要があります。
各手続きには一定の審議期間が必要で、上院の議事日程はイラン軍事承認をめぐる議論や国土安全保障省(DHS)予算の未解決問題とも競合しており、CLARITY法案が確保できる審議時間は限られています。
シンシア・ルミス上院議員(共和党・ワイオミング州)は「今年成立しなければ市場構造法制の実現は2030年以降になりかねない」と述べており、法整備の遅れが長期化するリスクに警鐘を鳴らしています。
こうした日程制約や業界内の危機感を踏まえ、ソーン氏は「マークアップが5月中旬を過ぎれば以降の全工程を第119議会の会期末までに完了させることが現実的に難しくなる」と分析しており、“5月中旬が事実上の期限”となるとの見方を示しています。
成立で管轄確定、規制コストが低下へ
CLARITY法案は、SECとCFTCの管轄区分を明確化する枠組みです。各トークンが有価証券か商品かを判定する「成熟ブロックチェーン・テスト」を設け、ネットワークが一定の分散化要件を満たした時点でそのトークンが証券規制の対象から外れる経路を初めて法定します。
この制度が整備されることで、仮想通貨取引所・発行者・カストディ業者は自社サービスがどの規制機関の監督下に置かれるかを事前に確認したうえで事業計画を立てられる環境が整います。
ただし、こうした制度的意義がある一方で、ギャラクシー・デジタルのリサーチチームは「不確実性は単一の論点からではなく、時間的制約のもとで順番に決着させなければならない未解決事項の多さから生じている」と指摘しており、成立への道筋は楽観視できないと分析しています。
一方で、業界側は2026年4月に入っても120社超の仮想通貨関連企業が上院銀行委員会への共同書簡で即時審議を求めるなど、立法圧力は継続してかけられています。
「クラリティ法案はドル覇権の要」
MiCA施行から遅れる米国、企業の海外移転リスクも
米国内で立法圧力が続くなか、各国では仮想通貨の法的地位を確定させる立法が相次いでおり、欧州ではMiCAが施行済み、アジアでも主要国が市場構造規制の整備を進めています。
このような国際的な動向のなかで、米国の対応の遅れが企業の海外移転を招くリスクを指摘する声は業界内で根強く、CLARITY法案の成否は米国市場における仮想通貨ビジネスの制度的基盤に直結する重要な論点として位置づけられています。
予測市場Polymarket(ポリマーケット)では同法案の2026年成立確率が46%で推移しており、マークアップの実施時期とステーブルコイン利回りをめぐる銀行業界との最終合意内容に、業界関係者の関心が集まっています。
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Source:ポッドキャスト / Galaxy Digitalレポート
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用







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