仮想通貨詐欺「2万人超の被害者」特定|英米加NCA作戦で19億円凍結

この記事の要点

  • NCAが2026年4月9日に発表
  • 英米加共同作戦で約71億円の仮想通貨詐欺を特定
  • 約19億円を凍結、英米加で2万人超の被害者を特定
  • 官民連携モデルを仮想通貨詐欺対策で初の大規模実行

英米加が集結、約71億円の仮想通貨詐欺を摘発

英国国家犯罪対策庁(NCA)は2026年4月9日、主導する国際共同作戦「オペレーション・アトランティック」で、世界各地の4,500万ドル(約71.6億円)規模の仮想通貨詐欺を特定し、1,200万ドル(約19.1億円)以上を凍結、英米加で2万人以上の被害者を特定したと発表しました。

作戦が標的としたのは「承認フィッシング詐欺」と呼ばれる手口で、投資勧誘などを装い、被害者にウォレットへのアクセス権を承認させ、そのまま資産を抜き取るというものです。

英国ではこの手口だけで5万2,000ポンド(約1,100万円)以上を失った個人被害者も確認されており、1件あたりの被害額の大きさが浮き彫りとなっています。

今回の作戦では民間のアナリストチームが不正取引をリアルタイムで追跡し、犯罪者が資金を移動させる前に捜査機関が凍結に踏み切れたとNCAは説明しています。

NCAは今回の作戦について、英国政府が同年3月に公表した「詐欺戦略2026-2029」に基づく官民連携モデルを、仮想通貨詐欺対策として初めて大規模に実行した事例だと位置づけています。

1週間で約19億円凍結、承認フィッシングの実態

承認フィッシング、世界で40億ドルが消えた手口

承認フィッシング詐欺は、投資勧誘などを装って被害者自身に仮想通貨ウォレットへのアクセスを承認させ、そこで得た権限を悪用して資産を引き出す手口です。

被害者本人が承認操作を行っているため、ブロックチェーン上では取引が「正規の操作」として処理されます。発覚と追跡が遅れやすく、一度抜かれた資産を取り戻すことは難しいといいます。

不正が見えた頃にはすでに資金が動き終わっており、従来型の事後捜査では対応が追いつかないとNCAは指摘しています。

こうした性質から被害は世界規模で拡大しており、オーストラリア連邦警察(AFP)とChainalysisの共同調査では、2021年5月以降に世界全体で40億ドル以上の仮想通貨が承認フィッシングで盗まれたと報告されていました。

資金が動く前に凍結、英米加と民間の連動作戦

オペレーション・アトランティックは3月実施された1週間の集中作戦で、NCAのロンドン本部を拠点に米シークレットサービス、オンタリオ州警察、オンタリオ証券委員会が共同で主催し、シティ・オブ・ロンドン警察や英金融行動監視機構(FCA)など複数の国際執行機関も加わりました。

実務の中核は民間企業が担い、アナリストチームが不正取引の追跡と被害者の特定をリアルタイムで進めたことで、犯罪者が資金を移す前に凍結できたとNCAは説明しています。

NCA捜査担当副長官のマイルズ・ボンフィールド氏は「同作戦は、国際機関と民間産業が並走したときに何が可能になるかを示した強力な事例だ」と述べ、今回の体制を今後の詐欺対策の中核に据える姿勢を示しました。

凍結された19億円、救済と恒久化の次の一手

NCAは今回凍結した1,200万ドル(約19億円)について、一部の被害者の損失補填につながる可能性があるとしています。同庁とパートナー機関は収集した情報の分析を引き続き進め、被害者支援と犯罪捜査にあたると説明しました。

凍結にとどまらず、作戦では複数の詐欺ネットワークが世界各地で同時に摘発されており、組織的な仮想通貨詐欺の実行環境にも一定の打撃を与えました。

NCAはこうした成果を単発の摘発で終わらせず、今回の官民連携モデルを英国政府の詐欺戦略2026-2029の中核に据える考えを示しています。

同戦略は業界と法執行機関の間でデータ・知見・専門性を結び、早期介入を可能にする方針を掲げており、今回の作戦はその方針が実際に機能した最初の大型事例として扱われています。

英国が官民連携を恒久化へ

今回の作戦が最初の事例と位置づけられた背景には、仮想通貨詐欺そのものの構造的な変化があります。

承認フィッシングを含む投資詐欺は国境をまたいで被害者を狙うため、単一国の執行機関だけでは被害の全容把握も資産凍結も難しいとされてきました。

今回のオペレーション・アトランティックは、この課題に対して英米加3か国と民間企業がリアルタイムで連動するモデルの先行事例となり、NCAは同様の官民連携を今後の詐欺対策の基軸に据える方針です。

1週間で約19億円を凍結した今回の作戦モデルが、OCCの常設化によって単発の摘発にとどまらず、国際的な恒常対処へと発展していくかが注目されます。あわせて、凍結資産を被害者へ返還するための手続き整備も今後の課題です。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.19 円 / 1ポンド=213.62 円)

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Source:NCA発表
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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