
新ルールが次々発表
韓国当局が暗号資産(仮想通貨)に関する規制を相次いで打ち出している。与党による包括的な法案発議に加え、金融委員会(FSC)と金融監督院(FSS)は出金遅延システムの抜け穴封じや取引所の内部管理強化に向けた新ルールを次々と発表した。
与党「共に民主党」は、デジタル資産の発行・取引・保管・監督を横断する「デジタル資産基本法案」を4月9日に発議した。法案は現行制度が投資家保護に偏っており、発行・開示・市場構造を一体的に規律する枠組みが欠如していると指摘する。
取引・仲介・保管・アドバイザリーなど関連ビジネス全般にライセンス取得・登録・報告義務を課すほか、相場操縦や未公開情報の利用といった不公正取引行為を明示的に禁止する。法定通貨や実物資産に連動する「価値連動型デジタル資産」には特に厳格な規定が設けられ、発行者には認可取得・償還準備金の積み立て・資本要件の充足が求められる。政策調整のための「デジタル資産委員会」の設置や国家基本計画の策定も盛り込んだ。
一方、法案の背景にはウォン連動ステーブルコインの発行主体をめぐる規制当局間の対立がある。韓国銀行が「銀行51%以上出資法人のみに発行を認めるべき」と主張するのに対し、金融委員会はイノベーション阻害を懸念しており、年初から交渉が膠着していた。
またFSCは4月9日、FSSおよび業界団体DAXA(Digital Asset eXchange Alliance)と共同で、取引所の出金遅延システムにおける例外適用基準を統一する新ルールを策定したと発表した。
FSCによると、2025年6月〜9月の間に出金遅延の例外を認められたアカウントが、取引所における不正アカウント全体の59%、関連被害額の75.5%を占めていた。各取引所が独自の基準で例外を運用しており、口座開設からの期間や取引履歴といった容易に満たせる条件さえクリアすれば抜け穴として悪用できる状態だったという。
新ルールでは、取引頻度・口座履歴・入出金額などを総合的に審査したうえで例外適用の可否を判断することが義務付けられる。FSCが実施したシミュレーションでは、例外適用を受けられるユーザーの割合は新基準のもとで約1%程度に絞り込まれる見通しだ。さらに、例外適用ユーザーへの定期的な資金出所確認や不審な出金をモニタリングするシステムの整備も取引所に求める。FSCは今後も新たな迂回手法の出現を注視しながら随時ルールを見直すとしている。
また4月8日にFSCは、取引所に対して内部台帳と実際の資産保有状況を5分ごとに照合することを義務付けると発表した。大手暗号資産取引場ビッサム(Bithumb)のビットコイン(BTC)誤払い出し問題を受けた立入検査で、内部統制とリスク管理体制に不備が発覚したことへの対応だ。
1月29日には、取引所だけでなく主要株主も含めた暗号資産ライセンス審査の対象拡大が実施されており、韓国当局による取引所監視の包囲網は着実に狭まっている。
参考:発表
画像:PIXTA
関連ニュース
- 韓国ビッサム、IPOは2028年以降か=報道
- 韓国、法人の暗号資産投資解禁へ。ステーブルコインは対象外か=報道
- 韓国ビッサムに6ヶ月間の一部営業停止の可能性、AML義務違反で=報道
- 韓国、暗号資産取引所の大株主持分を20%制限へ。新規は最大34%の例外案も
- 韓国、暗号資産市場の競争促進へ。規制見直し検討
参照元:ニュース – あたらしい経済

コメント