
EDXがOCCにトラスト銀行設立申請
米暗号資産(仮想通貨)取引所EDXマーケッツ(EDX Markets)が、米通貨監督庁(OCC)に連邦信託銀行(ナショナルトラストバンク)の設立を申請したと4月2日に発表した。ただし同社の申請資料では3月25日付の申請となっている。
EDXマーケッツは2022年に設立された機関投資家向けの暗号資産取引所で、シタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)、フィデリティ・デジタル・アセッツ(Fidelity Digital Assets)、チャールズ・シュワブ(Charles Schwab)などの伝統金融プレイヤーが出資している。
今回のOCCへの申請は、EDXマーケッツホールディングスカンパニー(EDX Markets Holding Company)が主体となり、「EDXトラスト・ナショナル・アソシエーション(EDX Trust, National Association)」の設立を目的とするもの。承認されれば、同社はカストディ(資産保管)、資産管理、取引決済などのサービスを、連邦規制下の銀行として提供可能となる。
同社の申請資料によると、EDXは新設するEDXトラストにおいて、カストディおよび資産管理、取引決済機能を担わせる一方、注文マッチングなどの取引機能については既存のEDXマーケッツが引き続き提供する構成を採用する。
同社はこの構造について、従来の株式やデリバティブ市場では、ブローカー、マーケットメーカー、取引所、カストディアンといった機能が分離されている一方、暗号資産市場ではこれらが単一プラットフォームに統合されている点を指摘している。その結果として、利益相反や単一障害点といった構造的リスクが生じていると説明している。 ・そのため同社は、カストディや資産管理、決済機能をOCC認可の銀行に移管することで、より安全な規制構造の下でサービス提供を行うとしている。
またEDXトラストでは、顧客資産のカストディに加え、受託者責任に基づく資産管理サービスの提供や、取引において顧客注文に対して同時に反対売買を行うことで市場リスクを負わない「リスクレス・プリンシパルモデル」の採用、日次でのネット決済の実施が想定されている。
また、顧客の現金やステーブルコイン残高については高流動性資産での運用を行うほか、デジタル資産についてもステーキングなどの利回り創出手段への活用が想定されている。
対象顧客は、ブローカーディーラーや先物業者、登録投資顧問などの機関投資家が想定されている。
なお、こうした連邦信託銀行の申請は近年増加している。2025年6月にサークル(Circle)が信託銀行「ファースト・ナショナル・デジタル・カレンシー・バンク(First National Digital Currency Bank, N.A.)」の設立を米通貨監督庁(OCC)に申請した。承認されれば、USDC準備金の管理や機関投資家向けカストディサービスの提供を行う体制を構築するとしている。
また、同年12月には、OCCが暗号資産関連企業による連邦信託銀行の認可申請5件を条件付きで承認した。対象には、サークルおよびリップル(Ripple)による新規設立申請のほか、ビットゴー(BitGo)、フィデリティ・デジタル・アセッツ(Fidelity Digital Assets)、パクソス(Paxos)による既存信託会社からの転換申請が含まれている。
さらに今年1月には、野村ホールディングスのデジタル資産関連子会社レーザーデジタル(Laser Digital)が、OCCに連邦信託銀行設立の申請を行っている。
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参照元:ニュース – あたらしい経済


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