
WSJ記事を「虚偽」として提訴
暗号資産(仮想通貨)取引所大手のバイナンス(Binance)が、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が掲載した記事が虚偽で名誉毀損に当たるとして、同紙を提訴したと3月11日に発表した。
バイナンスによると、問題となっているのは2月23日にWSJが掲載した記事だ。同社は記事について「誤った内容が含まれており、重大な評判の毀損と事業上の影響を与えた」と主張し、訴訟を通じて事実関係を明らかにし、名誉回復を求めるとしている。
同社グローバル訴訟責任者のデュガン・ブリス(Dugan Bliss)氏は声明で、「この訴訟は誤情報から自社を守るための必要な措置だ」とコメント。「こうした報道は業界全体の信頼を損ない、ユーザー保護や健全なイノベーションを進める企業の取り組みを弱体化させる」と述べた。
なおWSJの記事は、2月23日付で公開された「Binance Fired Staff Who Flagged $1 Billion Moving to Sanctioned Iran Entities」と題するもの。記事では、2024〜2025年にかけて中国系顧客のアカウントから約17億ドル(約2,704億円)相当の暗号資産がイラン関連ネットワークへ流れ、そのうち10億ドル(約1,590億円)以上が香港の決済企業ブレスド・トラスト(Blessed Trust)のアカウントを通じて移動した可能性があると、内部調査チームが特定したと報じた。
また記事では、調査結果が経営陣に共有された後、バイナンスが調査チームを停止・解雇し、関連ネットワークはその後も活動していたと関係者や内部資料をもとに伝えられている。
これに対しバイナンスはWSJの取材に対し、調査担当者がコンプライアンス上の懸念を提起したことを理由に解雇された事実はないと説明。また調査は継続され、問題のエンティティは最終的にプラットフォームから排除されたとしている。
記事ではさらに、バイナンスが2023年に米当局との司法取引により制裁違反およびマネーロンダリング関連法違反を認め、約43億ドル(約6,840億円)の罰金を支払った経緯にも触れられている。当時、創業者のチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)はCEOを退任し、マネーロンダリング対策の不備に関連して4カ月の禁錮刑を受けた。
一方バイナンスは、自社が暗号資産業界でも最大規模のコンプライアンス体制を構築していると強調。同社によると、コンプライアンスや調査、リスク管理などに1,500人以上を配置し、これまでに数億ドル規模の投資を行っているという。
また同社は、20以上の法域で規制認可やライセンスを取得しており、アラブ首長国連邦の金融特区であるアブダビグローバルマーケット(ADGM)の規制枠組みのもとで、暗号資産取引所として初めて完全認可を取得したとも説明している。
バイナンスは今回の訴訟について「誤った報道による影響を是正するためのもの」としている。
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参照元:ニュース – あたらしい経済


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