結論
メタの動きは、リブラ時代とは異なる「制度内での統合」という形で再びステーブルコイン分野に関与する可能性を示しています。
GENIUS法成立という規制環境の変化も追い風とみられますが、正式発表はなく、実装や普及の行方は不透明です。
2026年後半に向けて、パートナー発表や規制当局の反応が重要な判断材料となりそうです。
こうした動きは、ビッグテック企業と暗号資産市場の関係性を改めて浮き彫りにしています。
ステーブルコインや関連分野に関心を持つ場合は、まず国内の取引環境を確認しておくことも一つの選択肢です。
この記事のポイント
- メタがステーブルコイン決済統合を検討と報道
- 独自発行ではなく「既存ステーブルコインの統合」戦略
- GENIUS法成立で環境が変化、市場波及の可能性も
メタの計画とは。報道内容を整理
2019年に「リブラ(Libra)」構想で世界的な議論を呼んだメタ・プラットフォームズが、再びステーブルコイン分野への関与を検討している可能性が浮上しています。
2026年2月24日、CoinDeskおよびBloombergは、メタが2026年下半期をめどにFacebook、Instagram、WhatsAppへステーブルコイン決済機能を統合する計画を検討していると報じました。
報道によれば、同社は決済インフラ企業に提案依頼書(RFP)を送付しており、新たなウォレット機能の実装も視野に入れているとされています。
一方で、メタ広報は現時点で自社のステーブルコインは存在しないとの立場を示しており、独自トークンの発行計画は否定しています。
今回の動きは、既存のドル連動型ステーブルコインを第三者インフラを通じて活用する方向とみられていますが、具体的な銘柄名については報道では明らかにされていません。
いずれにせよ、正式な発表は行われておらず、現段階では報道に基づく情報である点に留意が必要です。
リブラはなぜ頓挫したのか
メタの暗号資産挑戦は2019年のリブラ構想にさかのぼります。
当時、フェイスブックは複数通貨を裏付けとするステーブルコイン計画を発表。VisaやMastercard、PayPalなどの大手決済企業が当初参加しました。
しかし、下記が政治問題化し、米議会でマーク・ザッカーバーグCEOが証言する事態となりました。
- 通貨主権への懸念
- マネーロンダリング対策への疑問
- データプライバシー問題
プロジェクトは後に「Diem」に改称されましたが、規制当局の反発は収まらず、2022年に解散。
計画は終了しました。
この経緯は、ビッグテック企業による通貨関連事業への警戒感を象徴する出来事でした。
今回の戦略は何が違うのか
報道が示す最大の違いは、「自社発行を行わない可能性が高い」という点です。
メタは、既存のドル連動型ステーブルコインを第三者インフラ経由で統合する方向とみられています。
この戦略には主に3つの狙いがあると考えられます。
① 規制リスクの抑制
発行主体になれば、準備資産管理や情報開示義務など直接的な規制責任を負うことになります。
第三者インフラを活用することで、これらの負担を限定的にできる可能性があります。
② 政治的リスクの低減
独自通貨発行ではなく既存ステーブルコインの活用にとどめることで、通貨主権問題への反発を抑えやすくなります。
③ 開発スピードの確保
既存インフラを利用することで、ゼロから構築するよりも迅速な展開が可能になります。
有力候補:Stripe傘下Bridge
報道では、Stripe傘下のBridgeが有力候補として挙げられています。
BridgeはStripeが2024年に約11億ドルで買収したステーブルコイン決済インフラ企業です。
企業向けの発行・管理基盤を持ち、規制対応体制の整備も進めています。
StripeのCEOパトリック・コリソン氏は2025年4月からメタ取締役に就任しており、両社の関係性は強化されています。
Stripeは加盟店向けのステーブルコイン受取機能を再開しており、クロスボーダー決済分野での活用を進めています。
構造的に見ても、Bridgeがパートナーとなる可能性は一定程度あるとみられています。
GENIUS法が変えた規制環境
2019年と現在の決定的な違いは、米国における法整備の進展です。
2025年7月、米国でGENIUS法(Guiding and Establishing National Innovation for US Stablecoins Act)が成立しました。
同法は『認可主体による発行』『1対1のドル等による裏付け』『準備資産の定期開示』『AML/KYC遵守』などを規定しています。
これにより、ステーブルコインは明確な法的枠組みの中で運用される決済手段へと位置づけられました。
想定される活用シーン
報道では、クリエイター向け少額国際送金が初期ユースケースとして挙げられています。
国際送金では、手数料や着金までの時間が負担になりやすく、特に少額送金では効率性が課題とされます。
ステーブルコインを活用すれば、より迅速で低コストな決済が可能になると期待されています。
WhatsAppは月間アクティブユーザー30億人超を抱えており、送金需要の高い地域で広く利用されています。
チャット内送金が実装されれば、国際送金市場に一定の影響を与える可能性があります。
市場規模への影響
2026年2月時点で、ステーブルコイン市場規模は約3,000億ドル規模とされます(暗号資産データ集計サイトの統計ベース)。
スタンダード・チャータードは2028年に2兆ドル規模との予測を示す一方、JPモルガンはより慎重な見通しを提示しています。
メタは約35億人規模の利用基盤を持ちます。
仮に決済機能が日常的に利用されれば、市場拡大の一因となる可能性があります。
ただし、現時点でステーブルコイン決済の実利用は限定的との分析もあり、普及スピードには不確実性が残ります。
競合状況
-
X(旧Twitter)は金融機能の統合を進行中
-
Telegramは暗号資産決済機能を導入済み
-
PayPalは独自ステーブルコイン「PYUSD」を発行
-
Stripeは企業向けステーブルコイン決済を展開
こうした動きを踏まえると、メタは先行者というよりも「再参入組」に位置づけられます。
ビッグテック各社がデジタル決済領域で競争を強めるなか、ステーブルコイン市場は今後も拡大と再編が続く可能性があります。
このような環境下では、暗号資産市場全体への関心が高まりやすくなります。
実際に売買を検討する場合は、取引環境の安全性や手数料体系を確認することが重要です。
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Q&A(よくある質問)
Q1. メタは独自のステーブルコインを発行するのですか?
現時点ではその計画は確認されていません。
メタ広報は「メタのステーブルコインは存在しない」と明言しており、報道では既存のドル連動型ステーブルコインを統合する方向とされています。
Q2. なぜ今回はリブラのように反発が強まらない可能性があるのですか?
主な違いは、自社発行を行わない点と、米国で法整備(GENIUS法)が進んだ点です。
既存ステーブルコインを第三者経由で活用する形であれば、通貨主権への懸念は相対的に小さくなるとみられています。ただし規制当局の反応次第では議論が再燃する可能性もあります。
Q3. 実際に利用が広がる可能性はありますか?
メタは約35億人規模の利用基盤を持ちます。
もしチャット内送金やクリエイター報酬支払いが実装されれば、一定の利用拡大につながる可能性があります。
一方で、ステーブルコイン決済の実利用は現時点では限定的との分析もあり、普及スピードには不確実性があります。
Q4. 投資への影響はありますか?
本件はあくまで報道段階であり、価格や市場規模への影響を断定することはできません。
ステーブルコイン関連銘柄や暗号資産は価格変動リスクが高いため、投資判断は慎重に行う必要があります。
まとめ
メタのステーブルコイン再参入報道は、ビッグテックと暗号資産の関係を再び注目させました。
独自発行ではなく「統合」という形を選ぶ点は、リブラ時代からの戦略転換といえます。GENIUS法成立という規制環境の変化も背景にあります。
一方で、正式発表はなく、規制や実利用面での不確実性は依然として残ります。
2026年後半に向けて『パートナー正式発表』『規制当局の反応』『実際のローンチ有無』が今後の焦点となりそうです。
引用・出典
・引用
「現時点でメタのステーブルコインは存在しない。これは人々や企業が取引できるようにするための取り組みだ」
・ 出典
出典:Andy Stone(Meta広報)X投稿(2026年2月24日)
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言を構成するものではありません。暗号資産およびステーブルコインへの投資にはリスクが伴います。判断は自己責任で行ってください。
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