アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF保有を拡大 中東マネーの動きが示す市場の変化

 

アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF保有を拡大
中東マネーの動きが示す市場の変化

結論

アブダビの政府系投資主体によるビットコインETF保有拡大は、暗号資産市場における重要な構造変化を示しています。

今回の動きが象徴するのは、短期的な価格上昇を狙った投機ではなく、ETFという制度商品を通じて暗号資産を長期ポートフォリオに組み込む流れが進んでいる点です。

 

また、価格が調整局面にあった期間にも保有が増加したことは、市場において「押し目買い」と受け止められる見方もあります。

中東の政府系資本が暗号資産市場への関与を強めていることは、規制整備・金融インフラ・資本の流れという観点から、今後の市場成熟度を測る重要な指標の一つといえるでしょう。

こうした機関投資家の動きは、暗号資産が長期的な資産配分の対象として位置づけられつつあることを示しています。個人投資家にとっても、市場の変化を理解したうえで、安全性や使いやすさを重視した取引環境を選ぶことが重要です。

 

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アブダビ政府系の保有開示で「IBIT合計10億ドル超」と報道

SEC提出(13F)で何が分かったのか

報道によると、アブダビの政府系投資主体がブラックロックのビットコイン現物ETF 「iShares Bitcoin Trust ETF(IBIT)」を相当規模で保有していることが明らかになりました。

とくにムバダラについては、2025年12月31日時点で 12,702,323株 / 評価額 630,670,337ドルが、SECアーカイブ上の情報テーブルに記載されています。

保有内訳(2025年12月31日時点)

※円換算は 1ドル=155円の参考換算(概算)です。為替で変動します。

 

投資主体(報道・提出書類で確認できる範囲) 保有株数(IBIT) 評価額(ドル) 参考:円換算 前四半期比の見え方
ムバダラ(Mubadala) 12,702,323株 630,670,337ドル 約977億円 報道では「+46%」
ADIC(Abu Dhabi Investment Council)の子会社(報道) 約8.2M株 約4.08億ドル(報道) 約632億円 報道では「+3%」
合計(報道) 約20.9M株 10億ドル超 約1,609億円

 

重要な注意点
一部記事では、ADICの保有主体名として個別の企業名が言及されることがあります。

しかし本稿では、主要報道で明記される「ADICが子会社を通じて保有」という範囲に留め、一次情報で確定できない同定は避けています。

ムバダラ/ADICとは

ムバダラ(Mubadala)

ムバダラはアブダビを代表する政府系投資主体の一つで、幅広い資産に分散投資することで知られます(資産規模は公式発表等で継続的に開示)。

ADIC(Abu Dhabi Investment Council)

Investing.com等の報道では、ADICがムバダラに関連する組織として触れられ、子会社を通じてIBIT保有を増やしたとされています。

なぜアブダビ勢は「ビットコインをETFで」増やすのか?

ここから先は、事実(保有開示・報道)に基づきつつ、背景を制度・運用インフラの観点で整理します。

理由① 直接保有より「制度商品(ETF)」の方が運用に乗せやすい

IBITは、証券インフラ上で売買できる形にパッケージされた商品です。
ブラックロックの公式ページでは、商品目的(ビットコイン価格への連動を目指す)等が整理されています。

 

大口資金ほど『保管・会計・監査』『売買執行と流動性』『規制・コンプライアンス』の『手続きコスト』を重視し、ETFが選択肢になりやすいと考えられます(一般論)。

理由② 「下げたら撤退」ではなく、配分として積み上げる動きがある

事実として、ムバダラは2025年12月末時点の保有株数が増えたと報じられています。

そのうえで解釈として、価格が軟調な局面でもエクスポージャーが増えた点は、市場では「押し目買い」と受け止められる可能性があります(ただし投資判断の誘導は行いません)。

ドバイ/アブダビの規制面:よく混同されるポイント

中東の暗号資産規制は「UAEでひと括り」に語られがちですが、実際は管轄が分かれます。

  • アブダビ:ADGM/FSRA(アブダビの国際金融センター枠組み)
  • ドバイ(DIFC):DFSA(ドバイ国際金融センターの金融規制)

「プライバシーコイン禁止」は“UAE全国”ではない

2026年1月に話題となった「プライバシートークンの禁止」は、DIFC管轄のDFSAによる規制として報道されています。

ブラックロック「IBIT」が“標準”になりやすい条件

IBITはブラックロック(iShares)商品として提供され、商品性・リスク情報などが公式に整理されています。

ここで重要なのは「IBITが良い/悪い」ではなく、機関投資家の意思決定に乗りやすい説明可能性(制度整合性)を持つ商品設計である点です。

個人投資家への示唆:政府系の動きをどう“翻訳”するか

政府系投資主体の動きを、そのまま個人の売買判断に直結させるのは危険です。
一方で「読み替え可能な学び」はあります。

示唆① “ニュース”ではなく“配分の変化”として見る

今回のポイントは、短期の価格予想よりも「ETFという制度商品でエクスポージャーが積み上がった」という事実にあります。

示唆② 円換算の大きさより、ルールと執行インフラを重視する

どの枠組み(ADGM/FSRA、DIFC/DFSA 等)で、どこまで許容されるのか。
この“制度の地図”を押さえることが、短期の値動き以上に長期の判断材料になります。

示唆③ 「買うか」より先に、リスクの置き方を決める

暗号資産は変動が大きい資産です。投資する場合は、生活防衛資金を除いた範囲で、許容できる損失幅を先に決めるのが現実的です(本記事は投資助言ではありません)。

リスクと注意点

暗号資産および関連商品への投資を検討する際は、次のリスクを理解しておくことが重要です。

  • 価格変動リスク:短期間で大きく上下する可能性があります。

  • 規制リスク:国や管轄によってルールが異なり、今後変更される可能性があります。

  • 情報の限界:13Fは保有状況のスナップショットであり、取引タイミングや全資産構成を示すものではありません。

こうしたリスクを踏まえたうえで、安心して利用できる取引環境を選ぶことが重要です。

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Q&A

Q1. なぜ政府系ファンドはビットコインを「直接」ではなくETFで保有するのですか?

A. ETFは証券市場の既存インフラ上で売買でき、保管・監査・会計・コンプライアンス対応が容易になります。大規模資金を運用する機関投資家にとって、制度面の整合性や運用の効率性が確保される点が重要とされています。

Q2. 政府系ファンドの買い増しは、ビットコイン価格の上昇を意味しますか?

A. 必ずしも価格上昇を保証するものではありません。ただし、長期ポートフォリオの一部として組み入れが進んでいる点は、市場の成熟や資産クラスとしての認知拡大を示す動きとして注目されています。

Q3. 個人投資家はこうした機関投資家の動きをどう参考にすべきですか?

A. 機関投資家の行動をそのまま売買判断に結び付けるのではなく、「長期的な資産配分の対象として扱われている」という市場の変化を理解することが重要です。投資する場合は、リスク許容度や資産配分を踏まえて慎重に判断する必要があります。

まとめ

ムバダラの13F情報テーブルでは、2025年12月31日時点でのIBIT保有(12,702,323株・約6.3億ドル)が確認できます。

さらに報道では、ADICが子会社を通じた保有を含め、合計で10億ドル超の規模に達したとされています。

この動きが象徴するのは、暗号資産がETFという制度商品を通じて、機関投資の文脈に入り続けているという潮流です。

参考情報(一次・公式・主要報道)

  • 米SEC 13F(ムバダラ:IBIT 12,702,323株/630,670,337ドル) (SEC)
  • Investing.com(ムバダラ+46%、ADIC子会社+3%、合計10億ドル超) (Investing.com)
  • Yahoo Finance(同内容の配信) (ヤフーファイナンス)
  • IBIT公式(商品目的など) (BlackRock)
  • DFSA(DIFC内の暗号資産規制・2026/1/12施行の更新) (DFSA)
  • ADGM(デジタル資産枠組み) (ADGM)

免責事項:本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。暗号資産および関連商品の取引には価格変動等のリスクがあり、元本割れの可能性があります。最終判断はご自身の責任で行ってください。

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