ベセント米財務長官「エルサルバドルに移転すべき」仮想通貨規制拒否に言及

この記事の要点

  • 2026年2月6日、米財務長官が上院公聴会で仮想通貨業界に規制順守を要求
  • CLARITY法案を拒否する事業者は国外移転も検討すべきと発言
  • 米国で仮想通貨事業を行うには統一的な規制対応が前提に
  • ステーブルコイン利息を巡る対立が法案審議停滞の要因
  • 法案成立の可否が米国仮想通貨市場の制度設計を左右

米財務長官、仮想通貨業界に規制順守を要求

スコット・ベセント米財務長官は2026年2月6日、米上院銀行委員会の公聴会で、仮想通貨業界に対し「規制枠組みを拒否する場合にはエルサルバドルのような規制の緩い国への移転を検討すべきだ」と発言しました。

この発言は、米議会で審議が続く包括的仮想通貨規制法案「CLARITY法案」を巡る議論の中で行われ、ベセント長官は、規制順守を前提とすれば成長と金融の安定は両立できるとして、業界側に規制対応を求めました。

現在、同法案の審議では、ステーブルコインに利息を付与できるかどうかを巡り、仮想通貨業界と銀行業界の間で意見の隔たりが生じており、CLARITY法案の審議が停滞する一因となっています。

こうした対立が続く中、ベセント長官は公聴会で仮想通貨業界に対して規制への対応を求める姿勢を示しました。

公聴会で示されたベセント長官の仮想通貨規制方針

仮想通貨と銀行サービスの将来的関係を巡る認識

ベセント長官は、2月6日に開催された米上院銀行委員会の公聴会で、仮想通貨規制を巡る考えを示しました。

共和党のシンシア・ルミス上院議員(ワイオミング州選出)が「伝統的な銀行と仮想通貨企業が同じ金融サービスを提供する時代が来るか」と質問したのに対し、ベセント長官は「いずれ自然にそうなる」との見方を示しました。

さらに同長官は、小規模な地域銀行をデジタル資産革命に参加させる方策についても議論が進んでいると述べました。

CLARITY法案を巡るベセント長官の基本姿勢

ベセント長官は、現在米議会で審議中の包括的な仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」に言及し、この法案は成立させなければならないと主張しました。

その上で、明確なルールがなければ業界の発展は望めないとの立場を示しています。

ベセント長官は、規制を拒む業界関係者を”ニヒリスト(虚無主義者)集団”と表現し、「極めて良質な規制である本法案なしには、国内で仮想通貨規制を進めることは不可能だ」と述べました。

さらにベセント長官は「この法案を必要としないと考える者は皆エルサルバドルに移るべきだ」と強調し、米国に包括的な規制枠組みが欠如した状態で業界が存続できるという考え自体は「幻想に過ぎない」との認識を示しました。

ベセント長官は「政府の監督と仮想通貨の自由のバランスを取る必要がある」とも述べ、米国政府の管理下で健全な形でイノベーションを進めるべきだとの考えを示しています。

CLARITY法案停滞の要因となるリワード問題

ベセント長官が成立を訴えるCLARITY法案は、仮想通貨を既存の証券法・商品取引法の枠組みに適合させ、市場構造を明確化することを目的としています。

しかし現在、この法案はステーブルコインの利息(リワード)提供を巡る条項を巡って政界や業界内で意見が対立し、上院銀行委員会で審議が停滞しています。

この争点について、ベセント長官は銀行業界側の懸念に同調し、ステーブルコイン発行体による高利回り提供が銀行預金の流出を招き、金融システムを不安定化させかねないとの立場を示しました。

同氏は、銀行が地域社会に融資するには預金の安定が不可欠だと述べ、「預金のボラティリティ(流動化)を引き起こす行為は極めて望ましくない」とも述べています。

法外な利回りで預金を誘引するステーブルコイン商品は健全な金融環境にそぐわないとの見解を示しました。

規制内容を巡る業界と政府の隔たり

こうしたベセント長官の姿勢の背景には、同法案を巡る業界側の反発があります。

米大手取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは1月、この市場構造法案の草案に「現状のままでは問題が多く支持できない」として、支持撤回に踏み切りました。

アームストロング氏は自身のX(旧Twitter)で「現行制度より市場環境を悪化させる法案であれば、成立しない方が望ましい」と述べています。

同氏は、内容次第では法規制そのものを拒否する姿勢も示しており、この支持撤回は、上院銀行委員会による法案採決直前のタイミングで行われ、法案審議の進展に影響を与えました。

米国の仮想通貨規制立法、合意形成の行方が焦点に

仮想通貨市場の規制法案を巡っては、1月30日に上院農業委員会が関連法案を12対11の票差で可決し、本会議に送付されました。

一方、上院銀行委員会では審議が難航しており、2月5日の公聴会で親仮想通貨派のマーク・ワーナー上院議員(民主)は「まるで仮想通貨の地獄にいる気分だ」と述べています。

同議員は、数日以内に規制枠組み策定に向けた会合が再度開かれ、ベセント長官も招かれる見通しだと明らかにしました。

また、法案起草者のアンジェラ・オルソブルックス上院議員(民主)は、ステーブルコイン利息問題を含めた超党派の妥協案について、革新性と地域銀行保護の両立が可能との認識を示しました。

ホワイトハウスも銀行業界と仮想通貨企業に対し、ステーブルコイン利息を巡る対立解消の期限を2月末までに設定したと伝えられています。

同月内に関係者間で合意が成立すればCLARITY法案成立に道筋が立つ一方、決裂した場合には包括的な規制立法が棚上げとなり、当局は個別の法執行に頼らざるを得ないとの見方が示されています。

規制当局と業界が合意点を見い出せるかが、今後の米国の仮想通貨規制立法の行方を左右する焦点となります。

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Source:米上院銀行委員会公聴会
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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