
「停滞は業界に前向き」アナリスト評価
著名な仮想通貨アナリストであるミカエル・ヴァン・デ・ポッペ氏は2026年1月18日、米国議会で審議が進められていた仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」が事実上停滞したことについて、業界にとって前向きに受け止められる可能性があるとの見解を示しました。
同法案は一時、可決が目前に迫っているとみられていましたが、米大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)のCEOであるブライアン・アームストロング氏が現行案への支持を撤回したことを受け、議会内の議論は転機を迎えました。
ポッペ氏は自身のYouTube動画内で「CLARITY法案が300ページを超える大規模な立法案であり、全文公開直後から業界関係者の間で複数の懸念が指摘されていた」と説明しています。
特に、ユーザー保護を掲げながらも、分散型金融(DeFi)や新興の金融技術を既存の金融システムへ強く組み込む構造となっている点が、業界側から問題視されていたといいます。
同氏はこうした背景を踏まえ、法案が現段階で成立に至らなかったことについて、市場への影響は限定的にとどまり、結果として拙速な規制導入を回避できたとの認識を示しました。
CLARITY法案の支持を撤回
CLARITY法案停滞が示す米国市場構造論の争点
法案全文公開を契機に浮上した業界の懸念
ポッペ氏によると、CLARITY法案は米国上院での採決が視野に入っていたものの、内容公開後に業界内外から批判が相次いだといいます。
同氏は、業界関係者の見解として、同法案が「ユーザー保護」を名目としながら、結果的には仮想通貨を国家管理の枠組みに組み込む方向性を強めかねないと指摘しています。
こうした流れの中で、議論の転機となったのが、ブライアン・アームストロング氏による公の発言でした。
同氏は、トークン化された株式の取り扱いに対する制限、分散型金融に対する過度な規制、さらには利回りを生むステーブルコインに影響を及ぼす可能性のある修正案が盛り込まれている点を問題視したとされています。
DeFi制限と規制当局権限を巡る論点
ポッペ氏は、これらの要素がそのまま制度として成立した場合、DeFiを通じた個人の金融活動に対し、政府や規制当局が広範に関与する構造が生まれる可能性があると指摘しています。
また、CFTC(米商品先物取引委員会)の権限が相対的に低下し、SEC(米証券取引委員会)に権限が集中する点についても、技術革新を阻害する要因になり得るとの認識を示しています。
さらに同氏は、規制論点の一環として、銀行業界が利回り付きステーブルコインを警戒している背景についても言及しました。
金利が低下する局面では、年率6%から7%程度の利回りを提示するDeFiサービスが、従来の銀行預金と比較して競争力を持つ可能性があるためだと説明しています。
審議延期が示す制度再検討の方向性
これらの状況を踏まえ、ポッペ氏は「複数の課題を内包した法案を現行の形で成立させるのではなく、業界の意見を反映させた形で制度設計を見直すことが望ましい」との見解を示しました。
実際、米上院銀行委員会は当該法案に関する議論を延期しており、今後は非公開の協議を含めた調整が継続される見通しだとしています。
また、2024年末に欧州で導入されたMiCA規制が、複数回の修正と調整を経て成立した経緯を引き合いに出し、米国でも同様のプロセスをたどる可能性があるとの見方を示しました。
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Source:ミカエル・ヴァン・デ・ポッペ氏YouTube
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用






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