
暗号資産の脱税・申告漏れに終止符
英国で、経済協力開発機構(OECD)が策定した暗号資産(仮想通貨)の国際報告ルール「Crypto-Asset Reporting Framework(CARF)」に基づく新制度が1月1日より始動した。狙いは、暗号資産を使った脱税・申告漏れの可視化だ。
制度の要点は、取引所などの暗号資産サービス提供者が、ユーザーの取引情報と税務居住地などを年次で収集し、英国税務当局(HM Revenue & Customs:HMRC)へ提出すること。これまで自己申告頼みであった暗号資産課税に、第三者データが入ることになる。
OECDによると、CARFの国際情報交換に向けてコミットしている法域は75法域で、そのうち英国を含む48法域が、最初のグループとして2027年から情報交換を開始する見込みだ。
一方で、香港・シンガポール・スイス・UAEなどは2028年に初回交換、米国は2029年に初回交換と、主要ハブは段階的に参加していく格好となる。
投資家側の実務で重要になるのは、HMRCが課税対象とする処分(disposal)の範囲と見られてる。英国では暗号資産を売るだけでなく、別の暗号資産へ交換したり、暗号資産での商品・サービスの支払い、他者への贈与(配偶者らへの贈与を除く)などの行為も処分に含まれ、利益が出ていれば課税対象になり得る状況がある。
税制は複雑だが、原則として暗号資産の利益はキャピタルゲイン課税となり、年間の非課税枠(Annual Exempt Amount)は3,000ポンドだ。一方で、売買頻度や態様によっては投資ではなく取引とみなされ、所得税・社会保険料の対象になるケースもあるという。
また、「フィナンシャル・タイムズ(FT)」の報道によれば、HMRCは既に取り締まりを強めており、暗号資産の申告漏れが疑われる個人への通知は2024-25課税年度には6万5,000通へと、前年の2万7,700通から3倍近くに増加したという。
さらに2024-25課税年度の自己申告による確定申告制度では、暗号資産の損益を申告するための新たな記入欄が設けられた。
また、過去分の申告漏れについては、暗号資産の未払い税を自主的に申告できる仕組みも案内されている。
参考:FT・HM Revenue & Customs発表1・HM Revenue & Customs発表2
画像:PIXTA
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参照元:ニュース – あたらしい経済


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