ソラナDEXジュピター、オンチェーン金融基盤強化に向け複数プロダクトをアップグレード

ジュピターが既存プロダクト群の再設計と機能強化を公開

ソラナ(Solana)上でDEX(分散型取引所)アグリゲーターを展開するジュピター(Jupiter)が、オンチェーン金融の課題に対応するための一連のプロダクトアップグレードを12月12日に発表した。これらの発表は、同日開催された開発者イベント「ブレイクポイント(Breakpoint)」にあわせて公開され、公式Xで伝えられている。

ジュピターは、オンチェーン金融が本格的に利用される段階に進むためには、流動性、データの信頼性、開発者向け基盤、取引体験など、複数の基盤レイヤーに課題が残っていると、公式Xアカウントで説明している。今回のアップグレードは、こうした課題を整理した上で、既存プロダクトを中心に横断的な強化を行うものだとしている。

同プロジェクトは、こうした課題に対し既存プロダクトを横断的に強化する形で複数のアップグレードを実施したという。発表された内容はいずれも新規事業ではなく、すでにエコシステムを支えてきた基盤を再設計する取り組みだとしている。

まず金融商品としての成立性を高める取り組みとして、レンディングプロダクト「ジュピター・レンド(Jupiter Lend)」がベータ版を終了し、オープンソース化された。同プロダクトでは、リスクの高いポジションを単一トランザクションで清算できる設計を導入したとされる。これにより利回りや清算条件の安定性向上を目指すとされている。なおジュピターは、同プロダクトを含む監査レポートの一覧も公開している。

またジュピターは、エセナ(Ethena)と共同で開発したドル建てステーブルコイン「JupUSD」を来週後半(12月中旬)にローンチ予定だとしている。JupUSDは、スワップ、パーペチュアル取引、レンディングなど、ジュピターの主要プロダクト群に統合される設計で、オンチェーン上での資本循環を促す役割を担うという。

信頼できる情報基盤の整備としては、既存のトークン検証システムを拡張した「VRFD」が発表された。ソラナ上では日次で多数のトークンが発行されている中、VRFDはトークン情報やメタデータを含む信頼性の高いデータレイヤーとして、ウォレットやAPIを通じて提供されるとしている。

さらに開発者やトレーダー向けの環境整備として、API利用状況やログを可視化する開発者プラットフォームや、複数資産を統合的に取引できるプロ向け取引画面「ターミナル」の刷新も行われた。加えて、取引行動と報酬を結びつけるリワードハブもアップグレードされた。

ジュピターは今回の発表について、個別機能の強化を目的としたものではなく、オンチェーン金融を「実際に使われる金融インフラ」にするための包括的な基盤整備だと位置付けている。同プロジェクトは今後、各アップグレードの詳細を順次公開するとしている。

 画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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