ポリゴンPoS、「Madhugiri」ハードフォーク実装。スループット33%向上へ

ポリゴンPoSが「Madhugiri」ハードフォークを実装

ブロックチェーンネットワーク「ポリゴン(Polygon)」が、ネットワークのスループットを約33%向上させるプロトコルアップグレード「マドゥグリハードフォーク(Madhugiri Hardfork)」を12月9日に実装した。同アップグレードは協定世界時(UTC)の10:00頃、ブロック番号80084800にて「ポリゴンPoS(Polygon PoS)」のメインネットで有効化された。

同アップグレードはネットワークのスループットを33%向上させるだけでなく、ブロックのコンセンサス時間を1秒に短縮する。これによりブロックは準備が整い次第1秒で発行可能になり、従来の2秒間待つ必要がなくなるという。またハードフォークなしで将来的なブロック時間の調整が可能になり、ノードの同期がより高速で信頼性が高くなることで安定性も向上するとのことだ。

ポリゴンのコア開発者クリシャン・シャー(Krishang Shah)氏によると、今回のアップデートには3つのイーサリアム改善提案(Ethereum Improvement Proposal:EIP)である「EIP-7823」、「EIP-7825」、「EIP-7883」のサポートが含まれている。これらのEIPは、重い数学的演算をより効率的かつ安全にするために、消費するガスの量を制限するものだ。また単一のトランザクションが過剰な計算能力を消費することを防ぎ、ネットワークをよりスムーズかつ予測可能に運用することを可能にするという。

同アップグレードでは、イーサリアムとポリゴン間のブリッジトラフィック用の新しいトランザクションタイプが導入され、将来のアップグレードのための組み込み柔軟性機能も追加されている。ポリゴンは以前、このアップデートによりスループットの向上が「スイッチを切り替えるのと同じくらい簡単」になると述べていた。なお同アップグレードには、ほかにも「PIP-75」および「PIP-74」といった独自の提案が含まれている。「PIP-75」はコンセンサス時間を1秒に変更する提案であり、「PIP-74」はブロック本体にステートシンクトランザクションを正規に含めるという提案だ。

なおポリゴンは7月10日に「Heimdall 2.0」を展開しており、ポリゴン財団(Polygon Foundation)のCEOサンディープ・ナイルワル(Sandeep Nailwal)氏は、これをネットワーク立ち上げ以来「最も技術的に複雑な」ハードフォークと呼んでいた。このアップデートによりトランザクションのファイナリティ時間が1〜2分から約5秒に短縮されたという。しかし9月10日には、バグが原因でファイナリティが10〜15分遅延する重大な障害が発生し、バリデーターの同期やRPCサービス、サードパーティーツールに影響を与えた。その後9月11日にハードフォークを通じてコンセンサスとファイナリティ機能が復旧したことが発表されている。

画像:iStocks/spainter_vfx

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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