パクソス、MPCウォレットプロバイダー「Fordefi」買収。カストディ基盤を強化へ

パクソスがFordefi買収を発表

「PayPal USD(PYUSD)」や「Pax Dollar(USDP)」など複数のステーブルコインを発行するパクソス(Paxos)が、機関投資家向けのカストディおよびウォレット技術プロバイダーであるフォーデフィ(Fordefi)の買収を11月25日に発表した。なお買収額などの取引条件は公開されていない。

フォーデフィは、中央集権型・分散型の双方に対応する柔軟なマルチパーティ計算(MPC)ウォレットインフラを提供するフィナンシャルテクノロジー企業だ。2021年に設立されニューヨークとテルアビブに拠点を持つ。同社は機関投資家向けのMPCウォレットプラットフォームとして現在約300の機関にサービスを提供している。

パクソスによると、今回の買収は企業が求める安全性の高いモジュール型カストディソリューションを提供する目的があるという。パクソスはフォーデフィが持つMPCを用いたウォレットアーキテクチャやポリシーエンジン、分散型金融(DeFi)との統合機能を自社の基盤に組み込んでいくとのこと。

これによりユーザー企業は、単一のプラットフォーム上でステーブルコインの発行、資産のトークン化、複雑な決済フローの構築を行いながら、高いセキュリティとコンプライアンスを維持できるようになるという。

発表によると、買収後もフォーデフィは当面プロダクトを独立して運営し顧客は従来どおりサービスを利用できるとのこと。今後パクソスは、フォーデフィの技術およびオペレーションを段階的に自社インフラへ統合していくとしている。

近年大手金融機関やフィンテック企業がデジタルサービスの拡大を目指す中で、暗号資産ウォレットプロバイダーの買収事例もみられる。決済大手の米ストライプ(Stripe)は今年6月、暗号資産ウォレットインフラを提供するプリヴィー(Privy)の買収を発表した。プリヴィーは、1つのAPIでウォレット作成や署名、オンチェーン統合を抽象化し、アプリ内にウォレット機能を組み込めるインフラを提供している。

また米リップル(Ripple)も今年11月にデジタル資産ウォレット企業パリセイド(Palisade)の買収を発表している。この買収により、同社が提供する「リップル・カストディ(Ripple Custody)」の機能が拡張され、暗号資産、ステーブルコイン、実世界資産(RWA)を安全に保管する基盤として対応するとのことだ。

参考:パクソス
画像:iStocks/Myvector

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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