米テキサス州が戦略的ビットコイン準備金に初の資金配分、ブラックロックのETF「IBIT」通じて

初の州ビットコイン投資

米テキサス州が、米国の州として初となるビットコイン(BTC)の取得を始めたとテキサス・ブロックチェーン評議会のリー・ブラッチャー(Lee Bratcher)会長が、11月20日にXにて報告している。

ブラッチャー会長によればテキサス州のビットコイン取得は、米大手資産運用大手ブラックロック(BlackRock)組成のビットコイン現物ETF(上場投資信託)「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」の購入を通じて行われた。同州は最終的にビットコインを自己管理する予定だが、そのRFP(提案依頼書)プロセスが進行中であるため、今回の初期配分はETFであるIBITを通じて行われたという。

IBITの購入額は500万ドル(約7.7億円)。1BTCあたり約87,000ドル(約1,357万円)の基準価格で購入が実施されたという。なお州財務当局からの公式な発表は現状では出ていない。

テキサス州では、2025年6月にSB21法(テキサス戦略的ビットコイン準備基金法)が成立。同法案に基づいて「テキサス戦略的ビットコイン準備金(Texas Strategic Bitcoin Reserve)」が設立された。

SB21では、州が最大1,000万ドル(約15.5億円)規模のビットコイン関連資産を保有できる枠組みが整備されており、今回報告されたIBIT購入は、その第一弾にあたるとみられ、初回はその半額がIBITへの投資に充てられた。

SB21の法案提出者であるチャールズ・シュワートナー(Charles Schwertner)上院議員は、ビットコインについて「過去10年間で最もパフォーマンスの高い資産を評価する選択肢を州が持つべきだ」と述べており、BTCを長期資産の一つとして位置づける方針を明確にしている。

IBITを巡っては、機関投資家の保有も急拡大している。

米ハーバード大学は11月14日時点でIBITを6,813,612株保有しており、その評価額は約4億4,288万ドル(約705億円)に達する。

大学基金によるビットコインETF投資は少しずつ拡大しており、報道によればブラウン大学もIBITを約1,380万ドル相当保有しているという。現物ETFは規制された証券として保有できるため、大学や年金などの機関投資家がアクセスしやすい点が背景にあるとみられる。

また、米中西部のウィスコンシン州投資委員会は、IBITの保有割合を昨年第4四半期に2倍超の600万口に引き上げている。

アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系ファンドのムバダラ・インベストメント(Mubadala Investment)は2024年第4四半期に初めてビットコインETFの保有を報告し、4億3,690万ドル(約663億円)相当のIBITを820万口取得した。

また、英投資銀行のバークレイズ(Barclays)が1億3,120万ドル(約204.6億円)相当のIBITを約247万口保有していることや、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)は12億7,000万ドル(約1,929億円)相当のIBITを2,407万口保有していることが報告されている。

ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏は、「政府系ファンド、ハーバード、そして米国の州にまで保有されるETFは極めて異例」と指摘しており、IBITの影響力は急速に拡大しているとみられる。

参考:Texas Strategic Bitcoin ReserveSB21
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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