スイ財団、初の独自ステーブルコイン「USDsui」発行へ。ブリッジの基盤で

スイ財団「USDsui」を年内提供へ

レイヤー1ブロックチェーン「スイ(Sui)」を支援するスイ財団(Sui Foundation)が、スイエコシステム向けの独自ステーブルコイン「USDsui」を発行する計画を11月12日に発表した。同ステーブルコインは年内の提供開始を予定しているという。

USDsuiはスイネットワークのネイティブステーブルコインとして設計されており、スイのウォレット、分散型金融(DeFi)プロトコル、各種アプリケーションで利用できるようになる。これによりオンチェーンでの流動性供給、越境決済、個人間送金、決済利用など幅広い用途での活用が想定されている。

またスイ上で開発するプロジェクト向けに最適化されており、スイのオーダーブック型流動性レイヤー「ディープブック(DeepBook)」や、スイで構築されるアプリケーションでも利用可能になるという。

同ステーブルコインは、米決済大手ストライプ(Stripe)傘下のブリッジ(Bridge)が提供するステーブルコイン発行基盤「オープンイシューアンス(Open Issuance)」を利用して発行される。ブリッジはストライプが2025年2月に買収したステーブルコイン基盤企業である。

ブリッジの基盤を用いたステーブルコインの例として、ファントム(Phantom)の「CASH」、メタマスク(MetaMask)の「mUSD」、ハイパーリキッド(Hyperliquid)の「USDh」など複数の発行計画が発表されている。今回計画されるスイのUSDsuiを含め、ブリッジを通じて発行されるステーブルコイン同士は相互運用が可能になるという。

スイではこれまで、サークル(Circle)が発行するUSDCなど外部のステーブルコインが利用されてきたが、独自で発行されるネイティブステーブルコインは今回のUSDsuiが初めてとなる。

またスイ財団から支援を受けるスイグループ(SUIG)は今年10月、ステーブルコイン「suiUSDe」と「USDi」の発行計画を公表している。これらはUSDsuiとは異なる設計のステーブルコインであり、USDsuiと併せてエコシステムにおける基盤的なとして位置付けられる形になる。

スイ財団によると、USDsuiは今後施行予定の米国ステーブルコイン規制法案「ジーニアス法(GENIUS Act)」への準拠を想定して設計される。またUSDsuiに関連してスイにもたらされる収益は、成長支援プログラムや投資施策などを通じてエコシステムへ再分配される方針だという。

スイネットワークではすでにステーブルコインの送金需要が増加しており、今年8月〜9月の2か月間で合計4,120億ドル(約61兆円)相当のステーブルコイン移転が処理されたという。

スイ財団はこうした需要拡大を踏まえ、ネイティブステーブルコインの提供により開発者・利用者双方に統一的な決済手段を提供し、規制対応や流動性確保の観点からも利便性を高める狙いがあると説明している。

参考:スイ
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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