イーサリアムのバリデーター待機列が拡大、一時150万ETHがステーキング開始待ち

イーサリアムのバリデーター待機列が拡大

イーサリアム(Ethereum)のバリデーター待機列が拡大を続けており、ステーキングシステムへの参入を待っている資産が一時、約150万ETH(イーサ)に到達した。一方で245万ETHがバリデーターの退出待機列に存在している。

なお記事執筆時点(11/10 19:10)ではステーキング参加の待機列は1,326,148ETH、退出待機は2,181,804ETHとなっている。

この待機列システムは、ネットワークの安定性を維持するためのレート制限メカニズムとして機能している。イーサリアムは、エポック(約6.4分)ごとに固定レートでバリデーターの有効化と退出を処理しており、大量の参入や退出によるネットワークのセキュリティモデルへの突然の衝撃を防いでいるという。バリデーターは順番を待つ必要があり、現在の参入待機時間はバックログの状況に応じて数日間に及ぶとのこと。退出についても同様の遅延が発生するという。

イーサリアムネットワークは現在、重要な経済活動の主要な決済レイヤーとしての地位を確立している。ステーブルコインの取引量の大部分がイーサリアム上でネイティブに発生しており、アーベ(Aave)のような主要なDeFi(分散型金融)プロトコルは、融資活動のかなりの部分をメインネット上で行っているという。

イーサリアムに対する機関投資家の信頼が高まるにつれ、より多くの参加者がネットワークの安全性確保に貢献しながら利回りを得るために、長期間にわたって資本をコミットする意欲を示しているとのこと。また増加する参入待機列は、イーサリアムが支配的なスマートコントラクトプラットフォームであり続けるというコミュニティ期待の高まりを示唆しているともいえる。

ネイティブステーキングは、リキッドステーキングデリバティブ(LSD)などの柔軟性の利点がある選択肢が一般的であるにもかかわらず、意図的に選択されている。ライド(Lido)やロケットプール(Rocket Pool)のようなプロトコルは、ステーキングに参加しながらもstETHやrETHなどのトークンを通じて即座に流動性を提供している。これによりステーカーが報酬を得ながら他の場所で資本を再配置できる。

しかしネイティブステーキングは、自身のインフラストラクチャを直接管理したいバリデーターにとっては魅力的だ。これによりスマートコントラクトベースのリキッドステーキングプロトコルに内在するリスクを回避し、カウンターパーティへの依存を排除できる。しかし32ETHという最低要件と技術的なオーバーヘッドは参入障壁となるが、真剣で長期的なネットワーク参加者から選択されている。

なおネイティブステーキングで資本をロックする決定には、引き出しの遅延、バリデーターの不正行為に対するスラッシングペナルティへの露出、ステーキングメカニズム自体のスマートコントラクトリスクを受け入れることが含まれる。これらのトレードオフは、より長い時間参加する参加者をフィルタリングし、最終的にイーサリアムの将来に対するより期待を持つ参加者を選別する力として働いている。

参考:Ethereum Validator Queue
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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