
JPYCがフィリピン進出、ステーブルコイン決済基盤を構築へ
JPYC株式会社は2025年10月28日、通信インフラ事業を展開するIPSおよび同社のフィリピン子会社InfiniVANと「ステーブルコイン事業に関する業務提携の基本合意書(MOU)」を締結したと発表しました。
発表によると、フィリピンペソ建てステーブルコインの発行検討と、日本円建てステーブルコイン「JPYC」のフィリピン国内流通の共同検討を進め、送金手数料の軽減や金融包摂の推進を図るとしています。
こうした取り組みを通じて、通信インフラ事業を担うIPS/InfiniVANのネットワーク基盤とJPYCのステーブルコイン事業を組み合わせ、両社の強みを生かした相互運用型の決済基盤構築を目指す方針です。
円建てステーブルコイン「JPYC」リリース
JPYC、フィリピン通信企業とデジタル送金基盤構築へ
通信企業との協業でブロックチェーン活用拡大へ
今回の基本合意は、フィリピンで通信インフラを展開するInfiniVAN(IPSグループ)と連携し、同国でのデジタル送金・決済基盤の構築を目指す取り組みの一環です。
InfiniVANは近年、フィリピン政府機関(DICT)とのMOUを通じて国内の広域ネットワーク整備に関与しており、通信基盤の強化を進めています。
IPSは、フィリピン市場で自社系回線による法人向け接続サービスや海底ケーブル網の整備を手がけており、同地域で通信インフラ運用の実績を積み重ねてきました。
フィリピンの海外送金市場とステーブルコインの可能性
背景として、フィリピンは海外就労者からの送金が経済に占める比重が高く、同国中央銀行(BSP)によれば、2024年の「現金」ベース送金額は344億9,000万ドル(約5.2兆円)で過去最高となりました。
こうした市場環境は、送金コスト削減や着金スピード向上を実現する手段として、ステーブルコイン活用の機運を高める要因となっています。
JPYCが描く日比間ステーブルコイン連携構想
一方、日本国内では、10月27日から法規制の枠組みに基づく円建てステーブルコイン「JPYC」の発行を開始しており、国際送金や越境決済への活用を見据えた流通拡大を進めています。
今回のMOUで示された「フィリピンペソ建てステーブルコインの検討」と「JPYCの現地流通の共同検討」は、通信インフラ事業者のネットワークを活用し、送金・決済コストの削減や利便性向上を狙う取り組みとして位置づけられています。
JPYC社は、IPS/InfiniVANとの連携により、規制順守と高信頼の通信基盤、ブロックチェーンの透明性を融合させ、国内外で相互運用可能な金融インフラの実現を目指すとしています。
今後は、フィリピン当局との制度面での調整や技術設計を含む具体化プロセスを進めながら、ペソ建てステーブルコインの設計とJPYCの現地流通に向けた検討を共同で深める方針です。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=151.69 円)
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Source:JPYC公式X
サムネイル:AIによる生成画像





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