サークル、USDC活用の企業向けL1「Arc」パブリックテストネット公開

サークルの独自L1に世界100社超が参加

米サークルインターネットグループ(Circle Internet Group)が、企業向けレイヤー1ブロックチェーン「アーク(Arc)」のパブリックテストネットを公開したと10月28日に発表した。サークルは先立って今年8月にアークを発表しており、今回のパブリックテストネット公開は計画が稼働段階へ移行したことを意味する。

アークは、サークル発行の米ドル建てステーブルコイン「USDC」活用の企業向けチェーンだ。ネイティブガストークンとしてUSDCが活用されるほか、EVM(イーサリアムバーチャルマシン)互換、ステーブルコイン対応の統合型FX(外国為替)エンジン、サブセカンド(1秒未満)での最終決済、オプトイン(参加・同意)式プライバシー機能を備えている。

今回のテストネットには世界の金融機関やテクノロジー企業を含む100社以上が参加しているという。参加企業には、アポロ(Apollo)、BNYメロン(BNY Mellon)、インターコンチネンタル取引所(ICE)、ステート・ストリート(State Street)などの資本市場関連企業に加え、ブラックロック(BlackRock)、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)、HSBC、SBIホールディングス(SBI Holdings)、スタンダードチャータード(Standard Chartered)などの大手金融機関が含まれているという。

さらにアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、マスターカード(Mastercard)、ビザ(Visa)、クラウドフレア(Cloudflare)、ブレックス(Brex)、ヌーヴェイ(Nuvei)などのテクノロジーおよび決済関連企業もテストネットに参加しており、国際送金やAIエージェントを活用した新たな決済ユースケースの検証が進められている。

法定通貨担保型ステーブルコインやトークン化資産の発行基盤としての利用も想定されており、日本のJPYC(JPYC Inc.)、韓国のKRW1(BDACS)、オーストラリアのAUDF(Forte Securities)、ブラジルのBRLA(Avenia)、メキシコのMXNB(Juno/Bitso傘下)などがテストネットに参加している。将来的には、ガス代としてステーブルコインを利用できる仕組みの導入や、為替流動性(FX)インフラの構築も予定しているという。

また開発・インフラ領域では、メタマスク(MetaMask)、レジャー(Ledger)、ファイアブロックス(Fireblocks)、レイヤーゼロ(LayerZero)、チェーンリンク(Chainlink)、ウィルムホール(Wormhole)などが対応を進めている。さらにアンスロピック(Anthropic)のAIエージェント開発用ソフトウェア開発キット(SDK)「クロード(Claude)」とも連携しており、AIを活用したオンチェーン商取引(エージェントコマース)の実装も見据えている。

現在はサークルがアークの開発と運営を主導しているが、将来的には金融機関やテクノロジー企業、プロトコル開発者などによる分散的なガバナンス体制への移行を目指すという。今後はバリデータの拡大や透明性のある運営設計、コミュニティ参加の促進を進め、インターネット経済における中立的な共有インフラを構築していく方針を示している。

なお、ブロックチェーン分析企業のエリプティック(Elliptic)も、アークのテストネットにインフラストラクチャ参加者として参画している。同社はサークルとの既存パートナーシップを拡大し、アークにコンプライアンス対応のブロックチェーン分析機能を提供するという。

参考:サークルエリプティック
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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