
「ビットコイン・金・銀への転換」を提唱
ベストセラー書籍『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者である投資家ロバート・キヨサキ氏は2025年10月10日、従来の株式60%・債券40%の「60/40ポートフォリオ戦略」が終焉を迎えたとの見解を示しました。
キヨサキ氏は自身のX(旧Twitter)で「この60/40という伝統的な投資比率は1971年に米国が金本位制を終了した時点ですでに死んでいた」と指摘しました。
さらに、何十年もの間、金融アドバイザーが60/40戦略(※1)を退職後の安心のための「魔法の絨毯」のように喧伝してきたと批判しています。
※1:60/40戦略とは、株式に60%・債券に40%を配分する長期分散投資モデルで、安定的な資産形成の定番とされてきた手法
また、同氏は、米国政府が「世界最大の債務者」であり、米ドルは「偽のマネー」に過ぎないと述べ、債券は「破産した政府のIOU(借用証書)」だと痛烈に非難しました。
こうした”偽の通貨”や従来型資産から距離を置き、ビットコイン(BTC)や金・銀などの実物資産への投資こそが、資産を守り、経済的自由を得る道であると強調しています。
キヨサキ氏自身も、金や銀の現物、ビットコインやイーサリアム(ETH)、不動産、石油、家畜への投資から得た収入によって30年以上前に経済的自立を達成しており、”60/40の魔法の杖”に頼ったことは一度もないと明かしています。
FINALLY the BS “magic wand” of Financial Planner’s….the BS of 60/40 is dead.
FYI: 60/40 meant investors invest 60% in stocks and 40 % in bonds.
That BS ratio died in 1971 the year Nixon took the dollar off the gold standard.
For years, financial planners have touted the…
— Robert Kiyosaki (@theRealKiyosaki) October 9, 2025
ついに、ファイナンシャルプランナーたちがありがたがってきた“魔法の杖”のような「60/40投資」は終わりを迎えました。(中略)
この比率は1971年、ニクソン大統領がドルを金本位制から切り離した年に、すでにその有効性を失っていました。長年にわたり、ファイナンシャルプランナーは「60/40こそ老後の安心につながる魔法の方法だ」と宣伝してきました。(中略)
でも、米ドルが実態のない、破産寸前のアメリカ政府が発行する単なる借用書(IOU)である以上、果たして本当に安心できるでしょうか。アメリカ政府は歴史上最大の債務国です。そんな破産国家の債券を買う人がいるでしょうか?(中略)
私自身は、金・銀のコイン、ビットコイン、イーサリアム、借入を活用した賃貸不動産収入、さらに石油井戸や家畜などの実物資産からの収入を好みます。
実際、私は30年以上前に経済的自由を手に入れており、ファイナンシャルプランナーの“60/40の魔法の杖”を使ったことは一度もありません。
BTC・金・銀だけが生き延びる手段
キヨサキ氏が語る「60/40投資の終焉」と実物資産の時代
「偽のマネー」からの脱却が経済的自由をもたらす
キヨサキ氏は以前から60/40戦略に警鐘を鳴らしており、2023年10月には「2024年には60/40の法則に従う投資家が最大の敗者となるだろう」と発言していました。
同氏は代替策として、資産の75%を金・銀・ビットコインに、残り25%を不動産や石油関連株に投じる「75/25戦略」への移行を提案し、迫り来る「史上最大の大暴落」を乗り切る方法だと強調しました。
最新の投稿でもキヨサキ氏は、ドルが金の裏付けを失った1971年以降、通貨は無制限に発行される「偽のマネー」となり、株式や債券ももはや不安定な土台の上にあると指摘しています。
同氏は、米ドルという偽のIOU(借金証文)に支えられた金融システムに安心感はないと疑問を呈しました。さらに「誰が破産した国の債券を買うだろうか」と述べ、国債を含む従来型資産の信頼性が揺らいでいるとの見方を示しています。
世界の金融機関が60/40戦略の見直しを加速
こうした伝統的ポートフォリオ戦略の見直しは、金融業界においても進みつつあります。
米大手投資銀行モルガン・スタンレーのCIO(最高投資責任者)であるマイク・ウィルソン氏は、資産の60%を株式、20%を債券、20%を金に配分する「60/20/20」戦略を提唱し、歴史的に低金利・高債務が続く現状では、債券よりも金を組み入れる方が堅牢だと指摘しました。
また、米著名フィナンシャルアドバイザーのリック・エデルマン氏も6月のCNBCインタビューで「現代の市場環境では60/40モデルは適切でない」と述べ、投資ポートフォリオの10~40%を仮想通貨に配分するよう推奨しています。
さらに、世界最大の資産運用会社BlackRock(ブラックロック)のラリー・フィンクCEOは、今年公開した株主向け書簡の中で「将来の標準的な投資ポートフォリオは50/30/20(株式50%・債券30%・代替資産20%)になる可能性がある」と言及し、60/40に代わる新たな分散モデルの台頭を示唆しました。
経済的・政治的不安を感じるならBTC
世界の投資マネーが示す「実物資産回帰」の明確なサイン
この上昇局面では、仮想通貨ETF(上場投資信託)への週間資金流入額が過去最大の59億5,000万ドル(約9,100億円)に達し、デジタル資産への需要拡大が鮮明になっています。
また、安全資産とされる金価格も同時期に史上最高値を更新するなど、米ドル安を背景に投資マネーが法定通貨からビットコインや金に分散しつつある状況が見られています。
さらに、Deutsche Bank(ドイツ銀行)は2030年までにビットコインが各国中央銀行の外貨準備に金と並んで組み入れられる可能性があると予測しており、仮想通貨の存在感が世界の金融システムで高まっていることを示唆しました。
従来の「株式60・債券40」の常識が揺らぎ始める中、実物資産への投資を訴えるキヨサキ氏の主張は、今後の資産運用を考える投資家の間で大きな注目を集めています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.09 円)
ロバート・キヨサキ氏関連の注目記事はこちら
Source:ロバート・キヨサキ氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像






コメント