BNB(ビルドアンドビルド)時価総額でXRPを抜き3位に浮上|急騰の背景にある3つの要因

BNB価格が急伸、XRP超えで時価総額ランキング3位入り

2025年10月7日、BNBチェーンの独自トークン「ビルドアンドビルド(BNB)」は、時価総額でエックスアールピー(XRP)を上回り、世界第3位の仮想通貨に浮上しました。

BNBの価格は直近7日間で約30%急騰し、記事執筆時点で1,312ドルに達しました。時価総額は約1,820億ドル(約27兆7,000億円)に上っています。

BNBの上昇率は、ビットコイン(同期間約5%増)やイーサリアム(同8%増)を大きく上回り、仮想通貨市場全体の回復局面の中で際立った動きを見せました。

この急伸は、各地域でBNBの採用が進んでいる時期と重なったことが背景にあるとみられています。一方で、一部市場参加者からは、他の主要通貨と比べて異例の高騰ぶりに価格操作への懸念も示されています。

BNB急騰の背景にある3つの要因

BNB急騰の背景として、主に以下の3つの要因が指摘されています。

カザフスタンで政府支援のBNB基金設立

BNB価格上昇の要因の一つとして、中央アジアのカザフスタンでの政府主導の動きが注目されています。

カザフスタン政府は9月29日、国家の暗号資産準備基金「Alem Crypto Fund(アレム・クリプト・ファンド)」を設立し、最初の投資対象にBNBを選定しました。

同基金はカザフスタン共和国の人工知能・デジタル開発省が設立し、国営ベンチャー企業のQazaqstan Venture Groupが運営、バイナンスの現地法人が戦略パートナーとして協力しています。

この国家ファンドは長期的なデジタル資産の保有を目的としており、政府公認でBNBが組み入れられたことが、BNBに対する信頼感を高める出来事と受け止められています。

仮想通貨市場全体の回復

BNBの急騰は、広範な仮想通貨市場の回復基調に伴うアルトコイン市場の高揚とも密接に関係しています。

「Uptober」相場とアルトコイン市場の高揚

2025年秋にかけて主要な仮想通貨が軒並み上昇しています。特に10月は上昇しやすい「Uptober(アップトーバー)」の季節要因が追い風となりました。

実際、ビットコイン価格は10月5日に12万5,000ドル超まで上昇し、史上最高値を更新しています。ビットコインの最高値更新を受け、市場全体が活気づく中で投資資金はアルトコインにも流入しました。

BNBチェーンのエコシステム拡大と需要増加

特にBNBは、スマートコントラクト基盤「BNBチェーン」におけるガス代需要の高まりや、分散型取引所(DEX)の取引活発化、総預かり資産(TVL)の増加によって、利用機会が押し上げられています。

また、この時期にはBNBチェーン上で多くの新規トークンが取引される「BNBミームコインブーム」も発生し、関連する短期的な投機資金がBNB需要を押し上げたとの見方もあります。

ブロックチェーン分析企業BubbleMapsによれば、新興のミームコイン取引に過去数週間で延べ10万人以上のトレーダーが参加し、その約7割が利益を上げたと報告されています。

こうした投機的な盛り上がりと全体相場の好転が重なり、BNBの価格上昇に弾みが付いたとみられています。

価格操作の疑念(懸念)

一方で、今回のBNB急騰に対しては、価格操作の可能性を疑問視する声がコミュニティで広がっています。

SNS上で広がる価格操作疑惑とコミュニティ反応

ソーシャルメディア上では「BNBの急騰は不自然だ」という指摘が相次ぎ、海外掲示板Redditのソラナ(SOL)コミュニティでは「BNBは実質的にFTXの取引所トークンのようなものだ。いずれ価格操作の証拠が明るみに出て糾弾されるだろう」といった意見も見られました。

また、X(旧Twitter)上でも疑惑が飛び交っており、匿名のオンチェーン分析アカウントDeFiTracerは「バイナンスがショートポジションを清算させるために数百万枚のBNBを買い支えている」と主張し、取引所自らがBNB価格を意図的に吊り上げている可能性を指摘しています。

バイナンスが大量のBNBを購入して価格を押し上げ、数百万ドル相当のショートポジションを強制決済させようとしている。

彼らは不正行為を行っている。

バイナンス側の沈黙と市場の警戒感

2024年6月の報道では、バイナンス創業者のチャンポン・ジャオ(CZ)氏がBNB流通供給量の64%を保有しているとの指摘があり、一部ではBNB市場が中央集権的に管理されているのではないかとの懸念も根強く残っています。

こうした疑惑に対し、バイナンス側は現在まで明確なコメントを出しておらず、CZ氏も10月8日時点で「BNBチェーン上に引き続き構築を続けよう」とXに投稿するにとどめ、価格高騰や操作疑惑への直接の言及は避けている状況です。

BNBの高騰が示す市場の転換点と次の焦点

強気相場「Uptober」で加速するBNB上昇トレンド

今回のBNBの急騰は市場関係者の注目を集め、持続性や今後の展開にも関心が寄せられています。

市場全体では「Uptober(アップトーバー)」と称される10月の強気相場の勢いが続いており、専門家からは「今年の仮想通貨市場は過去10年のうち9回上昇した10月のアノマリーを追認している」との指摘もあります。

さらに、企業や機関投資家による暗号資産導入の動きも、BNBの上昇を後押しする要因となりました。

エコシステム拡大の中で試されるBNBの真価

BNBの急騰を受け、バイナンスは公式にBNBの上昇を祝うキャンペーンも実施しました。

バイナンスはBNBの最高値更新を記念し、9月18日から10月8日までユーザー向けプロモーションを実施しました。同社は「BNBはBNBチェーンの心臓部であり、新たなATH(史上最高値)はユーティリティと採用拡大の証だ」と強調しています。

このような一連の動きから、BNBの勢いが単なる投機によるものだけでなく、エコシステムの成長に支えられたものであることが示されています。

一方で、市場関係者の間では、BNBがこの第3位の地位を維持できるかどうかについて議論が続いています。急騰に伴う利益確定売りや規制動向の影響も懸念され、今後の動向に注目が集まっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=152.26 円)

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Source:CoinMarketCapデータ
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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