Kilnがイーサリアムバリデーターを撤退、同日のSOL不正流出受け

キルンがETHバリデーターから段階的撤退

ステーキングサービスプロバイダーのキルン(Kiln)が、すべてのイーサリアム(ETH)バリデーターからの「秩序ある撤退」を開始したと9月9日に発表した。この退出プロセスは、同日に発生したスイスボーグ(SwissBorg)が関与したソラナ(SOL)の流出インシデントを受けた予防措置の一環だという。

このインシデントでは、スイスボーグと連携するステーキングパートナーのAPIが外部から侵害され、約192,600SOL(約62億円相当)が流出した。被害は一部アーンプログラムに限定され、同社アプリ本体には影響がなかったとされる。

スイスボーグは、このステーキングパートナーが誰であったかについて明言していなかった。しかし、9月11日にブロックチェーンインシデントメディア「レクトニュース(Rekt News)」によれば、攻撃経路となったAPIはキルンが提供していたものであったと報じられている。

キルンのブログによれば、今回の対応は顧客と業界全体の保護を優先したものであり、主要な利害関係者との協議やセキュリティ企業の助言を受けた判断だとしている。バリデーターの退出には10日〜42日程度、その後の出金には最大9日を要するとしており、プロトコル上の仕様に従って順次処理される。なおバリデーターは退出中も報酬を獲得できるという。

現時点でキルンで資金損失は確認されていないものの、インフラ強化のために一部サービスのアクセスは一時停止している。調査完了後には事後分析の公表を予定しているとのこと。

同社CEOであるラスズロ・サボ氏は「当社のインフラに潜在的な侵害の兆候が見られたため、直ちに行動を起こしました」と述べている。

キルンは顧客からトークンを預かりバリデーターとして稼働させるネイティブステーキングプロバイダー。機関投資家と個人投資家を対象に、イーサリアムをはじめとする主要ブロックチェーン上で数万のバリデーターをサポートしている。

参考:キルンレクト
画像:iStocks/Максим-Ивасюк・Thinkhubstudio

関連ニュース

参照元:ニュース – あたらしい経済

コメント

タイトルとURLをコピーしました