
セクワンス社、2億ドル調達でビットコイン積み増しへ
ニューヨーク証券取引所に上場するフランスの半導体メーカーSequans Communications(セクワンス・コミュニケーションズ)は2025年8月25日、ビットコイン(BTC)の追加取得を目的に、株式売却により最大2億ドル(約295億円)を調達する計画を発表しました。
同社はSEC(米国証券取引委員会)に目論見書を提出し、発行済み普通株10株を1単位とする米国預託株式(ADS)を市場の状況に応じて随時売却できる「At-the-Market(ATM)」株式販売プログラムを設立しています。
発表によると、このATMプログラムによる資金調達はセクワンス社が長期的に推進するビットコイン財務戦略の一環とされ、得られた資金の大部分は追加取得に充てられる見通しです。
同社はすでにビットコインを主要な財務準備資産として位置付けており、長期投資の対象として計画的に積み増す方針としています。
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セクワンス社、ATM株式売却とビットコイン戦略
ATMプログラムを通じたBTC取得計画
セクワンス社のATM株式販売プログラムは、8月25日付でSECにシェルフ登録(Form F-3)を行って開始されたもので、同社の裁量で最大2億ドル相当のADSを発行できる枠組みとなっています。
このプログラムは同社のビットコイン財務戦略「第一段階」に位置付けられており、ジョルジュ・カラムCEOは「財務基盤を固める初期フェーズを支える手段」と説明しています。
カラム氏はさらに「財務の最適化や1株当たりのビットコイン保有量の増加、株主への長期的価値提供のため、本プログラムを慎重に活用する」と述べました。
発表によれば、株式売却の時期や規模は市場動向に応じて決まり、得られた純資金はビットコイン購入に充当すると説明しています。
約3,171 BTC取得で欧州有数の保有企業に
セクワンス社は2025年7月、約3億8,400万ドル(約566億円)の私募増資と転換社債で資金を調達し、ビットコイン財務戦略を開始しました。
同社の保有ビットコインは欧州でも有数の規模で、現時点の保有量はドイツ企業Bitcoin Group SE(約3,605BTC)に次ぐ水準となっています。
セクワンス社は記事執筆時点で約3,171 BTC(3億7,000万ドル/545億円相当)を保有しており、その平均取得単価は約116,700ドル/BTCとされています。
セクワンス社が掲げる10万BTC取得構想セクワンス社は今後も追加調達や事業収益を活用してビットコインを継続的に蓄積する方針で、2030年までに10万BTCの取得を目指しています。
同社はこの長期計画を「ビットコインを機関投資グレードの財務上の強靭性と長期的な価値創造の基盤と位置付ける戦略的コミットメント」と強調しました。
将来的なフェーズでは、株式希薄化を抑えつつビットコイン担保融資など多様な資本手段を活用し、目標達成を図る方針です。
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世界的に広がるビットコイン企業財務モデル
オランダAmdax、BTC財務会社AMBTSを設立
オランダの仮想通貨サービス企業Amdaxは8月、ビットコインに特化した財務管理会社「AMBTS(Amsterdam Bitcoin Treasury Strategy)」を設立し、ユーロネクスト・アムステルダムへの上場計画を発表しました。
同社のルーカス・ウェンシングCEOは「現在、ビットコイン供給量の10%超を企業・政府・機関が保有している」と述べ、AMBTSの長期目標として全ビットコインの1%を保有することを掲げています。
ポンプリアーノ氏、新会社でBTC財務戦略を推進
米国では、著名投資家アンソニー・ポンプリアーノ氏が2025年6月、ビットコイン財務運営を専門とする新会社「ProCap Financial」をSPAC合併で設立すると発表しました。同社は最大10億ドル(約1,470億円)規模のビットコインをバランスシートに組み入れる構想です。
同氏の企業はすでに合計7億5,000万ドル(約1,105億円)を調達しており、ビットコインを担保にレンディングやデリバティブ運用で収益を上げる独自戦略を進めていると伝えられています。
こうした動きを背景に、ビットコインを財務資産として活用する企業戦略は世界的に活発化しており、各社が独自の資金調達スキームや提携を通じて保有拡大を進めています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.33 円)
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Source:Sequans Communications公式発表
サムネイル:AIによる生成画像






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