
スタンダードチャータードがグローバル銀行で初の暗号資産現物取引の提供を開始
英スタンダードチャータード銀行(Standard Chartered)が、英国支店を通じて機関投資家にビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)の取引を提供すると7月15日に発表した。同行によれば、暗号資産(仮想通貨)の現物取引サービスを提供するのは、グローバルでシステム上重要な銀行としては初めてである。
米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が暗号資産に前向きな姿勢を示していることも追い風となり、ビットコインの価格が史上最高値を更新するなか、暗号資産関連商品の需要が高まっていると一部金融機関は指摘している。
同行の発表によれば、世界各地の企業、投資家、資産運用会社などの機関投資家は、スタンダードチャータードの既存プラットフォームを通じて暗号資産の現物取引(スポット取引)を行うことが可能となり、今後はノンデリバラブル・フォワード(NDF)取引の提供も開始される予定である。
またスタンダードチャータードはすでに、独立した子会社であるゾディアマーケッツ(Zodia Markets)とゾディアカストディ(Zodia Custody)を通じて、暗号資産取引を含む各種サービスを提供している。同行広報担当によれば、ゾディアマーケッツでは70種類以上の暗号資産の取引が可能だという。
スタンダードチャータード銀行の最高経営責任者(CEO)のビル・ウィンターズ(Bill Winters)氏は「顧客の需要がさらに高まる中、私たちは、規制を遵守しつつ、安全かつ効率的にデジタル資産の取引やリスク管理を行える手段を提供したいと考えている」と声明の中で述べた。
暗号資産市場は、2022年に相次いだ事業者の破綻によって不正行為が表面化し、多くの投資家が損失を被った後、近年は徐々に回復基調にある。 ・米国下院(U.S. House of Representatives)は今週、「クリプトウィーク(Crypto Week)」と称して一連の暗号資産関連法案を可決する見込みだ。
また一部の米銀が、これまで敬遠してきた暗号資産分野への進出を社内で検討しているとされるほか、フランスのソシエテジェネラル(Societe Generale)は先月、主要銀行としては世界で初めて米ドル連動型ステーブルコインを発行した。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Standard Chartered launches bitcoin, ether spot trading for institutional clients
(Reporting by Selena Li in Hong Kong and Elizabeth Howcroft in Paris; Editing by Jacqueline Wong and Emelia Sithole-Matarise)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters
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参照元:ニュース – あたらしい経済

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